「この映画の題材が『のび太くんとしずかちゃんの結婚式』ということで曲もウェディングソングを作りましょうということになったんですけど、僕らは独身なので、結婚が実際にどういうものなのか分からない。でも、結婚の先にある“家族”については歌えるんじゃないかなと。のび太くんだろうが僕らだろうが、人生を歩んでいるという点では同じ。映画館に来てくださっているお客さんにも寄り添えるような歌にする、ということをテーマにしました。完成した映画と一緒に曲を聴いたときは、違和感を覚えることがなかったので少し安心しました。本編に感動し過ぎて、曲が流れる後半部分ではもうずっと、ガバガバ泣いている状態ではありましたが(笑)」

(写真:藤本和史)

今で良かった“あったかい映画”

音楽活動に対し俳優としての本数は3本と、例年に比べると少ない。加えて映画『糸』は公開が4カ月延期され、ドラマ『MIU404』の撮影スケジュールも自粛下に直撃したことで大幅に狂うことになった。

「個人的には去年が俳優10周年ということもあったので“シャカリキに大暴れしてやろうぜイヤー”だったんです。なので、それを過ぎた今年は表でガーッ!とやるよりは粛々と作品を作る1年にしようと。それで久々に映画三昧な1年となりました。

しかも公開されたのが『糸』と『浅田家!』。あったかい映画ばっかりで。

『糸』は公開が(4月予定から)4カ月ずれましたけど……あのときはどうなるか全く分からないなか『外に出るな』となり、僕らの仕事は映画館に人を呼ぶことなのに、一瞬『お客さんが映画館に訪れる日なんて戻ってくるのか?』なんて頭の中によぎったりしました。公開延期は仕方がない。影響を受けたのは僕らだけじゃなく、各作品、各業界、各業種の人たちみんながそうでしたから。そんななか、映画を途絶えさせないためにはどうしたらいいんだろう。でも結局は作品を作っていくしかできないんだよな……ということを考えて。改めて、公開できて本当に良かったと思っています。

この2作がこのタイミングで公開になったのは、個人的には本当に良かったと思っていて。どちらも人との縁を描いていて、東日本大震災について触れられているんです。人間はどうしたって、大切な人を失って初めて気づくことが多い生き物ですし、コロナも言わば1つの災害。見ていただくことで感じてもらえることがあるでしょうし、最終的にはどちらも希望のある物語になっている。あったかい気持ちになれる。もちろんいろんな映画があっていいと思うんですけど、少なくとも今は絶望じゃなくて良かったなと思いました。結末が絶望だらけの話だと、僕自身が耐えられない……!(笑)。見てくださった方の反響と、あとうちの両親からも寄せられて。あったかくて良かったなと思いました」

エンタメ!連載記事一覧