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味の素社長 西井孝明氏

味の素社長 西井孝明氏

味の素は130カ国・地域でうま味調味料やアミノ酸関連食品を販売し、売上高は約1兆1000億円(2020年3月期)に達する。西井孝明社長は15年、同社では歴代最年少で就任し、不採算事業の圧縮やスタートアップとの協業を進めてきた。西井社長は「リーダーは組織の方向性を示すことが大切」と考え、自らが掲げるビジョンを実現するため「信頼を得るには自らが模範を示さなければならない」と心がけている。

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――どんな目標を持ってキャリアを築きましたか。

「最初から『こういうリーダーになろう』という、リーダー像を意識して持っていたわけではないんです。ただ、振り返るとリーダーになりたいと思うきっかけになるような出来事がいくつかありました。より良い仕事をする、より良い商品を届けていく。自分の仕事で提供するバリューを上げるためには、価値を創造しないといけません。そのためには、職務が上の方がチームワークで仕事をしてより大きな成果を出せる。仕事で成果や価値を創造しようと思えば、必然的に上のキャリアを目指すことになるでしょう。その方がより大きな仕事ができるからです。それが私のキャリアに対する考え方ですね」

――入社後、最初の配属は静岡営業所でした。

「29歳まで、名古屋支店が管轄する静岡営業所で営業担当でした。ここで最初にリーダーシップとは何かを考えるようになりました。目に見える形で計画を立てようと、『52週間の販売促進計画』を作ったのですが、これが私のキャリアに大きな影響を与えたと感じます。当時の大手スーパーチェーンなどが取り入れていた52週マーチャンダイジング(MD)を参考にして、取引先の1年間の数字を52週に分けて販売促進の計画案を示したのです。主要カテゴリーでどのように商品が売れたのか社内データを集め、それでも足りない部分のデータは卸から情報を教えてもらって、模造紙に定規を使って手書きで線を引いてグラフにしました。『このときはこういう販促をしたから、これだけ売れました』というのを、目で見えるようにしたんです」

「当時、静岡県での味の素のシェアは10%前後で低迷していました。シェアが低いということは、お客様にとってなくてもいい商品ということです。これでは他社と差異化ができず、小売業のバイヤーに取り扱いを増やしてもらえません。そこで自分なりに必死に考えて、バイヤーに味の素の販促効果などをデータ化して、それを見える形で説明して説得したのです。今起きていることを見て、考えて、計画に落とし込む、『See、Think、Plan、Do』のSTPDのサイクルの面白さに気がついた時でした」

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