「屈辱」のKDDIはどう対抗するのか

注目は直接のライバルとなるKDDIとソフトバンクの動向だ。両社はともに20年10月、アハモと同様に20GBの高速データ通信が可能な料金プランを、サブブランドから提供することを発表。KDDIは「UQ mobile」ブランドから月額3980円の「スマホプランV」を、ソフトバンクは「ワイモバイル」から月額4480円の「シンプル20」を提供する。

だがその後に発表されたアハモの方が圧倒的に安く、ユーザーの話題性も高いことから、対抗策を打ち出さなくてはならない状況に。とりわけKDDIはアハモ発表の翌週に従来型の複雑で高価な料金プランを発表し、SNSなどで「炎上」を招くという屈辱を味わっているだけに、巻き返し策が大いに期待される。

KDDIはアハモ発表翌週の20年12月9日、auブランドで「Amazonプライム」とのセットプランなど新料金プランを発表した。アハモ対抗策ではなかったことに加え、割引前の料金を明示しないといったことがユーザーには不誠実に映り、SNSで炎上する事態に発展した

その対抗策は、必ずしもサブブランドから提供されるとは限らない。先にも触れた通り、アハモはドコモショップでのサポートをカットすることで大幅な料金引き下げを実現している。それに対してUQ mobileはメインブランドより数が少ないとはいえリアルな販売店を構え、そこで契約やサポートができる仕組みを備えている。そのため、アハモと同水準の料金を実現するのは難しいだろう。

そこでアハモ対抗策として注目されるのが傘下の仮想移動体通信事業者(MVNO)だ。KDDIは20年11月、オンラインに特化したモバイル通信サービスを提供する「KDDIデジタルライフ」をシンガポールの企業と共同で設立し、21年春ごろのサービス開始を検討している。ターゲットをデジタルネーティブ世代に設定するなど、そのコンセプトはアハモに非常に近い。

KDDIは20年11月2日に子会社「KDDIデジタルライフ」を設立した。オンライン型携帯電話事業で実績を持つシンガポールのサークルズライフのノウハウを活用し、デジタルネーティブ層に向けてeSIMを活用したオンライン特化型のモバイル通信サービスを提供する予定だ

ソフトバンクは傘下にオンライン主体でサービスを提供しているMVNO「LINEモバイル」を持っており、そちらを活用したアハモ対抗策を2020年12月22日に発表した。ただその内容を見ると、LINEモバイルをそのまま活用するのではなく、LINEモバイルをソフトバンクが吸収し、ワイモバイルと同様ソフトバンクの1ブランドとして展開する方針のようだ。

具体的には「Softbank on LINE」というブランドコンセプトの下、オンライン限定で月額2980円、かつ20GBの高速データ通信ができる料金プランを提供するとのこと。契約やサポートはLINEアプリ上からもできる、LINEアプリ使用時のデータ通信量はカウントしないなど、LINEモバイルの基盤を生かしてアハモとの差異化を図ろうとしている様子がうかがえる。

ソフトバンクはLINEモバイルを吸収して新たに「Softbank on LINE」というコンセプトのブランドを立ち上げ、オンライン専用のアハモ対抗プランを提供する予定だ
次のページ
苦境の楽天モバイル、プランを増やす可能性は