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地方学生が就活YouTuberで得たもの スキルより勇気

Diary社長 福田駿さん

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NIKKEI STYLE

就職活動で地方と都市部の学生の間には「格差」がある――。こんな問題意識から、企業 や社員の生の声や人事担当者による模擬面接など、就活生が知りたいけれどなかなか入手できない情報を動画で伝える「就 活YouTuber」になった大学生がいる。金沢大学4年の福田駿さん(23)だ。4万人の登録 者数を持つYouTubeのチャンネル「しゅんダイアリー」を核として会社「Diary」(東 京・新宿)も立ち上げた。

自身のエントリーシート(ES)の添削で人材会社社員にダメ出しされ、有名スタートアップ訪問では「御社はブラック企業ですか?」と尋ねる。等身大で体当たりの取材をする姿が多くの就活生を惹きつけている。あまり知られていない地方の企業を紹介する動画も製作し、多いものは50万回再生された。福田さんに活動の原点や、就活動画の制作や自分自身の就活体験を通して「発見」したことを聞いた。

優秀な学生はたくさんいるけれど

――2020年、自身も就活を終え、ひとまずは事業に専念することに決めたそうですね。

「2018年の大学3年生の夏のインターンから始まって、会社訪問アプリを使って数人にOB訪問しましたが、1年間休学して会社を立ち上げることにしたのでいったん中断しました。その後、昨年の5月に2週間ぐらい活動したのですが、サイバーエージェントの3次面接で落ちました。何社か内々定をもらいましたが、ひとまず就職はせず、自分の会社をがんばることにしました」

――新型コロナウイルスの流行で業界によっては求人を大幅に減らすなどの影響が出ており、焦ったり悩んだりしている就活生は多いです。自身の就活や、様々な学生や企業の人に話を聞いた体験から、就活において何が大事だと感じましたか。

「勇気を持って行動すれば、自分次第で変えられる部分もたくさんあるということです。優秀な学生は本当にたくさんいますが、勇気のある学生は少ないと思うんです」

――なぜ勇気が大事だと思うようになったのでしょう。

「そもそも自分が就活の動画を始めたきっかけは、大学3年の秋に参加した東京でのインターンでした。一緒のグループになったのが都会の私立大や東大の学生で、1年生のころからインターンをしていたり、すでに数年のビジネス経験があったり。みんなすごく優秀で衝撃を受けたんです。地方にいるとOB訪問やインターンの機会が少ないし、周りの人の意識の高さ、情報感度も全然違います。この負の部分を解決したいと思いました」

「もともと早稲田大学に行きたくて仮面浪人したけれど失敗したのを機に、大学の枠組みにとらわれない活動をしようとYouTubeに動画を投稿していたんです。このチャンネルで企業や働く人の生の声や面接の様子を公開し始めました。優秀な人がたくさんいる中、このまま内定を取れたとしても入社後に活躍できないという直観もあって、自分だけの強みを持とうと、会社を立ち上げてやることにしました」

――実際に勇気を出して行動したのはどんなことですか。

「会社を作るなら同じ石川県出身でDMMを創業した亀山(敬司)会長に話を聞かなきゃと思って、オフィスを訪ねたんです。警備の隙をついて入館し、会長室のドアをトントンたたいて『金沢大学3年の福田と言います。いろいろ教えてください』って。亀山会長はびっくりしていましたが、怒らずに2時間ぐらい話してくれました。いまアポはちゃんと取った方がいいと思っていますけど。すごく緊張しましたが、勇気を出して行動したことで、自分のキャリアの幅が広がったり、次の仕事につながったりした経験でした」

――DMMの亀山会長とはどんな話をしたのですか。

「亀山会長の話で心に響いたのは『目の前のことをひたすら一生懸命やっていたら、結果や信頼は後からついてきた』ということです。この後に取材したファミリーマートの澤田(貴司)社長も全く同じことを言っていました。自分も『これは社会のためになっているか』など自問自答をしたうえで、目の前のことに全力を尽くすことを徹底しています。スキルというより、『無知は無敵』ですよね。学生は自分自身が背負っているものはそんなにないんです。純粋に話を聞きたいという気持ちで勇気を出したから、こんな話を聞く機会を得られました」

就活は他人軸になりやすい

――コロナで様変わりした就職活動で、学生はどんな苦労を感じているのでしょうか。

「面接がほとんどオンラインになって『自分を出し切れない』『正当に評価されていない気がする』という声もよく聞きます。学生同士が面接会場や学校で会うというヨコのつながりも薄くなっていて、生の情報がなかなか入ってこないという悩みもあるようです。このため、学生の二極化が進んでいると感じています。オンラインでいろんな企業と接点を持つ機会が増えたことを利用して積極的にがんばる人と、がんばっている周りの学生の姿が見えないために焦りをあまり感じず、なかなか自分から動く気持ちを持てない人に分かれています」

