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コロナ禍を背景に、求められるリーダー資質は一段とはっきりしてきた(写真はイメージ) =PIXTA

コロナ禍を背景に、求められるリーダー資質は一段とはっきりしてきた(写真はイメージ) =PIXTA

2021年がスタートしました。今年こそはと転職をお考えのリーダーの皆さんは、引き続きコロナ禍との闘いの中で新天地を目指すことになります。このタフな環境の下で幹部体制の強化を推し進めている採用側の企業各社が、リーダー人材にいま求めているものは何でしょう。ここ最近、私が経営者JPでの幹部採用支援を通じて感じている、採用企業各社・経営者各位が特に人物面で強く意識している資質を集約してみると、それは3つにまとめられます。

厳しい環境でも精神的に安定している人

ウィズコロナが続くであろう2021年。長引く不透明な事業環境において、採用企業や経営者が幹部・リーダーに何よりも求めるのは、「先の見通しにくい不確かな状況の中でも、どんと構えてリーダーシップを発揮してくれる人」です。

「うーん、確かに求めたいご経験とご専門をお持ちなのだけれども。どうも話をしていて、自信なさげで彼にチームを預けていいと思えなかったんだよね」

ご紹介した幹部候補者の面接後、このようなフィードバックが社長からありました。候補者のAさんはとても誠実で良い人です。ただ、変化の激しい業界に身を置き続けてきた中で、果たして自分がちゃんとついていけているのだろうか。新しい場所で適応できるだろうかという不安をお持ちでした。

実際は、客観的にみて非常にレベル高く業務執行をこなしており、もちろんパーフェクトではないところもありますが、同じような職責を担っている人たちの中では非常に優れた人物ですので、私は「大丈夫ですよ、自信を持ってよいです」という話をキャリア面談時にしていました。しかし残念ながら、この部分の懸念が実際の面接で出てしまったかたちでした。

一方では、ご縁がうまくいく人たちについては、共通して社長や役員、人事トップから、「頼りになりますね」「とても客観的にご自身も周囲も見ることができる方で、当社の課題を解き明かして改善改革してくれると感じました」というようなフィードバックが返ってきます。

医療社会学者のアーロン・アントノフスキー博士の提唱した「首尾一貫感覚(SOC、sense of coherence)」をご存じでしょうか?

この感覚が強い人は、自分の人生に対して「納得できている」「腑(ふ)に落ちている」という充実した感覚を持っています。そして当人に精神的な安定、成熟が認められます。この「首尾一貫感覚」は、「把握可能感」「処理可能感」「有意味感」の3つからなっています。仕事で言えば、「業務がしっかり把握、理解できている」「自分はこの職務をやり遂げることができると思えている」「自分の職責や業務に対して意義・価値を感じている」ということです。

あなたが今検討している転職先では、この3つは満たされるでしょうか。こういう時期だからこそ、「把握可能感」「処理可能感」「有意味感」を持てる業務・企業を選択することで、周囲に安心感を与える精神的安定感と強さを感じさせることができる自分でいられる新天地選択にこだわってください。

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