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紀伊国屋書店大手町ビル店の西山崇之さんのおすすめは『独学大全』と『みずほ銀行システム統合、苦闘の19年史』

紀伊国屋書店大手町ビル店の西山崇之さんのおすすめは『独学大全』と『みずほ銀行システム統合、苦闘の19年史』

ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回はいつもと趣向を変えて、定点観測している書店のビジネス書担当者に年末年始に読んでおきたいビジネス・経済書を推薦してもらった。対象にしたのは2020年刊行の本。今年の売れ筋が多く並んでいるが、少し個性的なおすすめ本もある。この年末年始はステイホームが奨励されていることもあり、まとまった休みをじっくり読書に充てるのもよさそうだ。

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独学への大きな関心に応える

今回は毎月訪れている定点観測書店と2~3カ月に1度訪れる準定点観測書店の5人の書店員に20年に刊行された本から2冊の推薦を依頼した。そのうち2人がそろって推したのが、読書猿『独学大全』(ダイヤモンド社)だ。このシリーズでも、刊行間もない10月に「学びをあきらめない人へ 独学の探求者が技法を集大成」の記事で紹介した、独学者のための技法を集大成した道具箱となる大部の一冊だ。

「昨年末から今年にかけて、ひとつのテーマを集大成した本がいろいろと刊行され、読者の注目を集めている。その代表的な一冊」と、この本を推した書店員の一人、八重洲ブックセンター本店の川原敏治さんはいう。もう一人の推薦者、紀伊国屋書店大手町ビル店の西山崇之さんは「今年の後半一番売れた本」と選んだ理由を話す。

八重洲ブックセンター本店の川原敏治さんのおすすめは『独学大全』と『世界最高峰の経営教室』

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なぜ学ぶのかの原点に立ち返り、何を学べばよいか、どう学べばよいか、そのいちいちに様々な技法を紹介する。なぜ学びたいのか、そもそも自分の内側に芽生えたその気持ちの原点を探るところから、学びの全工程について技法の形で示しているところが出色だ。学びの時間を確保するには? 三日坊主になりがちな自分を鼓舞して継続する技法は? 本を読むといってもどのような読み方があるのか? これらが55の技法として書き連ねられていく。この本が売れたというのは、学びたい、学ばなければという気分がコロナ禍にあって広くビジネスパースンに共有されたことの証左だろう。

川原さんがもう1冊にあげたのは広野彩子編著『世界最高峰の経営教室』(日経BP)。マイケル・ポーター氏、フィリップ・コトラー氏ら大御所から気鋭の研究者まで17人の経営学者・経済学者に取材、その語りおろしや寄稿を一冊にまとめた本だ。「集大成というところまではいっていないが、17人はいずれもトップクラスの研究者。一冊で読めるところがすごい」と川原さんは話す。

編著者はビジネス誌の記者・編集者で、日本経済のここ30年の停滞を突き破るカギを企業経営を切り口に欧米の研究者の思考から探り当てようという企図が浮かぶ。本シリーズでも「目利き編集者が厳選 企業経営めぐる欧米最前線の思考」で紹介しているので、そちらも参考にしてほしい。

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