スイスのブライトリングは、主力の「クロノマット」から女性モデルを発売した。ポップなカラーダイヤルやダイヤ装飾を施したスポーツモデルで、単なる宝飾時計やエレガントウオッチとは一線を画すデザイン。機械式時計に関心のある女性が増え、美しく高級感のある「ラグジュアリースポーツウオッチ」分野がトレンドの中核を占める市場動向を見定め、同社も活動的な女性に狙いを定める。こうした「カジュアルなラグジュアリー」路線がコロナ後の主流になると語るジョージ・カーン最高経営責任者(CEO)に、今後の戦略と時計市場の行方について聞いた。
世界の時計市場、およそ6割が女性向け
――男性客主体のブライトリングが2020年のレディースウオッチの新作「ナビタイマー」に続いて「クロノマット」でも女性モデルを発売しました。どんな狙いや理由があるのですか。
「3つあります。1つめは女性市場でもっと存在感を高めようという狙いです。世界の時計市場は約60%が女性向け。そこに今後、いかに強いブランドを打ち立てられるかが戦略的に重要なのです。2つめに、ブライトリングは歴史的にたくさんのレディースウオッチを扱ってきたという事実です。特に1990年代はレディースウオッチが強いブランドでもありました。今後、その立ち位置を引き継いでいきたい。3つめはスポーツシック、という我々本来のブランドイメージです。単なるエレガンスを訴求するのではなく、シックでありながら活動的なところがある、という本質を打ち出したかったのです」
――開発でこだわった点はどこですか。
「ケースとブレスレットですね。スチールオンスチール、つまりレザーではなくメタルのデザインにこだわりました。メンズの新生クロノマット同様にブレスレットはひと目で分かる特徴的なルーローブレスレットにしました。これは80年代のクロノマットのデザインを踏襲しています」
――堅固さや防水性など機能面で優れた仕様です。これは働く女性を意識したのですか。
「働く女性に限らず、活動的な女性にターゲットを絞っています。美しさと強さを備えるアクティブな女性が毎日つける時計として最適です。メタルであることによって、ビジネス会議から夜のお出かけ、タフなスポーツと、着用シーンを限定しません」

THE NIKKEI MAGAZINE 4月誕生!
Men's Fashionはこの4月、あらゆるビジネスパーソンに上質なライフスタイルを提案するメディア「THE NIKKEI MAGAZINE」に生まれ変わります。限定イベントなどを提供する会員組織「THE NIKKEI MAGAZINE CLUB」も発足します。先行登録はこちら