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クリスマスに願いを 中川晃教君と福岡へ(井上芳雄)

第83回

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NIKKEI STYLE

井上芳雄です。もうすぐクリスマスですね。12月の9・10日は、久しぶりに故郷の福岡に帰り、博多座でアッキーこと中川晃教君とのコンサート『僕らこそミュージック』の復活公演がありました。アンコールで歌ったのは、山下達郎さんの名曲『クリスマス・イブ』。新型コロナウイルス禍の今年は、クリスマスの景色も例年と違って見えることでしょう。静かに過ごすクリスマスにふさわしい歌だと感じました。

福岡でのコンサートは、9月に帝国劇場で初めて2人で開催した一夜限りの公演と基本的には同じ内容です。2日間で3回公演でした。僕が福岡に帰るのは、2月のミュージカル『シャボン玉とんだ 宇宙(ソラ)までとんだ』の公演以来。夏と秋に、同じくミュージカルの『エリザベート』と『ダディ・ロング・レッグズ』の公演が予定されていたのですが、コロナ禍で中止となったので、久しぶりの帰郷です。

今回、福岡で公演することになったきっかけは、僕の恩師の一声。中学生のときからジャズダンスを習っていた、その恩師から電話があって、地元を元気づけるために何かできることはないのか聞かれました。僕も自分にできることがあれば、と思っていたし、帝劇でのコンサートが好評だったこともあって、関係者の方々に相談したところ、紆余曲折(うよきょくせつ)はありつつも、みなさんのご尽力によって博多座での公演が実現したというわけです。

博多座は九州で最大級の演劇専用劇場です。僕たちの公演から客席を100パーセント使えるようになったので、たくさんのお客さまに来ていただけました。オリジナル商品やお菓子・博多土産などを売っていて、劇場の名物ともなっているロビーのいろんな売店も開いて、劇場に少しずつにぎわいが戻ってきたようです。

アッキーは「福岡が好きだから、連れてきてくれてありがとう」と言ってくれました。彼は仙台出身なので、「次はアッキーの地元に行きたいね」という話も。残念だったのは、みんなで食事に行ったりできなかったこと。福岡はおいしいものが多いので、スタッフやバンドの人たちも「今はしようがないね……」と分かっていながらも、残念そうでした。

曲目は、帝劇とほぼ同じ。僕のソロパートでは、福岡公演が中止になった『ダディ・ロング・レッグズ』からの『チャリティー』という曲を別の曲と差し替えました。帝劇では演出家の小池修一郎さんにスペシャルゲストで出ていただいたのですが、今回はゲストはなく、2人のトークコーナーに。2002年の『モーツァルト!』初演で2人が出会ってから、今までの関係を話したりしました。

トーク中、僕はハンディーカメラを持って、アッキーを撮っていたのですが、そしたら「ただ撮られても、どうしたらいいか分からない」となって、急に即興ミュージカルをやることに。アッキーが即興を始めて、ピアニストの人が付いてきて、僕も無理やりそこに入ります。初日の昼公演では、アッキーが「僕とヨッシーは仲よしなんだ」と歌い出したのですが、それが中川の「中」と芳雄の「芳」を掛けていたというのは、後になって気づきました。歌ってる間は、僕もアッキーにあわせて即興に必死だったので(笑)。

その日の夜公演では、アッキーがお題がほしいと言うので、「2回公演」と振ったら、その日の出来事を歌にしてました。次の日は、福岡出身のミュージカル俳優の先輩、岡幸二郎さんが前日見に来てくれたので、「岡幸二郎さん」と振ったら、さすがのアッキーも難しかったみたいで、すごく長い創作ミュージカルを演じていました。彼はもともとミュージシャンだし、そういう即興が好きなんです。僕に振るのはいいとしても、バンドのメンバーにも、急にドラムの方に「『モーツァルト!』のイメージで1曲」とかムチャ振りするので、最後は誰もアッキーと目を合わせなくなるという状況に陥ってました(笑)。

