一番大きな変化は個人の力で選べるようになったこと

求めるものがなんであれ、そこに至る選択肢が増えているのは紛れもない事実です。仮に権力とお金が欲しい、だから経営層になりたい、ということであっても、どこかの会社で出世するか、自分で会社を立ち上げてその会社を大きくするか、選べる時代です。

求めるものが自由であれば、そもそも限られた収入で暮らせるライフスタイルに慣れることであってもよいかもしれません。金銭的価値に縛られること自体が不自由だという概念もあります。

様々な目的に対して、様々な選択肢を選べる時代。

それがまさに現代の特徴ではないでしょうか。

ふりかえってみれば、日本に住む私たちが自分のキャリアを自分で選べるようになったのは太平洋戦争が終わって、民法が改正された後の話です。2020年11月に上梓(じょうし)した「給与クライシス」にも詳細に記しましたが、太平洋戦争が終わるまでは家父長制に基づく戸主権が認められていました。結婚や引っ越しについても、家父長の許可が必要だということが法律で定められていたわけです。

戦後の民法改正で戸主権はなくなりましたが、それでもしばらくは親の言うとおりにキャリアを歩むことが当然という時代は続きました。

それらが大きく変化しだしたきっかけは、1990年以降何回かにわたるビジネス危機であり、ITをはじめとする技術の進化です。そうして今ではもちろん、結婚相手も住む場所も自分で選べるようになりました。

それは職業やキャリアについてももちろんです。

今の世の中で出世するということは、自分が求めるものを自分自身で考えて、そのためにどんなキャリアを歩むのかを自分自身で選択するということです。それは自分なりの出世を獲得してゆく道のりです。

2021年からの新たな10年期は、自分の人生を自分で考え選択することが、さらにあたりまえになってゆくでしょう。

それが新しい時代の出世なのです。

ではこれからしばらく、そこでどのような選択肢があるのか、ということについてさらに考えてゆきましょう。

平康慶浩
セレクションアンドバリエーション代表取締役、人事コンサルタント。グロービス経営大学院准教授。人事コンサルタント協会理事。1969年大阪生まれ。早稲田大学大学院ファイナンス研究科MBA取得。アクセンチュア、日本総合研究所をへて、2012年から現職。大企業から中小企業まで180社以上の人事評価制度改革に携わる。

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