ゆる~い「蜀」は令和向き? 経験が通じぬコロナ時代映画「新解釈・三國志」プロデューサーに聞く(上)

映画「新解釈・三國志」プロデューサー、松橋氏(右)と北島氏

コメディー映画「新解釈・三國志」がコロナ禍の師走に人々の笑いを誘っている。主役の劉備玄徳役に大泉洋を起用し、「銀魂」などのヒット作で知られる福田雄一監督ならではの濃厚なギャグがスクリーン上にあふれる。プロデューサーは松橋真三、北島直明の2人。こちらも「キングダム」などヒット作を手掛けてきた名うてだ。新型コロナウイルスの感染拡大で苦戦が続くエンターテインメント界での巻き返し策を聞いた。(敬称略)

(下)新解釈・三國志で考える 「次世代の主役」のつくり方 >>

「三国志」は西暦180年ごろから280年ごろの中国での、魏・呉・蜀3国の争いを舞台にした歴史書物。日本でも映画、小説、漫画、アニメなど、幅広いジャンルで作品化されてきたエンターテインメント界では人気定番のひとつだ。「新解釈・三國志」では、大泉のほかに孔明役にムロツヨシ、宿敵の曹操役に小栗旬ら豪華なメンバーが名をそろえ、主題歌は福山雅治だ。しかし、なぜ今三国志なのか。

大泉洋の劉備ははまり役(c)2020映画『新解釈・三國志』製作委員会

松橋「5年間温めてきた企画です。きっかけは福田監督が『大泉洋さんと一緒に仕事がしたい』と言ってきたこと。2人は親しい間柄ですが、しっかりと一緒に組んだことがありませんでした。『皆が見たい大泉洋を撮りたい』と。それが今回の劉備です。歴史に詳しい福田監督がオリジナル脚本も担当しました」

北島「福田監督に、中国製作のスペクタクル作品『レッドクリフ』的な三国志ですか? と聞いたら ボヤキ続ける劉備を撮りたいと。酒を飲むと朗々と自らの理想を語るものの、現実の戦場では他人任せで、子供っぽい仮病も使う劉備像になりました」

いいかげんな劉備、ほら吹きで就職願望が強い孔明、遊び好きの曹操――。福田流のコメディー的解釈が特徴だが、実は最新の歴史研究とも不思議に合致する。2009年に曹操高陵(墓)の発掘が公表され、超人視されていた英雄らの人間くさい側面も注目されているからだ。劉備の大泉や曹操の小栗らは、まさにハマリ役。シリアスな歴史ドラマでも見てみたい。

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