日経ヘルス

2021/1/13

長湯は禁物 肌の乾燥が進みやすい

やる気が出ないときは、42度の熱めのお湯だと活動モードの交感神経が優位になる働きを利用して、42度のお湯に5分つかるといい。ここ最近、うつうつとした状態が続いているな、というときは、朝少し早めに起きて入浴するといいだろう。

「入浴によるストレスや不安の軽減効果は、さまざまな医学研究や心理学の実験で明らかになっている。朝は入浴するのが面倒という場合は、42度のシャワーを浴びるだけでもOK。その際、風呂おけや洗面器に43度ぐらいのお湯をためて足をつけるのがお薦め。ただシャワーを浴びるだけよりも、体が温まりやすくて効果が増す」

逆にイライラや焦りで気が立っているときは、リラックスモードの副交感神経を優位にしたいから、長めにのべ20分、40度のお湯につかるといい。もっと長くつかれば、もっと効果があるのでは? と考えるのはやや早計。リラックス効果は増すが、肌のうるおいを奪ってしまう。

イライラや焦りで気が立っているときは長めにのべ20分つかる(写真はイメージ=PIXTA)

「肌のうるおいを保つ主要成分のセラミドは、お湯につかることで流出するため、長湯は禁物。たくさん汗をかいたわけでもないのに、1日に何度も入浴するのも避けるべき。セラミドが必要以上に奪われて、乾燥が進む。入浴直後は、肌の角質が水分を吸うためうるおったように見えるが、一時的なものにすぎない」

【+αの入浴テクニック03】やる気が出ないときは42度のお湯に5分間

熱めの42度のお湯に5分つかることで、交感神経を刺激して心身を活動モードに切り替えられる。朝、出勤前などの時間がないときは、同じ42度の熱めのシャワーを浴びるだけでもやる気アップにつながる。

繰り返すが、基本の入浴法は、お湯の温度は40度で全身浴、合計10~15分。これを1日1回だ。

早坂教授のチームが約1万4000人の高齢者を対象にして調査したところ、毎日入浴する人は、3年後に要介護になるリスクが29%低かったという。高齢者になるのはまだ先でも、毎日の入浴が健康寿命を延ばす一因であることは覚えておこう。

早坂信哉さん
東京都市大学人間科学部教授。温泉療法専門医。博士(医学)。自治医科大学医学部卒業後、地域医療に従事。浜松医科大学医学部准教授、大東文化大学スポーツ・健康科学部教授などを経て現職。生活習慣としての入浴を医学的に研究する第一人者でメディア出演多数。著書は『最高の入浴法』(大和書房)など。

(取材・文 茅島奈緒深、構成 高宮 哲=編集部)

[日経ヘルス 2020年4月号の記事を再構成]