ビジネス社会の出世とは経営層を目指すこと

ロングセラーボードゲームとして有名なタカラトミーの「人生ゲーム」は、時代によってその盤面を変えています。初期の頃には、平社員から始まって重役、社長を目指すことをゲームのゴールとしていたものがありました。現在でもスマホのアプリ広告では、社長になることを目指すようなゲームが配信されてきたりします。

いずれにせよ、今も昔も経営層というのは働くビジネスパーソンにとってもゴールであることに他なりません。この場合の経営層とは、資本家と同じ意味合いを持っていることが考えられます。

そしてその経営層になるための手段として、他者を蹴落とし上位者に好かれるような方法をとるか、強い能力と経験とネットワークで勝ち抜くか、ということの違いが語られてきたわけです。

しかしインターネットなどで様々な情報の非対称性が排除されてゆく中、別に蹴落としたり好かれたり勝ち抜いたりしなくても、経営層になることができる、ということがわかってきました。

今どきは学生時代からベンチャー企業を立ち上げる人も増えつつあります。起業家は経営者であり、資本家でもあります。それは最初から出世の条件を満たしてもいるわけです。ただ、そこから現実的に成功するためには大変な苦労が必要なので、やはりどこかの既に大きくなっている会社で勝ち抜く方が良いのかも、と考える場合もあるでしょう。

また、そもそも経営層になることのメリットとデメリットを比較して、より単純にお金だけ獲得できればその方がいいじゃないか、という考え方も増えてきました。株のデイトレーディングに始まり、外国為替証拠金(FX)取引や暗号資産のブームもその流れではないでしょうか。

そうして考えてみれば、そもそも出世を目指す人たちは、何を求めているのでしょう。お金か名誉か自由か権力か。あるいは個々人によって異なる幸せか。

次のページ
一番大きな変化は個人の力で選べるようになったこと
ブックコーナー ビジネス書などの書評はこちら