世界へ視野を広げよう

最後に、新しい年に視野を広げてくれる3冊をご紹介します。2025年には大阪で万博が開催される予定です。ビッグイベントに向けて関西地域を盛り上げる機運が徐々に高まってきました。石川智久著『大阪が日本を救う』参考記事 日本の成長は「大阪にお任せ」 万博で目指す世界都市)は、第2の都市・大阪に成長への潜在力が備わっていることに改めて気づかせてくれる一冊です。21世紀の日本経済のエンジン役として大いに期待できる元気な街。そのパワーをぜひとも全国のビジネスパーソンに知っていただきたいと思います。

また、リモートワークの延長で「地方移住」がトレンドになってきています。東京にいなくても仕事はできる、という考え方が広まってきました。イベントやウエブセミナーなど、オンラインを使えば地方と東京の格差が縮まった分野もあります。東京以外の地方に注目するという意味で、その代表格として大阪に目を向けてみてください。

これから世界はどうなるのか。これから地球はどうなるのか――。思考のスケールを押し広げるのに最適な一冊が夫馬賢治著『データでわかる 2030年 地球のすがた』です(参考記事 コロナ、温暖化… データで浮かぶ10年後の世界危機)。新型コロナが爆発的にまん延した原因は、今もよくわかっていません。本書には温暖化でシベリアの凍土が溶けると、未知のウイルス出てくると言う話が出てきます。私たちの築いてきた社会は、たった一つのウイルスで、めちゃめちゃにされてしまいました。

本書の強みは未来をデータで語っていることです。夫馬氏はニューラル(東京・品川)のCEO(最高経営責任者)。サステナビリティ経営やESG(環境・社会・企業統治)投資に関するコンサルティングやアドバイザリー業務を展開しています。グローバルな活動が注目されている次世代のリーダーです。

一橋大学名誉教授の石倉洋子氏とコンサルタントのナアマ・ルベンチック氏による共著、『タルピオット イスラエル式エリート養成プログラム』は元気の出る本です(参考記事 起業家が続々誕生 イスラエル軍エリート部隊の教育法)。タルピオットとは、イスラエルで最も優秀な人材を育てるトレーニングプログラム。イスラエルは、中東のシリコンバレーと呼ばれるほどスタートアップが盛んです。彼らがなぜ貪欲に起業を志し、そして成長し続けられるのかを現場ルポを交えて紹介しています。イスラエルでは、チャレンジしようという気風が社会に根付いています。チャレンジする人を全力で応援する文化があります。何歳になっても起業を目指す。そして、優れたテクノロジーを開発するために、しのぎを削っているのです。

今はまだ多くの人がうつむき加減で過ごしています。目先の課題が重たすぎて、会社内とか国内に引きこもりがちです。2021年は、気持ちだけでも外を向いて行きましょう。イスラエルについては普段あまり考えることがないかもしれませんが、せめて本の中だけでも旅をしてみてはいかがでしょうか。

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