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写真はイメージ=PIXTA

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出世のあり方について様々な定義がされるようになりました。今いる会社で社長を目指すことも出世だし、転職して自分に向いている会社を探すことも出世。また自分で会社を立ち上げたり、フリーランスで活躍したりすることも出世と言えるでしょう。変化しつつある出世の定義の中で、あらためて本質を考えてみましょう。

出世の見方は変化しているけれど

当連載もとうとう100回となりました。2017年2月14日の「デキない上司の下で出世できますか」が第1回ですから3年11カ月になります。

しかし実は2016年4月5日「出世速度に会社の規模がどのくらい影響するか?」から2017年1月31日「給料が一気に倍!? 制度が後押し レア人材の市場価値」までの21回の連載もあり、実際には121回目だったりします。連載期間も5年近いわけです。

その間の日本社会では、「出世」というキーワードの印象がすこしずつ変わってきました。特に若い人たちを中心に、今さら出世を目指すことなんてない、という言われ方をすることもあります。

しかし私が人事制度を設計する現場では、むしろ今まで以上に出世を意識する人が増えているように思います。ただ、その形式が従来とは変化しつつあります。

たとえば昔は、出世のために「上司にこびる」ことが大事だ、と言われる場合もありました。そこからやがて、スキルを身に付けていこうという風に変化します。経営大学院ブームや、オンライン教育の機会拡大などもその背景にありそうです。

そして現在では、「自分らしさを出しながら金銭的成功を得る」ことが出世だという見方も増えています。1社の中で出世するのではなく、労働市場すべてを使いこなしながら、自らのキャリアを構築する感じですね。

けれども、実質的にそれらに大きな違いはない、ということを実際に出世した人たちは気づいています。

なぜなら、資本主義経済における出世とは労働からの脱却であり、資本家としての経営層に近づくこととほぼ同義だからです。出世に意味がないと語る言説の大半は、労働の有無で整理すれば説明できます。つまり出世しても使われる側であれば労働から脱却しているわけではないので、それは本質的な出世ではないよね、ということです。

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