軽量スティック掃除機 5つの本命を「軽さ」で比べた
掃除機選びは吸引力に注目することが多かったが、これから重要になるのは「軽さ」だ。シンプルに本体を軽くしたシャープやシャークニンジャ、本体は重くても操作感を軽くしたバルミューダなどアプローチの方法は様々。注目の5台の掃除機を試した。
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自宅で過ごす時間が増えると部屋が汚れやすいので、平日もこまめに掃除をして清潔感を保ちたい。その際に重要になるのは、気軽に掃除できる「軽さ」だ。その実現方法には様々なアプローチがある。
1.2キロとスティック型では業界最軽量
シンプルに本体重量を軽くしているのがシャープとダイソンだ。シャープは以前から「最軽量」をうたう機種を販売しており、新モデルの「RACTIVE Air EC-AR5X」では、ドライカーボンパイプの採用などで、約1.2キログラムまで軽くした。
本体サイズ・重さ/幅210×奥行き150×高さ985ミリ・1.2キログラム、最大使用時間/35分(弱モード)×2(予備バッテリー)、集じん容量/0.13リットル、実勢価格6万3580円(税込み)
人気のスティック型が一回り小さく
一方、これまで強力なモーターの搭載により吸引性能を高めてきたダイソンも、軽量モデルを発売。「Dyson Micro 1.5kg」は、ヘッドの小型化などにより、吸引力を維持しつつシリーズ最軽量となる1.5キログラムまで軽くした。
本体サイズ・重さ/幅207×高さ222×奥行き1091ミリ・1.5キログラム、最大使用時間/20分(エコモード)、集じん容量/非公開、実勢価格6万4900円(税込み)
ハンディー型がベースで取り回しやすい
ハンディー型掃除機から派生した、「Shark EVOPOWER SYSTEM CS401J」もハンディー部分が0.9キログラムと軽い注目製品だ。
本体サイズ・重さ/幅267×奥行き124×高さ1005ミリ・1.9キログラム、最大使用時間/20分×2(予備バッテリー)、集じん容量/非公開、実勢価格4万9500円(税込み)
逆方向に回転するブラシで床を「滑る」
本体は重くても操作感は軽い。それを独自の機構で追求したのがバルミューダの「BALMUDA The Cleaner」だ。内向きに回転する2つのブラシによってヘッドと床面との摩擦を低減する仕組みで、3.1キログラムの重さを感じることなくヘッドが滑るように走る。ほうきの柄のようなスティック状のハンドルもユニークだ。
本体サイズ・重さ/幅300×奥行き165×高さ1240ミリ・3.1キログラム、最大使用時間/30分(標準モード)、集じん容量/0.13リットル、実勢価格5万9400円(税込み)
独特の下重心でハンディー化も簡単
バルミューダと同様に、手元の軽さをアピールするのがエレクトロラックスの「Pure Q9」。こちらもモーターなどの重い部品が下にある低重心タイプで、同社によれば手元の体感重量は約800グラムと軽い。スタンドが無くても本体が自立するのも特徴だ。
万人向けはシャープとダイソン
5台の掃除機を試したところ、どれも一般的な2~3キログラムのスティック掃除機とは比べ物にならないくらい軽く使える。ではどう選ぶべきか。万人向けなのはシャープとダイソンだ。本体が軽いので、障害物を乗り越える際や2階に持っていくときも負担が少ない。この2機種では、操作時の軽さではシャープが優位で、フローリングにまいた重曹を吸わせる吸引力の簡易テストではダイソンが上回った。ただし両機種ともヘッドが小さいので、広いスペースを掃除する際の効率は他の3機種より良くないといえる。
ソファや机などの上をよく掃除するなら、本体から分離するだけでハンディー型になるシャークニンジャとエレクトロラックスが魅力的。ハンディー利用時の軽さではシャークニンジャが、集じん容量ではエレクトロラックスが優位だ。長時間使いたいなら、バッテリーを交換しなくても標準モードで30分動くバルミューダが有力になる。
(注)「Pure Q9」は「通常モード」で約25分、「EC-AR5X」は「自動モード」で約23分駆動する。
(PC&デジタル家電ライター コヤマタカヒロ、写真 高山透)
[日経トレンディ2021年1月号の記事を再構成]
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