新型コロナウイルス感染拡大の影響で、2021年卒の学生の就職活動は非常に厳しかった。12月中旬にオンラインで開催した「コロナ下のU22座談会」、今回は激動の中で内定を勝ち取った大学4年生4人が参加した。オンライン面接の急増、採用枠の減少といった難局をどう乗り切ったのか。(司会はU22編集長・安田亜紀代)
Aさん 明治大学4年の男性。大手IT企業へ就職予定。
Bさん 学習院大学4年の女性。大手食品メーカーへ就職予定。
Cさん 慶応義塾大学4年の男性。総合商社へ就職予定。
Dさん 明治大学4年の女性。大手保険会社へ就職予定。
採用中断、留学先から緊急帰国
――コロナ禍での就職活動は大変だったと思いますが、焦りはありましたか。
Bさん 非常に焦りました。夏冬のインターンに参加した友人は早期選考で内定を得た人も多かったのですが、私は採用に直結するインターンはやっていなくて、完全にスタートが出遅れ、2月末からエントリーシート(ES)を書き始めるという状況。しかも志望先の化粧品や食品業界は選考が滞り、面接の案内が一時的に止まり、本当に採用があるのかと不安に陥りました。
Aさん 僕は当時、欧州に留学していました。英国ロンドンで毎年開催される2日間のキャリアフォーラムで内定を得ようと考えたのですが、ダメでした。フォーラムの参加企業数は例年の半分の20社程度に減り、開催形式がオンラインに変わりました。留学先でインターンに参加していたのですが、2カ月弱で終わってしまい、留学自体も中断になりました。やりきれない思いを引きずって、当初する予定のなかった日本での就活にうまく気持ちが切り替えられませんでした。
Cさん 僕はそもそも就職しようか、自分でブログをやっていたので起業をしようか五分五分の気分で就活にのぞみましたが、選考が早めにスタートする外資系は全部落ちて、6月の段階まで内定がなかったので「もう後がない」と心臓バクバクでした。人にも会えないなか、将来が決まっていないことについて相談できる相手がいないのも不安でした。
Dさん 私は2度、焦りや不安を感じた局面がありました。4~5月は面接などの連絡がしばらくなく、いきなり対面からオンラインの面接に変更。6月に志望先のメーカーや商社がダメだった時もつらかった。金融に目を向けたのは6月末からだったので、私の就活は長期戦でした。
――選考でコロナの影響を感じた部分はありますか。
Aさん 本来ならキャリアフォーラムの2日間で終わるはずだったコンサルの選考が、コロナの影響でずるずると延びて、3カ月ほどかかった末に、最終面接で落ちてしまいました。想定が甘かったのですが、(コンサルに)いけるんじゃないかと思っていたこともあり、帰国後の4月から始めた日本国内での就活も最初は本腰が入らず……。夏採用の頃に本格稼働し、やっと8月に大手IT企業から内定をもらいました。