安いモデルはそれなり

安価なChromebookは、古いパソコンに似ていると思えばわかりやすい。Chromebookは、多くのモデルがWindowsノートで利用した技術や本体の金型などを流用して開発・製造している。そうすることでコストを抑えているのだ。

例えばレノボ・ジャパンの「Lenovo Chromebook S330」は、2万円台前半で購入できる。セールがあると1万円台に下がることも珍しくない。

Lenovo Chromebook S330は安価なモデルだが、普通に使える
見た目は古いパソコンに近い

こんなに安価なモデルでも、ブラウザーの利用やメールのやりとりは問題なくできる。ディスプレーの解像度が低く、色合いもイマイチなので、映画などを観るのにはちょっと向かないが、ストレスはそれほど感じないだろう。

全体にやや動作がもっさりしているが、慣れてしまえば「こんなものか」と思える。価格が安いモデルでも普通に使えるChromebookの特徴は遺憾なく発揮されているわけだ。

ひたすらシンプルに使うならこれでいい。ただし、ディスプレーがタッチ入力に対応していないので、Androidアプリが使いやすいとは言いがたい。

タッチ対応の人気モデルは4万円前後

同じレノボの「Lenovo IdeaPad Duet Chromebook」は、4万円前後で購入できるコンパクトなモデル。ディスプレーサイズは10.1インチで、タッチ対応している。

最大の特徴はキーボードとスタンドを兼ねるカバーを取り外すことでタブレットとしても使えること。Androidのアプリも利用しやすい。新製品があまり登場しないAndroidタブレットの代役として購入している人も多いという。

カバーを装着すればパソコンのように使うこともできる。処理性能はそれほど高くないが、ストレスは感じないし、映画を見たりゲームを楽しむなど、カジュアルに使える。

自宅用や子供の入門用のパソコンとしてもお薦めだ。

Lenovo IdeaPad Duet Chromebookはコンパクトなモバイルノートのような外観だ
キーボードとスタンドを兼ねるカバーが付属する

高性能モデルはWindowsノートとの「比較」に

日本HPの「HP Chromebook x360 13c」は、非常に素晴らしい製品だ。金属製の高級ボディーを採用する2in1モデルでパソコンとしてもタブレットとしても使える。ディスプレーは360度回転し、タッチ操作もしやすいので、Androidアプリもストレスなく操作できる。

Chromebookの中でも上位モデルの「HP Chromebook x360 13c」。ディスプレーも美しい
本体の作りがとても良く、所有してうれしくなる製品だ
ディスプレーは360度回転し、タブレットとしても使える

CPU(中央演算処理装置)は、米Intel(インテル)のCore iシリーズなので、動作速度も文句なしで、とても高速にテキパキ利用できる。映像の編集やヘビーなゲームも快適に使える。とても魅力的な製品なのだが、公式オンラインストアでの販売価格は税別9万9000円からとなる(記事執筆時のキャンペーン価格)。

やはり「高級モデルはすてき」と感じるが、ここまでの金額を払うとなると、「Windowsノートでよいのではないか」と思わないでもない。高性能になればなるほど、ChromebookがWindowsやMacとの違いを出しづらくなる。

もちろん、学校での利用など、デバイスの管理性を重視するならChromebookのメリットは大きいが、個人で購入して使うとなると、もう少し手ごろなモデルが現実的だろう。もちろん、HPも手ごろな価格のChromebookを用意している。

戸田覚
 1963年生まれのビジネス書作家。著書は150点以上に上る。パソコンなどのデジタル製品にも造詣が深く、多数の連載記事も持つ。ユーザー視点の辛口評価が好評。