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新しい年に 音楽の力を信じ、前を向いて(井上芳雄)

第84回

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NIKKEI STYLE

井上芳雄です。本年もよろしくお願いします。昨年は新型コロナウイルス禍のなかで、今やれることを一生懸命やろう、自分の立場で役に立てることがあればできるだけのことをしたいという思いで過ごした1年でした。今年もそれは変わらないですが、僕自身のことで言えば、役者として歌手としてもっと学びたいし、ステップアップしていきたい。その思いも忘れずに、自分自身が成長できる年にしたいと願っています。

さて12月は、13日に催された『The Musical Day ~Heart to Heart~』というミュージカル俳優が集う配信フェスと、26日にWOWOWで放送された音楽番組『僕らのミュージカル・ソング2020 年末スペシャル』に出演しました。昨年は多くのミュージカル公演が中止を余儀なくされ、今も先が見通せません。それでも俳優たちは音楽の力を信じて、前を向いて進んでいます。そんな仲間たちの姿が頼もしく、僕も励まされた時間でした。

『The Musical Day』は俳優の上山竜治君が発起人となって催した配信ライブです。ミュージカル俳優が企画したフェスというのが特徴で、新しい動きだと思います。上山君は、昨年春のコロナ自粛中のとき、ミュージカル俳優が『民衆の歌』(『レ・ミゼラブル』の劇中歌)をリレー形式で歌う動画を配信した人です。僕はそのときは参加できませんでしたが、ミュージカルを愛していて、音楽でみんなを勇気づけたいという彼の思いに賛同して、今回参加しました。将来は野外フェスのようなイベントに育てたいという夢があって、その第一歩として、ブルーノート東京で無観客ライブを催しました。

出演者(五十音順)は大原櫻子さん、尾上松也君(収録)、海宝直人君(収録)、上山君、西川大貴君、平原綾香さん、宮澤エマさん、吉原光夫さん(特別出演)というミュージカル俳優に加えて、アーティストのROLLYさんがゲストで参加されました。34歳の上山君と同世代の若い俳優が中心となる中で、僕は先輩扱いされるという最近にないポジションなのが新鮮でした。初めて会ったり、舞台であまり共演したことがなかったりした人も多く、後輩たちが主になって新しいことをやろうとしているときに、力になりたいという思いがすごく湧いてきました。

結果は、トークで頑張りました(笑)。もちろん歌も一生懸命歌いました。エマさんとは『アラジン』から『ホール・ニュー・ワールド』をデュエット、大貴君とは『クレイジー・フォー・ユー』から『アイ・ガット・リズム』を彼のタップダンスと僕の歌でコラボ、ソロでは『ルドルフ ザ・ラスト・キス』から『明日への階段』を。それに加えて、場を盛り上げたいという思いで、光夫さんのことを、朝ドラ『エール』で歌った『イヨマンテの夜』でいじってみたりと、ついテンションが高くなりました。光夫さんものってきてくれて、やっぱり2人とも先輩として何か頑張らなきゃと思ったんですね。

そういえば演歌の番組に出たとき、大先輩の千昌夫さんや吉幾三さんが周りを盛り上げようとハイテンションになっているのを、そういうポジションなんだなと思って見ていたのですが、今回は自分がその立場になっていると感じました。

 集まった顔ぶれによっては、自分もそういう立ち位置になる年齢や役割になったのだとあらためて思ったし、それだけミュージカル界に新しい世代が出てきたことを実感。大貴君と会うのは初めてでしたが、自分で脚本を書いたり演出をしたり、YouTubeチャンネルを運営していたりと、才能にあふれています。MCを務めてくれたエマさんも、トークや仕切りが上手だし、ドラマや映画にも出ていて多才です。いろいろな可能性を持っていて、それを若くして花開かせている感じがします。

僕らの世代は、光夫さんもそうでしょうけど、道を切り開くというか、違うジャンルに飛び出していくことをやってきたと思います。そこからもうひとつ新しい世代が生まれてきていて、それこそデジタルやSNSに強かったり、僕たちとは違う横のつながりや羽ばたき方があるのでしょう。すごく頼もしくて、うれしいことでした。今回その中心となった上山君は、すごくいい顔をしていて、何かをやり遂げた顔だったのがすてきでした。フェスの実現にこぎ着けるまでが大変だったと言ってましたが、人脈や人望があるからこそみんなが集まってきたのだろうし、それも素晴らしい才能です。

ジョシュ・グローバンとリモートでデュエット

WOWOWで放送された『僕らのミュージカル・ソング2020 年末スペシャル』は、僕がホストを務めて、ミュージカル俳優のゲストを迎える音楽番組で、20年6月・7月の放送に続く第3弾です。20年の振り返りコーナーでは中川晃教君、平原綾香さん、加藤和樹君、大野拓朗君、21年に開幕する作品からは『パレード』の石丸幹二さん、堀内敬子さん、『マリー・アントワネット』の花總まりさん、田代万里生君、『GHOST』から咲妃みゆさん、桜井玲香さんという豪華な顔ぶれに出ていただきました。

