5万円超のおせちに予約殺到 年末商戦、コロナで激変

コロナの影響で年末商戦が激変しています。再び感染拡大が広がり、経済活動にブレーキがかかり始めました。JRグループ6社の年末年始の新幹線や在来線の指定席の予約席数(9日時点)が前年同期比61%減。政府は観光需要喚起策「Go To トラベル」事業について12月28日から1月11日まで全国一斉に利用を一時停止する方針を決めました。停止でステイホームの人たちがさらに増えるでしょう。年末年始は家にいる時間が長くなりそうです。どんな商品に影響が出ているでしょうか。

おせち、2ケタ増も

おせちの市場規模は600億円、年々増加してきた。

松屋銀座がコロナ禍の8月に行った調査によると、元日を自宅で過ごす意向の人が73.6%。前年に比べ10%増えました。おせちの購入予定者は69.3%で16%増です。

実際に百貨店では例年以上におせちが好調。三越伊勢丹や高島屋、大丸松坂屋百貨店は足元までの受注額がそろって前年同時期比2ケタ以上伸びています。

今年のおせちの傾向が「高級」と「個食」です。百貨店がレストランや料亭とコラボした5万円以上の高級おせちに予約が殺到、売り切れも出るほどの人気ぶり。今年は帰省しない分、浮いた旅費を投じ、いつもより豪華なおせちを購入する人が多い傾向があります。

百貨店各社は「個食おせち」も充実させています。高島屋は一人用や少人数向けのタイプを例年の1.5倍に増やしました。そごう・西武もカップで1品ずつ小分けにしたおせちを販売しています。複数の人で箸をつつかないなど、感染防止意識の高まりから好調なようです。さらに今年は離れていても同じ味を楽しめるよう、実家や親せき用に「個食おせち」を配るという需要があり、全体の販売を押し上げています。

「個食おせち」の値段は二極化しています。百貨店は1万円から、スーパーやネット通販各社は5000円からが相場です。

有機ELテレビに値ごろ感

家電量販店では有機ELテレビの買い得感が強まっています。店頭価格は今年夏に比べて2~3割安い。メーカーの参入で価格競争が激しくなったほか、主要部品の有機ELパネルも値下がりしているのが理由です。価格比較サイト「価格.com」によると、売れ筋のパナソニックの55型(VIERA TH-55HZ1000)の平均価格は現在、20万7000円。今年6月の発売時に比べ30%安くなっています。一般的に同じ画面サイズなら液晶テレビの2倍といわれていた価格差も3割高まで縮まってきました。値下がりで値ごろ感が出てきている。ホームステイで家にいる時間が長い分、きれいな映像の大画面でゆったりと見たいという人も多くなりそうです。

加湿器も特需

加湿器や空気清浄器も好調です。11月に政府が気温の下がる冬場は新型コロナウイルスの感染拡大のリスクが高まるとして、加湿器の使用や洗濯物の室内干しを呼び掛けたところ、加湿器や空気清浄機の売り上げが急増しており、品薄になるものも出ています。

今年の年末商戦の主戦場はオンライン販売に移行しました。おせちも百貨店各社は店舗販売を極力減らし、オンラインによる販売に力を入れています。売り場の混雑で密になるのを防ぐためです。家電量販店の福袋も同様で、ビックカメラは店舗販売はなく全て販売サイト「ビックカメラ.com」での取り扱いとなりました。年末商戦はまだ続きますが、「GoTo」停止の影響が本格化してくるでしょう。自粛の度合いによっては値段にも影響が出てくると思います。

(BSテレ東日経モーニングプラスFTコメンテーター 村野孝直)

値段の方程式
BSテレ東の朝の情報番組「日経モーニングプラスFT」(月曜から金曜の午前7時5分から)内の特集「値段の方程式」のコーナーで取り上げたテーマに加筆しました。
MONO TRENDY連載記事一覧