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筋肉減らさない酒のつまみは? 「夜筋トレ」にも注意

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NIKKEI STYLE

日経Gooday(グッデイ)

せっかく筋トレをしても、直後にお酒を飲んでしまうと、その効果が台無しになる…。トレーニング後の飲酒を楽しみにしていた酒好きな人にとって衝撃的な事実を、立命館大学スポーツ健康科学部教授の藤田聡さんから聞いた(前回記事「筋トレ後ぐっと一杯 飲酒で効果『3割消える』ことも」参照)。それでは、筋肉を増やすなら、どのようにたんぱく質をとるのがいいのか、酒のつまみなら何がいいのか、酒ジャーナリストの葉石かおりが引き続き藤田さんに聞いた。

◇   ◇   ◇

アルコールは筋肉の合成に影響を及ぼし、筋トレ後に酒を飲むと筋トレの効果が台無しになる。

前回分かった衝撃的な事実は、筋トレラブの酒飲みにとって、かなりショックだったのではないだろうか。立命館大学スポーツ健康科学部教授で、『眠れなくなるほど面白い 図解たんぱく質の話』などの本を監修している藤田聡さんは、「筋トレを行うと、筋肉の合成を高めるスイッチとなるmTOR(エムトール)という酵素が細胞内で働きますが、筋トレ後にアルコールを飲んでしまうと、このmTORの作用が抑制され、筋肉の合成率が3割程度も減るという研究があります」と話す。

ただし、藤田さんも実践している、「朝に筋トレを行って、夜にビール1缶程度なら許容範囲」というやり方は、量こそ少ないけれど救いになった…、はず。

筆者は、藤田さんに取材して以降、筋肉の合成が高まっている筋トレ直後に酒を飲むのはやめた。そして、すっかり"朝トレ派"となったのだが、筋トレ後、汗を拭きながらプロテインを飲んでいて、ふと思った。

「当たり前のように筋トレ後にプロテインを飲んでいるけど、これでホントにいいのだろうか? また、日ごろの食事では何を食べればいいのか、そして酒と合わせるつまみには何をチョイスするといいのだろうか?」と。

そこで前回に引き続き、しっかりと筋肉をつけるためのたんぱく質の話を藤田さんに伺おう。

筋肉の水分以外は80%がたんぱく質

まずは、たんぱく質の基本的なことを、改めて藤田さんから教えていただこう。先生、筋肉と言えば「たんぱく質からできている」ということは知っていますが、私たちのカラダの中で、たんぱく質はどんな役割を担っているのでしょう?

 「体を作る筋肉、皮膚や髪、内臓などの組織、ホルモン、酵素などは、ほぼたんぱく質を材料として作られていて、特に筋肉においては、水分以外の約80%がたんぱく質によって構成されています。また、筋肉のたんぱく質は緊急時に分解されてエネルギー源としても使われることがあります」(藤田さん)

カラダの大部分はたんぱく質からできているということか。たんぱく質がいかに大切かが分かる。また、たんぱく質は気を付けていないと不足がちになる、とも聞く。やはり毎日とるべきなのだろうか?

「はい、毎日摂取する必要があります。食事などで取り込まれたたんぱく質は、アミノ酸へと分解され、体の各部位でたんぱく質に再合成されます。体内では、たんぱく質の合成とアミノ酸への分解が常に行われており、またアミノ酸の一部は燃焼されたり排せつされたりしてなくなるので、たんぱく質を毎日新たにとらなくてはならないのです」(藤田さん)

毎日摂取するとなると、気になるのはその量。素人考えだと、「カラダにいいならたくさんとればいいじゃないか」と思いがちだが…。

「1日当たり3食合計60~70gが理想です。中高年の場合は体重1キロ当たり、0.4gを目安としてください。この計算式でいうと、体重50kgの女性であれば1食あたり20g、3食合計で60gとなります。私自身もこの計算式を利用しています。また、1食で1日分をまとめてとろうとせず、必ず3食に分けてとるようにしましょう」(藤田さん)

