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半身浴より全身浴が効く 疲れとる入浴法、お湯は40度

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NIKKEI STYLE

日経ヘルス

ぬるめのお湯で半身浴をするといいと聞くけどホント? 長くつかればつかるほど汗をかくからいい? 疲れをとるための正しい入浴法について、入浴について長年研究する「お風呂教授」が解明します!

◇  ◇  ◇

お風呂と温泉について20年以上医学的に研究し、のべ3万8000人の入浴を調査してきた東京都市大学の早坂信哉教授。

疲れがとれる入浴法について聞いたところ、以下の5つのルールがあがった。

疲れがとれる入浴法5つのルール

1 温度は40度に
2 全身浴でしっかり肩までつかる
3 つかる時間は合計10~15分
4 入浴剤でリラックス効果アップ
5 出た後は体を冷まさないように

「疲れがとれるメカニズムは、体内にたまった二酸化炭素や活性酸素などの老廃物を回収して、酸素や栄養分を新たに補給すること。その役割を担っているのが血液で、血流がいいほど、体のすみずみにまで血液が行き渡って疲労回復のスピードが上がる。そして、その状態に誰でもラクになれる方法が、入浴して湯船につかるということ。お湯の温度は40度で全身浴。時間は10~15分。6~7分を2回、または5分を3回など、合計10~15分になればいい」

血流アップと自律神経の切り替えがカギ

なぜ40度がいいのかというと理由は2つある。まずは血流の問題だ。

「数多くの実験が、40度のお湯につかると血流量が増えることを明らかにしている。血流量を上げるには、深部体温という体の内側の温度を0.5~1度上げる必要がある。私たちの平常時の深部体温は約37度だから、それより少し高い40度のお湯につかると、スムーズに0.5~1度上がる。深部体温と同じようなぬるめのお湯だと、つかっているうちに深部体温以下になりやすく、適温とは言い難い」

逆に、お湯の温度が高すぎると、今度は自律神経の問題で適さない。自律神経のうち、交感神経が優位になると体は活動モードになり、副交感神経が優位になるとリラックスモードになる。夜、優位にしたいのは後者の副交感神経で、それには40度のお湯が向く。40度がいい2つ目の理由だ。

「42度以上の熱めのお湯だと、活動モードの交感神経が優位になる。現代社会はストレスが多くて、交感神経が必要以上に刺激されている。いかにして交感神経のスイッチをオフにするか、ということも疲れをとるカギ」

お湯の温度は1度の違いで体に与える効果が変わる。お風呂に温度調節機能がない場合は、「湯温計」を利用しよう。

半身浴ならではの特筆すべき効果はない

全身浴がいい理由は、半身浴よりも温まりやすくて、血流アップしやすいため。

「半身浴はお湯が少ない分、同じ入浴時間だと得られる効果は半減する。実は、半身浴だからいい、という特筆すべき効果はない。半身浴にするなら時間は倍にして、お湯の温度が下がりすぎないように途中で調節を」

入浴剤は、血流を良くする効果がある硫酸ナトリウムが入ったものや、泡が出る炭酸系のものがお薦めだ。それらが入ってなくても、お気に入りの香りのものはリラックス効果を得られる。そして、出た後は体を急激に冷まさないこと。

「のぼせたとき以外、湯上がりに扇風機や冷房で涼むのはNG。血流がいい状態がすぐに終わってしまう。入浴後はタオルで体の水分を拭いたら寝間着を着て、冷えないように」

久々に運動したり、重い荷物を持って筋肉痛が出たときは温冷交代浴がお薦めだ。温冷交代浴はヨーロッパの温泉療法の一つとして行われてきたもので、温かいお湯につかった後、冷たい水をかける、あるいはつかるという入浴法のこと。

【+αの入浴テクニック01】筋肉の疲れには温冷交代浴を

40度のお湯に3分つかったら湯船から出て、30度ぐらいのシャワーを30秒手足にかける。これを2回繰り返し、最後にもう一度お湯に3分つかってから出る。慣れてきたらシャワーの温度を少し下げてもいい。

