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コロナ禍の経験をコーポレートトランスフォーメーション(CX)にどう生かすか

コロナ禍の経験をコーポレートトランスフォーメーション(CX)にどう生かすか

世界的なコンサルティングファームとして知られるボストンコンサルティンググループ(BCG)が毎年1回まとめている「経営の論点」シリーズ。2021年を論じる『BCGが読む 経営の論点2021』は「コロナ禍で加速する変化に対応して、ビジネスをいかに進歩させることができるか」がテーマだ。

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編者であるBCGは1963年に戦略コンサルティングのパイオニアとして発足しました。現在では「変革の推進」「組織力の向上」「競争優位性の構築」「収益改善」など様々なテーマでクライアントのトランスフォーメーション(変容)を支援する業務を展開しています。日本では1966年に世界第2の拠点として東京オフィスを立ち上げました。

エコシステムを理解する

コロナ禍によって、デジタルを使ったビジネスが幅広い分野で進化しました。本書は前半で、デジタルトランスフォーメーション(DX)を進めるための論点を整理しています。

 複雑な経営環境の中で企業が大きな付加価値を実現するための鍵は、社内外での協働を進化させ、必要な知を柔軟に獲得し、発展させることだ。デジタルの活用がそれを可能にする。
 コロナ禍の下、働き方に関する多くの固定観念が払拭され、新しいワークスタイルが生まれつつある。これを効率化推進にとどめるのか、それとも新たな付加価値創造の仕組みにまで高めるのか。経営リーダーの手腕が企業の競争力を大きく左右する。
(Chapter.2 デジタル活用で企業内・企業間での協働を強める 90ページ)

ポイントが3つ挙げられています。(1)アジャイル(2)エコシステム(3)データ・AIの活用――です。

(1)アジャイル開発とは、原型となるモデルをまず作成して、開発中に発生するさまざまな状況の変化に対応しながら開発を進めていく手法です。最初に完全な設計図をつくり、それを完成させる従来の手法とは発想が全く異なります。コーポレートトランスフォーメーション(CX)に着手するうえでは極めて有益なやり方で、開発部門だけでなく、戦略、販売企画、IT、人事などを含む全社レベルに「アジャイル発想」を拡大することが課題です。

(2)エコシステムとは、複数の企業や企業グループ、顧客、プラットフォームなどで構成するビジネスの「生態系」を意味します。企業がエコシステムについて正しく理解しつつ、洞察を深めることが経営者にとって重要です。

(3)データ・AIに関しては、十分にデータがなくても手探りでAI活用に取り組んできた企業と、AI導入に消極的だった企業の間で差が拡大してきました。コロナ禍で情報のデータ化の必要性に気づいた経験を、思い切ったデータ化投資と他社との協業につなげることが、これからも課題となります。

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