――福田さんの動画では、たくさんの企業の方に面接をしてもらっていますよね。面接やESで自分を出し切るコツはありますか。

「いろんな物差しに触れて自分の強みを知ることが大事だと思います。内省するだけでなく、いろんな人と話して自分はどんな人間か聞いてみてほしいです。就活支援のエージェントに相談してもいいですし。ただ、1人のエージェントに頼りすぎないよう注意してほしいです。それほど行きたくない企業の内定承諾を迫られたという話も聞きます」

「自分の軸で生きることも大切です。自分自身そうだったんですけど、就職活動は他人から評価されることを繰り返すので、どうしても他人の軸で生きてしまいがちです。もう1回生まれ変わったらどうしたいか、これから長い期間働くうえで本当に大切にしたいことは何か、自分の価値観を振り返って、分からなければ周りに聞くことを繰り返すべきだと思います。軸があれば、他人からいろいろ言われてもむやみに自己肯定感を下げずに済みます」

とにかく打席に立ち続ける

――福田さん自身の軸とは?

「僕が大切にしているのは、バッターボックスに立つ回数を増やすことです。打率を上げるのも大事ですが、3割打者が10打席立つより、1割打者が100打席に立つ方がヒット数としては多いですよね。とにかく打席に立ち続け、失敗から学び、また新しいチャレンジをする姿勢を大切にしていて、そこに一番幸せを感じます。都会の有名大の学生と比べて、能力的には恐らく僕の方が低いですけど、打席にはたくさん立っているので経験や人的資産は多いと思っています。いま東大や早慶の子たちと一緒に仕事をすることも多いですが、大学とか出身地とかはもう気にも留めてないって感じです」

――福田さん自身は就職せずに会社を続けることに決めました。

「もともとはお金持ちになりたいと思って、中学のころにプロのバスケットボール選手か社長を目指すことにしました。バスケ部のキャプテンやクラス委員長をやった経験から自分は大きな組織よりも数十人ぐらいのリーダーが向いていると思ったので、小さくても社会にインパクトを与える会社を作りたいと考えました」

「その後は組織の中に入って会社員としてやっていくのも選択肢としてはあったのですが、プロジェクトベースでいろんな企業の方とかかわれる今の会社を続ける方が魅力的に映りました。上司に怒られることもないですし(笑)。25歳以下向けのキャリア関連メディアで日本一を目指しています。僕らのコンテンツやサービスを通して、キャリアの選択肢を増やしてもらえたらな、と思っています。できれば高校3年や大学1年など早い時期から働くとはどういうことなのか考え始めた方がいい。様々な選択肢を比べ、納得したうえで働くことが大切だと伝えたいです」

数年後にはTikTokで就活?

――今後、会社でやっていきたいことは何ですか。

「就活生は絶対見るというメディアにして、さらに入社3年以内ぐらいの第二新卒の転職までサポートできるようにしたいです。シェアを取ろうとすると内定ノウハウの動画に偏りがちですが、それは本質ではないと思っています。自分がなにをやりたいか、どう生きていきたいかということが大事なので、ビジネスのスペシャリストや社会人1、2年目の人が就活生の相談に乗り、どうキャリアを決めていけばいいのかなどを話す、長期的な視野に立ったコンテンツを作っていきたいです」

――これからの就活はどう変わっていくと思いますか。

「これまでは就職のナビサイトで企業を検索するというのが一般的でしたが、数万社のデータがあるなか有名でない企業は検索されず、調べきれなくなっています。最近すでに始まっていますが、先輩や友人のほか、就活関連情報のインスタグラムやツイッターをフォローするなど、人を通じた検索が増えていくと思います」

「使われるサービスも変わっていきます。最近はナビサイトからYouTubeなどの動画に移ってきていますが、数年後にはTikTokのような短時間動画に流れていくとみています。無思考で見られる短時間動画はこれからはやると思い、コロナ流行前にTikTokの人の話を聞きに中国まで行ったんです。彼らはエンタメだけではなくキャリアや教育にも力を入れようとしていて、その波に乗らなきゃと感じました。いま大学1年生と話をしていても、使っているアプリや情報に対する感覚が違います。届け方も変えていかないといけないと実感しています」

(ライター 高橋恵里)

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