2021/1/7

――選考前の準備としてどんなことをしましたか。

Bさん 私はまず「人生のモチベーショングラフ」を作成しました。幼少期まで遡って自分の気持ちが上がったとき・下がったとき、何のために頑張っていたのか、などの項目を書き込んだグラフを作成しました。こうすることで業種への適性がわかったように思います。例えば習い事も受験も一度決めたら最後までやり遂げてきたことから自分の中の執着心の強さを見つけ、0からモノを作るメーカーが向いているのではないか、と考えました。

次に「3年後・5年後・10年後」の未来の自分がどうなっていたいかもまとめて、より具体的に絞っていきます。仕事もプライベートも両方です。私の場合、プライベートを充実させたい、転職はしたくない、若いうちは地方勤務して出産時に関東へ戻りたい、と思っていたので離職率の少ない大手メーカーで、かつ全国転勤があっても勤務地の配慮をしてくれそうな会社を選びました。

Cさん 僕は(就活で強いとされる)帰国子女でも体育会系でもなくて、ブログという人と違ったことをやってきたので、それをこれでもかというぐらいアピールする作戦でした。誰が聞いても理解できるような表現をしたり、閲覧数や類似サイトとの比較など数字を使うようにしたり、どこから質問されても答えられるように詰めていきました。わりと当たり前のことをやっていない人が多いように感じます。伝え方の基本は、社会人の方に模擬面接をしてもらって鍛えましたね。

「時にはプライドを捨てて相談を」

――採用環境が悪化し、思うように内定を得られず、就職浪人を選ぶ人も多そうです。

Aさん まだ迷っている友人もいます。今は失敗をコロナのせいにできるじゃないですか。しかし、それだと自分の反省ができず、次につながらないことになるかもしれない。

Cさん 僕の場合、浪人や休学をしたので、同級生より2年遅れました。ですが全然マイナスだと思っていません。むしろ回り道をしている人の方が話は面白い。就職浪人した友達は自分に自信がないタイプだったのですが一度就活に失敗したあとに長期インターンをして、志望企業から内定を得ていました。何か1つでも自信があれば認めてくれる会社があるはず。長い人生なので、就職浪人なんて気にすることはないと思います。

――就活を振り返り、やっておけば良かったこと、実際にやって良かったと思うことがあれば教えてください。

Aさん 自分はプライドが高いところがあり、うまく周囲の助けを借りられませんでした。でも6月に内定をもらった友達は、ある意味、先輩じゃないですか。こんなES書いてるの?って思われたらどうしようって、怖くて相談できなかった。それでも、内定がなかなか得られないので思い切って周囲に相談し始めてからは、自分のことを客観的に分析できるようになったと思います。時にはプライドを捨てて何でも相談するのがいいでしょうね。

Dさん 所属する学生団体には多くのOB・OGがいるので、もっと早くいろんな人と話せば、業界・企業分析や面接練習にもつながったなと反省しますが、後悔はしていません。私はこれまで「自分で決めて行動する」ことをモットーにしてきました。就活って、何度も決断を迫られます。普段から自分で決めるということを心掛けていれば、悔いなく選択できるのではないでしょうか。

Cさん 学生とだけ話していると、どうしても視野が狭くなるので、社会人と話す機会を意識的に作っていくといいと思います。より高い視座で自分を客観視できる。僕は大学時代に様々なイベントを主催していたので、社会人と話す機会が多く、緊張することなく楽しむことができました。何社も落ちましたが、それは自分と相性が悪かった、縁がなかっただけだと、割り切ることも肝心だと思います。

(文・構成 代慶達也)

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