次世代のスターを抜てきするコツはあるのだろうか。

松橋「注目した俳優の可能性を感じられるかどうかにつきますね。感覚的なことになりますが。映像を見て輝いているのに『どん』としていない感じ。スターになれる要素をいっぱい持っているのに、まだ足りない感じ。主要なキャストには一人一人に直接会って人間性も確かめています」

北島「健康的であるかどうかにポイントを置いています。もちろん運動神経の問題ではありません。肉体的・精神的に生命力にあふれているか。相手から元気をもらえるなと思えるかどうか。劇場を見渡してみると、多くの観客の中でも必ず印象に残る人がいます」

北島直明 2004年日本テレビ入社。2013年「藁の楯 わらのたて」でプロデューサーとしてデビュー。 「キングダム」のほか「斉木楠雄のΨ難」「AI崩壊」などを手掛ける。日本テレビグローバルビジネス局映画事業部。

映画が公開されるまで2、3年はかかるのがザラだ。プロデューサーは常に何本もの企画を同時に走らせている。大ヒット作となった「キングダム」(19年)は、製作費も巨額だったという。資金調達など仕事の優先順位はどうつけるのか。

松橋「旬の話題を扱っていて3年後では遅い、今やらなきゃいけないという企画があります。普遍性があって、いつ公開してもいいものもあります。『新解釈・三國志』は後者になります。『キングダム』では、海外から日本映画に投資したいという提案があって企画が進みました。プロデューサーが企画を立てるときは、必ず面白い映像になると信じています。しかしそれが自分一人の思い込みにすぎないという保証はありません。仮に思うように資金が集まらないとすれば、企画自体がまだ完全ではないということになります」

米ハリウッドでは、映画製作中にどんどん撮影費が膨らんでいったというエピソードに事欠かない。「工程」管理はプロデューサーにしかできない。

北島「私の場合はまず日本テレビ内でプレゼンテーションを行い、その後、社外のスポンサーから資金を募る手順です。これまで企画した映画では大体同じ企業が協賛などの形で協力していただいています。自分に投資してもらっているという責任があります。事業スキームが崩れるようなことは止めます。メーカーの工場長と一緒です。どんな仕事でも一緒でしょう。ただ基本的には監督のやりたいことを極力具現化するのがプロデューサーの仕事でしょう。止めるのか一緒に走るかはケース・バイ・ケースでしょう」

橋本環奈(左奥)の黄・孔明夫人が映画後半のキーパーソン(c)2020映画『新解釈・三國志』製作委員会

プロデューサーの仕事を続けていて「至福の一瞬」はいつか。

松橋「最初に観賞してもらった皆さんの反応を確かめたとき。エンディングで拍手をもらったときですかね(笑)」

北島「映画が完成して監督ら少人数で最初の試写会で映像や音響などを確かめることができたときは幸福な気分で満たされます」

(松本治人)

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