1食でどうすればたんぱく質20gがとれるだろうか。肉・魚であれば、部位にもよるが100g当たりだいたい20g程度のたんぱく質を含んでいる。豚ヒレ肉なら2~3切れ、サバなら1切れ、イワシ缶1個が目安になる。

また、卵1個のたんぱく質は約6.2g、牛乳200mLで6.8g、納豆1パック(50g)で8.3g程度だ。ご飯やパンなどの穀物にもたんぱく質は含まれており、ご飯は茶わんに軽く1杯でたんぱく質が3.8g、食パンなら6枚切り1枚で5.6g程度になる。これらを組み合わせて、まずは1食20gを目指そう。

がんばれば何とかとれそうな量だが、「朝や昼は時間がなくて、食事の準備が十分にできず、そこまでの量をなかなかとれない」という方もいるだろう。だがご安心を。「たんぱく質は、プロテインでとってもOKです」と藤田さん。

「プロテインは、肉からたんぱく質を摂取した場合よりも、筋肉の合成が早いと言われています。だからといって、食事の代わりにプロテインだけで済ますことは、あまりお勧めできません。あくまでも補助と考えるようにしましょう」(藤田さん)

藤田さんによると、筋肉の合成だけを考えればプロテインのほうが効率がいいのかもしれないが、肉や魚を食べるのはほかの栄養素をとるためでもある。そのため、食事で不足した分、プロテインで補うという考え方がいい、というわけだ。

筋トレ後1~2時間以内にプロテインを飲むのが効果的

「筋トレで筋肉をつけたい人は、プロテインは筋トレとセットにしましょう。飲むタイミングは、厳密に考えなくてもいいとも言われていますが、筋トレの後1~2時間以内に飲むと筋肉の合成が高まるのでより良いと考えられます」(藤田さん)

なお、プロテインを飲むと、それだけで満腹感が得られることがある。そのため、「ダイエット中の人は、食前にプロテインを飲めば、お腹がある程度満たされるので、食事を食べ過ぎることがなくなるかもしれません」という耳よりな情報を藤田さんに教えてもらった。逆に高齢者の方は、食前に飲むと食事が十分にとれなくなるかもしれないので、食後に飲むといい、とのことだ。

ところで、たんぱく質というと、大豆などの「植物性たんぱく質」、肉などの「動物性たんぱく質」に分けられるが、藤田さんが筋肉を増やすためにお勧めするのは「動物性」だという。

「動物性のたんぱく質の利点は、アミノ酸が豊富で、バランスよく含まれているということ。また必須アミノ酸の一種で、筋肉の合成を促すロイシンが豊富なこともお勧めする理由の一つです」(藤田さん)

ロイシンと筋トレがmTORを刺激して筋肉合成を促す

ただし、動物性たんぱく質を摂取するために肉や魚を食べるときに注意したいのは、脂質のとり過ぎだ。藤田さんは、「赤身肉やカツオなど、できるだけ脂肪が少ないものを選ぶようにするといいでしょう」とアドバイスする。

おつまみで言うなら、鶏のから揚げよりも鶏のグリル、マグロやカツオなどの赤身の刺し身にすれば、脂質のとり過ぎは防げそうだ。ささみの梅しそ巻き、だし巻き卵なども良いかもしれない。また、植物性たんぱく質でも、特に含有量が多い高野豆腐の煮物などはお勧めだ。

なお、筋肉を増やしたいというよりも、筋肉量は維持しつつダイエットしたいという方は、納豆や豆腐などの植物性たんぱく質をとると、脂肪の燃焼効果も期待できるという。

藤田さんによると、「たんぱく質だけでなく、筋肉の合成を促進する食べ物も一緒にとったほうがいい」とのこと。中でも「ビタミンB群とビタミンDは積極的にとるべき」だという。

「ビタミンB群は運動後の疲労回復をサポートし、ビタミンDは筋肉の合成を促進します。これらは、意識して、たんぱく質と一緒にとってほしい栄養素です。また、ほかにも、ビタミンC、亜鉛、鉄、糖質、カルシウムなどをバランスよくとることが大切です」(藤田さん)