「温冷交代浴は、近年、アスリートたちが疲労回復法として積極的に用いている。温かいお湯では血管が拡張し、冷たい水では血管が収縮する。この拡張と収縮の繰り返しによって血流が改善し、筋肉痛などを引き起こす炎症物質が減少すると考えられる。一般家庭で行う場合は、温かいお湯は40度で、水は30度ぐらいのぬるま湯でOK。10度の差があれば、血管の拡張と収縮を十分促せる」

パソコンやスマホによる目の疲れを解消するのにも、入浴による血流アップが効果的。目の疲れの一因は、目のまわりの筋肉が緊張して血流が滞り、疲労物質がたまることにあるからだ。

「目の疲れをとるには、38~40度のお湯にゆっくり15分つかりながら、ホットタオルを目に当てること。タオルの上から目のまわりを指で軽く押すとさらに効果的。ホットタオルの代わりに、目のまわりに熱めの42度のシャワーをサッと当ててもいい。ある実験では、目の疲れによって一時的に下がった視力が熱めのシャワーで回復したという結果も出ている」

【+αの入浴テクニック02】目の疲れにはホットタオルで温め
38~40度のお湯に15分つかりながらホットタオルを目に当て、上から目のまわりを指で押す。お湯の温度が下がったら途中で調節を。ホットタオルの代わりに、熱めの42度のシャワーをサッと当ててもいい。
※ホットタオルは電子レンジで30秒ほど温めてつくるといい。

長湯は禁物 肌の乾燥が進みやすい

やる気が出ないときは、42度の熱めのお湯だと活動モードの交感神経が優位になる働きを利用して、42度のお湯に5分つかるといい。ここ最近、うつうつとした状態が続いているな、というときは、朝少し早めに起きて入浴するといいだろう。

「入浴によるストレスや不安の軽減効果は、さまざまな医学研究や心理学の実験で明らかになっている。朝は入浴するのが面倒という場合は、42度のシャワーを浴びるだけでもOK。その際、風呂おけや洗面器に43度ぐらいのお湯をためて足をつけるのがお薦め。ただシャワーを浴びるだけよりも、体が温まりやすくて効果が増す」

逆にイライラや焦りで気が立っているときは、リラックスモードの副交感神経を優位にしたいから、長めにのべ20分、40度のお湯につかるといい。もっと長くつかれば、もっと効果があるのでは? と考えるのはやや早計。リラックス効果は増すが、肌のうるおいを奪ってしまう。

「肌のうるおいを保つ主要成分のセラミドは、お湯につかることで流出するため、長湯は禁物。たくさん汗をかいたわけでもないのに、1日に何度も入浴するのも避けるべき。セラミドが必要以上に奪われて、乾燥が進む。入浴直後は、肌の角質が水分を吸うためうるおったように見えるが、一時的なものにすぎない」

【+αの入浴テクニック03】やる気が出ないときは42度のお湯に5分間

熱めの42度のお湯に5分つかることで、交感神経を刺激して心身を活動モードに切り替えられる。朝、出勤前などの時間がないときは、同じ42度の熱めのシャワーを浴びるだけでもやる気アップにつながる。

繰り返すが、基本の入浴法は、お湯の温度は40度で全身浴、合計10~15分。これを1日1回だ。

早坂教授のチームが約1万4000人の高齢者を対象にして調査したところ、毎日入浴する人は、3年後に要介護になるリスクが29%低かったという。高齢者になるのはまだ先でも、毎日の入浴が健康寿命を延ばす一因であることは覚えておこう。

早坂信哉さん
東京都市大学人間科学部教授。温泉療法専門医。博士(医学)。自治医科大学医学部卒業後、地域医療に従事。浜松医科大学医学部准教授、大東文化大学スポーツ・健康科学部教授などを経て現職。生活習慣としての入浴を医学的に研究する第一人者でメディア出演多数。著書は『最高の入浴法』(大和書房)など。

(取材・文 茅島奈緒深、構成 高宮 哲=編集部)

[日経ヘルス 2020年4月号の記事を再構成]

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