海外からはジョシュ・グローバンがリモートで出演してくれました。昨年3月の来日コンサートに僕はゲストで出る予定だったのですが、残念ながら公演は中止に。そのつながりもあって、ミュージカル『チャーリーとチョコレート工場』から『ピュア・イマジネーション』という、ジョシュが選んでくれた曲をデュエットしました。僕は初めて歌うので一生懸命練習して、彼が歌っている収録映像に合わせて歌わせてもらったのですが、光栄なことです。CDをそのまま流しているんじゃないかというくらい、歌が上手でした。

ジョシュは声の響きが素晴らしい。唯一無二の響きで、オペラ歌手になっても成功しただろうと思います。ミュージカルに対する愛情もすごくあるし、以前来日したときに会ったのですが、優しげな風貌そのままの穏やかな人柄で、世界トップクラスのアーティストでいながら、気楽にいろんな企画に参加してくれます。全部ひっくるめて、すてきな人。状況が落ち着いたらまた日本に来たいとも言ってくれているので、会える日が楽しみです。

 僕が歌った曲は、『アナと雪の女王2』から『イントゥ・ジ・アンノウン~心のままに』。未知の世界に行くという歌ですが、まさに20年はそういう1年でした。今の時期にぴったりの曲です。『キンキーブーツ』から『ノット・マイ・ファーザーズ・サン』。『プロデューサーズ』で共演した大野君とは『出来るさ!』をデュエット。初めてお会いした平原さんとは『天使にラブソングを2』から『ジョイフル・ジョイフル』。『RENT』からの『シーズンズ・オブ・ラブ』は中川君、平原さん、加藤君、大野君と一緒に。1年間のいろんな思いが胸をよぎりました。

ニューヨーク在住の演劇ジャーナリスト・影山雄成さんとのリモート対談や、ニューヨーク・ポスト紙にコラムを執筆されている演劇ジャーナリストのマイケル・リーデルさんのインタビュー映像では、ブロードウェイの劇場再開の見通しをうかがいました。5月末までの閉鎖が発表されていますが、ワクチンが十分に行き渡るまで再開できないとなると、再開は21年後半から22年になるという見方もあるようです。再開後はチケット価格を下げるなど劇場の収入システムの見直しが必要だという意見もあり、日本とはまた違う事情に考えさせられることも多かったです。

自分たちができることをしっかりと

MCとしてゲストの話を聞く役割も大きかったのですが、僕にとってはありがたいことでした。普段からいろんな人と会って話を聞きたいけど、今はなかなか集まれないし、食事にも行けません。なので番組を通して、久しぶりに会えるのは願ったりかなったりです。平原さんのように、初めてちゃんとお話できたのもうれしいし、『ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~』でビリー役を演じた4人の子役とも初めて会えました。僕は見に行けなかったのですが、コロナ禍でもレッスンを重ねて、素晴らしいパフォーマンスをお客さまに披露してくれていたのだと思うと、それだけで胸がいっぱいになりました。

みんなと会って感じたのは、やっぱりミュージカル俳優は前向きで、明るい人たちだということ。特にこれから幕が開く作品で、今はけいこ中というカンパニーから来てくれたゲストの方々は、新型コロナの感染状況がどんどん変わっているから、不安だったり、先が見えづらかったりすると思います。そんななかでも、自分たちができることをしっかりやろうという姿勢は、誰もが同じでした。話を聞いたり歌を聴いたりして、僕も励まされたし、願わくばすべてのカンパニーが完走できますように、と祈る気持ちになりました。

『夢をかける』 井上芳雄・著
 ミュージカルを中心に様々な舞台で活躍する一方、歌手やドラマなど多岐にわたるジャンルで活動する井上芳雄のデビュー20周年記念出版。NIKKEI STYLEエンタメ!チャンネルで月2回連載中の「井上芳雄 エンタメ通信」を初めて単行本化。2017年7月から2020年11月まで約3年半のコラムを「ショー・マスト・ゴー・オン」「ミュージカル」「ストレートプレイ」「歌手」「新ジャンル」「レジェンド」というテーマ別に再構成して、書き下ろしを加えました。特に2020年は、コロナ禍で演劇界は大きな打撃を受けました。その逆境のなかでデビュー20周年イヤーを迎えた井上が、何を思い、どんな日々を送り、未来に何を残そうとしているのか。明日への希望や勇気が詰まった1冊です。
(日経BP/2700円・税別)
井上芳雄
 1979年7月6日生まれ。福岡県出身。東京藝術大学音楽学部声楽科卒業。大学在学中の2000年に、ミュージカル『エリザベート』の皇太子ルドルフ役でデビュー。以降、ミュージカル、ストレートプレイの舞台を中心に活躍。CD制作、コンサートなどの音楽活動にも取り組む一方、テレビ、映画など映像にも活動の幅を広げている。著書に『ミュージカル俳優という仕事』(日経BP)、『夢をかける』(日経BP)。

「井上芳雄 エンタメ通信」は毎月第1、第3土曜に掲載。第85回は2021年1月16日(土)の予定です。

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