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ほぼ日社長 糸井重里さん

ほぼ日社長 糸井重里さん

コピーライターで株式会社ほぼ日の社長、糸井重里さんは2021年、「学び」に本腰を入れる。多様な学び動画をネット配信する「ほぼ日の学校」を今春、立ち上げる。「学びとキャリア」「ビジネスと学び」について糸井さんに語ってもらう連載の第2回。「兄貴が教えてくれる知恵や知識」のようなものこそ、仕事や人生で役に立つのではないかと説く。

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――ビジネスパーソンにとっての学びとは何でしょうか。

「学びって何かを考えたんです。そうしたら『より良く生きたい』という気持ちが人にはあって、そのために取り組むことが学びかな、と考えました。ビジネスパーソンが『自分のビジネスをよりよくやりたい』と考えるのは当然ですが、その『より良く』が何なのか。出世したり、ギャランティー(収入)を上げたりすることだという人もいるでしょう。でも、出世や収入の裏にあるものを知ることが、より良く生きることにつながるんじゃないか、と考える人もいるはずです」

「ビジネスをうまく回す、という切り口だと経済学なんでしょうが、収入などの裏というか先にある『より良く生きる』も考えると、哲学も入ってきますよね。会社の先輩や兄貴分が仕事の進め方とかを教えてくれるとともに、ビジネスパーソンとして働く楽しさや豊かさといったことも伝えてくれることがあります。古代ギリシャの哲学者、アリストテレスなども、今は哲学に分類されるけど、当時の学びって弟子や先生役の人と人生について対話したりしていることが多いですよね」

――「より良く生きるための知恵」ということですか。

「そうですね。兄貴分が教えてくれるという点で言えば、『ウィズダム(経験で積み重なった知恵)とストリートワイズ(都会で生き抜く知識)』でしょうか。それこそ学校では教えてくれないけど、知っておいた方がいいことを学べるチャンスは多い方がいいんじゃないかな。細かい話ですけど、『会社の近くのこの定食屋、おいしいんですよ』とか、引っ越した先で『近所にあるあのお店は実はおいしいよ』とか教えてもらうのって、生活の『民度』が上がりますよね」

「民度って何かというと、訪日外国人が日本で落とし物をしても大概、手元に戻ってきてびっくりするといいます。これは安心して暮らせるという尺度からみた民度の高さです。米国だと隣り合って座った人に上手に話しかける人が多い印象があります。これは話しかける民度というか、コミュニケーションの民度が高いということです。これは学校というより、日々の生活の中で周りの人の振る舞い方などを見て学ぶことなんですね」

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