日経トレンディ

複数台のスピーカーをスマホで操作

Sonosの特徴は、複数台のスピーカーをグループ化して「リビング」「書斎」「寝室」「キッチン」といった部屋ごとに割り当て、都度鳴らす対象をスマホで簡単に選択できる点にある。例えば、家族みんながそろう朝はすべての部屋で一斉に目覚めの音楽を鳴らし、子供が出掛けたら日中はリビングと書斎をセットにして夫がクラシックを流してテレワーク。一方洗濯機が置いてあるバスルームでは、妻がK-POPを聞きながら家事に精を出すといったことが簡単にできる。

サウンドバー以外のスピーカーのラインアップとしては、縦横どちらの向きでも使える「Five」(実勢価格税込み5万8800円)、バッテリー内蔵で持ち運びが可能な「Move」(同4万6800円)、キッチンなど限られたスペースでも設置しやすいコンパクト型の「One」(同2万3800円)などがある。

Sonos製品の場合、縦横どちらの向きでも使える「Five」(写真右、実勢価格税込み5万8800円)、バッテリー内蔵で持ち運びが可能な「Move」(写真左、同4万6800円)など、様々なタイプをラインアップ

マルチルームを展開するにあたってうれしいのは、スウェーデンの「IKEA」がSonosのスピーカーを内蔵したインテリア商品を発売していること。「SYMFONISK」というシリーズがそれで、台の部分がスピーカーになったおしゃれなランプ型や、写真立てや花を飾る台のように壁に取り付けられるブックシェルフ型などがある。日常生活に溶け込む一見スピーカーと分からないデザインで、インテリアにこだわりがある家庭でも導入しやすい。

「SYMFONISK(シンフォニスク)ブックシェルフ型スピーカー」そのまま本棚などに立て掛けておく一般的な使い方に加え、横にした状態で壁に取り付けるとモノを置く台としても使える
「SYMFONISK(シンフォニスク)テーブルランプ WiFiスピーカー付き」はSonosのスピーカーを内蔵。テーブルランプ WiFiスピーカー付きはその名の通り、寝室のベッドサイドなどに向くランプだ

比較的低価格なので、まずIKEAの商品でお試しして、音が気に入ったらサウンドバーを買い足してシステムアップするのもありだろう。

Sonosのサウンドバー一式を一軒家に持ち込んで試聴してみた。「米国系の音響メーカーは迫力志向が多い中、Sonosはモニター系の高解像スピーカーなので多くの日本人にも好まれるサウンド」というのが折原氏の評価だ。試したのは、Beamの上位版でサウンドバーなどがセットになった「Surround Set」(実勢価格23万4200円)で、部屋全体に立体的な音の広がりが現れ、音のシャワーに包み込まれるようだった。いつものテレビが別物に感じたほどだ。

他にもあるWi-Fi対応サウンドバー

マルチルーム再生が可能なWi-Fi対応サウンドバーは国内のAVメーカーも力を注ぐ。システムアップの幅はSonosほど広くないものの、各社は独自の最新音響技術を注ぎ込み音質を競い合う。例えば「デノン DHT-S516H」は、数種類のスピーカーをラインアップするほか、自宅にあるオーディオシステムをマルチルーム再生のグループに加えるアダプターも用意する。

パナソニックの「SC-HTB900」も、Google アシスタント搭載スマートスピーカーとの連動が可能で、サウンドバーで再生中の音楽をスマートスピーカーで鳴らすことができる。

スマートフォンをコントローラー代わりに使う「HEOSテクノロジー」により、マルチルームに対応。ハイレゾ音源の再生も可能。音声アシスタント「Alexa」に対応
回路基板の位置を工夫しスピーカーボックスの容量を大幅に拡大。キャビネットの構造を強化するなど高音質化の工夫多数あり
音声アシスタント「Alexa」に対応。バーチャル3Dサラウンド技術に対応しており、上方向からも包まれるような音響効果がある。マルチルームには非対応

(日経トレンディ 高田学也、写真 文田信基=fort、菊池くらげ)

[日経トレンディ2021年1月号の記事を再構成]