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働く人が出資も経営も 新しい働き方、若者つかめるか

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働く人が出資も経営も兼ねる「労働者協同組合」という組織が法律に基づいて作れるようになりました。2020年12月に成立した議員立法によるもので、企業による雇用とは異なる「協同労働」という働き方の普及を目指しています。

協同労働は西欧などでは19世紀から普及し、日本でも法律に先立つ実践者がいます。その1つである日本労働者協同組合連合会(東京・豊島)は19年度の就労者が約1万6000人と9年前から3割増えました。加盟組織でどんな働き方をしているのか、埼玉県狭山市の市立水野児童館を訪ねました。

高校生まで利用できる児童館では9人が働いています。一見して変わったところはありませんが、所長の朝賀咲子さんによると、勤め始めるには5万円の出資が要るそうです。辞めるときには戻ってくるそうですが、普通の働き方とは違います。

さらに違うのは仕事の決め方です。イベント内容から誰が何時間働くかまで、全員による話し合いで決めています。「物品購入からホームページの更新まで全部自分たちで判断している」(朝賀さん)。他の職場から転職してきた20代の女性は「上下関係がないので職員同士のコミュニケーションがとりやすい」と話していました。

生計の面では厳しさもあります。もう1つの全国団体、ワーカーズ・コレクティブネットワークジャパン(東京・新宿)では、約7000人のメンバーで年収400万円以上は1%しかいません。60代以上が52%と高齢化も進み、代表の藤井恵里さんは「法制化を機に事業性を高め、若者による設立も促したい」と話しています。

法律により、3人以上の届け出だけで協同労働が始められるようになりました。手間のかかる認可手続きなどが必要だった企業組合やNPOと違う点です。エール大の成田悠輔助教授(経済学)は「新しい選択肢が生まれるのは良いことだが、若者を巻き込むならインターネット上の様々な集まりが競争相手になる」と指摘しています。

例えば、13年に立ち上がった「NEET(ニート)株式会社」。就労にも教育にも従事していない若者らが1人年3000円の株式を買い、運営しています。約100人の株主は全員が取締役で、指図する上司はいません。

会社ではメンバーがオンラインでつながり、ゲーム制作などをしています。代表取締役の超私のりこさん(仮名)は「雇われない働き方にはもめ事もつきまとう。協同労働も含めて試行錯誤だろう」と話しています。フリーランスも含め、新たな働き方の定着は長い目で見る必要がありそうです。

藤井恵里・WNJ代表「主体的に働く面白さを実感」

協同労働の現状と将来について、全国組織であるワーカーズ・コレクティブネットワークジャパン(WNJ)の藤井恵里代表に話を聞きました。

――協同労働でどんな仕事をしているのですか。

「例えば私たちの団体は愛知県で2004年から、生協の宅配事業を担う目的で協同労働を始めました。当初は主婦を中心に8人で始め、1人3万円ずつを出資しています。自分たちでトラックを運転し、1日に1コース約50軒に食品などを届けています。現在のメンバーは50人まで増え、男性は1割ほどです」

「給料は設立当初は時給制でしたが、同じコースの配達を短時間で済ます人と長時間かかる人との間で不公平が生まれてしまいます。今は配送量、軒数、距離の3指標でコースごとの評価を出し、報酬を決めます。このように給料の決め方も自分たちで話し合いながら見直しています」

――他の働き方とは何が違うのでしょう。

「同じ思いの人が自発的に集まり、社会課題を解決していこうという点でしょう。その中で労働も自分たちでコントロールするのが原則です。雇用され、上からの指示命令で動くのではなく、主体的な働き方が面白いと思っています」

――課題はありますか。

「若い人がなかなかメンバーに加わりません。ちゃんと生活費を稼げる場が少ないのが一因だと思います。組織の社会性や民主性だけでなく、事業基盤をしっかりしていくことも重要です」

――どうやって事業を強くしますか?

「たとえば私たちは配送事業のほかにも、地域の居場所作りの事業も始めようと検討しています。配送の仕事はいつまでもできるわけではないので、高齢になっても働ける場所を作る意味合いもあります。ただ居場所作りの事業がもうかるわけではないので、配送で生み出したお金を回していく必要があります」

――労働者協同組合法が成立したことで期待できることはありますか。

「法律は持続可能な地域社会の実現を協同労働の目的に掲げています。その意味で単純に自分たちの利益だけを追求するのではなく、地域に貢献したいという思いを同じくした人たちが結集できる。(NPOや企業組合のように)複雑な事務手続きは少なく、届け出だけで設立できるのも利点でしょう。若い人たちの参入を期待したいです」

(高橋元気)

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