ビタミンB群のうちB6は、アミノ酸の再合成を手助けする働きがあり、赤身の魚やささみに多い。ビタミンDは青魚などに多く、また日光を浴びることで体内で合成される。

筋トレラブの酒好きの多くは、「筋肉=たんぱく質」という図式が頭にあるので、ついほかの栄養素をないがしろにしがちかもしれない。また、カラダを絞り込むため、糖質制限をしている人も少なくないが、「糖質が不足すると、筋肉の分解につながるので注意してください」と藤田さん。筋トレで筋肉をつけたいなら、糖質もきちんととらなければならないのだ。

寝酒や"夜筋トレ"は避ける

さて、たんぱく質の効果的な摂取の仕方が分かったところで、食事以外の生活面で注意したいことや、トレーニングのコツなどを藤田さんに伺ってみよう。

「お酒が好きな方へのアドバイスとしては、寝酒は極力控えてください、ということ。寝酒は睡眠の質を低下させ、夜中に目が覚めて逆に睡眠不足になったりします。睡眠不足になるとストレスホルモンが分泌され、筋肉を分解する働きが強まります」(藤田さん)

筋トレをはじめとする運動は睡眠の質を高めると言われているが、21時以降に運動すると交感神経が刺激され、なかなか寝付けなくなったりと、逆効果に。「夜に筋トレする場合は、20時くらいまでに終わらせるといいでしょう」と藤田さん。

筆者は、前回の取材以降、自宅での朝筋トレがすっかり定着したが、このところの新型コロナの影響で、会社帰りにジムに行くことが難しくなっている人も多いのではないだろうか。

「ジムに行くのはハードルが高いのであれば、まずは日常生活の中で運動習慣を身につけるようにしましょう。エスカレーターではなく階段を使う、バス停1つ分歩くなど、ちょっと意識を変えるだけでも運動量は増えます」(藤田さん)

初日は「着替えるだけ」でもOK!

これから筋トレをスタートしようと思っている方は、自分のペースで徐々に運動の習慣を身につけていけばいい、と藤田さんは言う。「いきなりダンベルを買うのではなく、自分の体重を重りとして使う、スクワット、腕立て伏せなどの自重トレーニングや、プランクなど、器具を使わず、自宅でできることから始めてみましょう」(藤田さん)

「最初から完璧なトレーニングプランを立てて、それを実行しようと思うと面倒ですよね。それより、初日はトレーニングウエアに着替えるだけでもいいんです。次の日は、まず着替えた後に、『せっかく着替えたんだし、筋トレしようかな?』と思えるかもしれない。そうやって無理なく体を動かしていきましょう」(藤田さん)

挫折しやすい自宅筋トレも、確かに着替えるだけでもいいと思えば気が楽だ。飲んだ翌朝にしんどいときでも、「まず着替えだけ」と思えば重い腰が上がるし、それから「せっかく着替えたし筋トレするか!」となったらもうけものだ。

コロナ前より自宅にいる時間が長くなった今、「朝筋トレ+たんぱく質摂取」で、筋力を増やし、多少飲み過ぎても太りにくいカラダを目指したいものである。

(図版制作:増田真一)

[日経Gooday2020年12月4日付記事を再構成]

藤田聡さん
立命館大学スポーツ健康科学部 教授。1970年生まれ。1993年、ノースカロライナ州ファイファー大学スポーツ医学・マネジメント学部卒業。1996年、フロリダ州立大学大学院 運動科学部 運動生理学専攻 修士課程修了。2002年、南カリフォルニア大学大学院 キネシオロジー学部 運動生理学専攻 博士課程修了。2011年より現職。運動生理学を専門とし、老化と共に起こる筋量と筋機能の低下(サルコペニア)に焦点をあてた骨格筋タンパク質代謝についての研究を行っている。監修本に『筋肉がつく! やせる! タンパク質データBOOK』『図解眠れなくなるほど面白い たんぱく質の話』、共著に『スポーツサイエンス入門』など。

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