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パレスホテル東京の「プティフールセック缶」(税込み3780円)。缶の緑色は、パレスホテル東京から望むことができる悠久の緑をイメージしているという

さて、「リモート手土産」としては、ネットで購入できるお菓子が最も手軽に送りやすい。そうした中で、注目したいのは東京・丸の内のパレスホテル東京が今年6月20日に発売した「プティフールセック缶」(プティフールセックとは、クッキーやメレンゲなどの小さな焼き菓子のこと)だ。同ホテルでは、コロナウイルスの影響からオンラインショップの販売が大きく伸びている。ホテル内のショップでも販売するが、このクッキー缶もオンラインで求める客が多く、当初、年間で1200缶ほどの販売を予想していたところ、なんと現在月2000~2600缶を売るヒット商品となった。

淡い緑色のレトロな雰囲気のクッキー缶には、手の込んだ11種もの焼き菓子が入っている。ホワイトチョコレートを挟み込んだほろ苦い抹茶クッキー、やわらかな酸味でサクッとした食感のストロベリー風味のサブレ、塩キャラメルをコーティングしたサブレに、口に含めばすっと溶ける和三盆を用いた大ぶりのポルボロン(スペイン生まれの焼き菓子)などと、実にバラエティーに富んだ内容。缶の蓋を開けたときに目に飛び込む華やかさで、食べる前から心が浮き立つような一品だ。

このクッキー缶は、「パレスホテル東京が提供を目指す『最上質の日本』をお菓子で表現すべく、日本酒、ゴマ、抹茶、和三盆など和の素材を使用し、半年かけ考案しました」と同ホテルのペストリーシェフ、窪田修己さん。飽きがこないようそれぞれの生地を変え、色合い、食感、風味を楽しんでもらえるように考えたという。中には、酒かすを生地に練り込み、ふわっと日本酒の香りが立ち上る軟らかな口当たりのサブレも。

各菓子の試作を重ねる中で、特に苦労したのはジャンドゥージャ(ナッツ風味のチョコレート)のクッキーだそう。これは、アーモンドクリームにアーモンドパウダーを練り込んだラングドシャ生地(薄いクッキー生地)でジャンドゥージャクリームを包み、さらにチョコレートでコーティングしたもの。上にはアーモンドがたっぷりトッピングされ、1つのクッキーの中に、ナッツの香ばしさや滑らかなクリームの味わい、サクッとした生地の食感が込められた濃厚な味わいの一品だ。

「このお菓子はチョコレートで外側をコーティングしているため、手で持った際にチョコレートが溶けやすくなってしまいます。そのため、チョコレートの種類を変えるなど、改良を重ねて、手に付きにくく夏期でも溶けにくい加工となるよう、試作を繰り返しました」(窪田さん)という。

「プティフールセック缶」に入るお菓子の中には、単品で販売しているものもあるが、窪田さんが熟考した組み合わせは絶妙で、異なる食感、味わいのものをあれこれつまみたくなり、一つ食べただけでは止まらない。ちなみにこのクッキー缶にはアイシングでメッセージを入れたバタークッキーを入れることもできる。直接伝えられない一言を添えれば、心温まる「リモート手土産」となるだろう。

左が「シナモン&ジンジャーサブレ缶」、右が「ココナッツサブレ缶」。いずれも3240円(税込み)。ゴージャスな「プティフールセック缶」との3個セット(税込み1万800円)もある

なお、パレスホテル東京では「プティフールセック缶」の人気を受け、11月1日、同スタイルのクッキー缶に入ったココナツと、シナモンとジンジャーを合わせたサブレを発売した。それぞれの缶には薄いサブレがぎっしり詰まっており、そのインパクトが客に好評。控えめな甘さの「ココナッツサブレ」は、ついたくさん食べてしまうという客の声も聞こえてくるそうだ。他方、「シナモン&ジンジャーサブレ」はスパイスが効いていて、ワインなど酒に合わせて楽しむ客も多いとか。「この時期は、ホットワインに合わせていただくのもお勧めです」(パレスホテルブランド戦略室マーケティング課コミュニケーションズ マネジャー・塩原沙織さん)という。

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