そんなふうに決まった曲目に加えて、毎回違うトークや即興があって、3回公演のそれぞれで色合いの違うコンサートになったと思います。それがアッキーと一緒にやる面白さです。一期一会というか、福岡に来ているからこその雰囲気がありました。

その土地やお客さまにあった曲を歌いたい

アンコールは、帝劇では『夏の終りのハーモニー』でしたが、福岡では『クリスマス・イブ』を2人で歌いました。お客さまにすごく喜んでいただけました。ミュージカルファンや僕たちのファンの方が来てくださっていたと思うのですが、福岡ではそれに加えて、博多座という劇場のファンの方も多くいらしたように感じました。ミュージカルにそれほど詳しくない方も、『クリスマス・イブ』や、アッキーがソロで歌った中島みゆきさんの『ファイト!』のような、みんなが知っている曲にすごく喜んでくれている手応えがあったので。アッキーとも、このコンサートが今後も続いて、いろんな場所でやれるのなら、その土地やお客さまにあった曲を歌っていくのもいいね、と盛り上がりました。

『クリスマス・イブ』はアッキーの選曲です。「これぞクリスマスソング」というイメージなのですが、実際に歌ってみると、決して明るい歌ではなく、ハッピークリスマスじゃないところが、逆に味わいの深い曲です。今年のクリスマスは、世界中のどこの町もそうでしょうけど、みんなで集って騒いでお祝いできるわけではないと思うので、静かに過ごすクリスマスにふさわしい曲だと感じました。

ステージでアッキーとも話したのですが、僕のクリスマスの思い出といえば聖歌隊です。両親がクリスチャンなので、キリスト教の幼稚園に行っていたのですが、イブの日は生誕劇を演じるのです。イエス様が生まれるという知らせを、天使が3人の博士に知らせて、それに馬小屋で立ち会うという劇。いろんな役があるなかで、僕はなぜか聖歌隊の1人でした。昼はその生誕劇をやり、夜はキャロリングといって、近隣の家々を訪ねて賛美歌を歌います。子どものころから、ずっと歌っていたのです。そんなイブの日を思い出します。

さて、今年のクリスマス。みなさんはどんなふうに過ごしますか。今年はみんな、無事に年を越したいけど、どうなるか先が分からないという気持ちじゃないかと思います。だからこそ、この1年を振り返って、毎日の大切さをかみしめるのはとても意味があること。今年もよく頑張ったね、と自分や相手をねぎらい、たたえあう時間となりますように。

『夢をかける』 井上芳雄・著
 ミュージカルを中心に様々な舞台で活躍する一方、歌手やドラマなど多岐にわたるジャンルで活動する井上芳雄のデビュー20周年記念出版。NIKKEI STYLEエンタメ!チャンネルで月2回連載中の「井上芳雄 エンタメ通信」を初めて単行本化。2017年7月から2020年11月まで約3年半のコラムを「ショー・マスト・ゴー・オン」「ミュージカル」「ストレートプレイ」「歌手」「新ジャンル」「レジェンド」というテーマ別に再構成して、書き下ろしを加えました。特に今年は、コロナ禍で演劇界は大きな打撃を受けました。その逆境のなかでデビュー20周年イヤーを迎えた井上が、何を思い、どんな日々を送り、未来に何を残そうとしているのか。明日への希望や勇気が詰まった1冊です。
(12月21日発売/日経BP/2700円・税別)
井上芳雄
 1979年7月6日生まれ。福岡県出身。東京藝術大学音楽学部声楽科卒業。大学在学中の2000年に、ミュージカル『エリザベート』の皇太子ルドルフ役でデビュー。以降、ミュージカル、ストレートプレイの舞台を中心に活躍。CD制作、コンサートなどの音楽活動にも取り組む一方、テレビ、映画など映像にも活動の幅を広げている。著書に『ミュージカル俳優という仕事』(日経BP)。

「井上芳雄 エンタメ通信」は毎月第1、第3土曜に掲載。第84回は2021年1月2日(土)の予定です。

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