検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

検索朝刊・夕刊LIVEMyニュース日経会社情報人事ウオッチ
NIKKEI Prime

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

NIKKEI Primeについて

朝夕刊や電子版ではお伝えしきれない情報をお届けします。今後も様々な切り口でサービスを開始予定です。

/

「ahamo」の影響本格化 2021年の料金引き下げを予測

佐野正弘のモバイル最前線

詳しくはこちら

NIKKEI STYLE

かねて携帯電話料金引き下げを訴えてきた菅義偉氏が首相となり、各携帯事業者にはこれまでとは比較にならないほど強い料金引き下げの圧力がかけられた2020年。年末にはNTTドコモがシンプルで低価格、かつ大容量の「ahamo(アハモ)」を発表して大きなインパクトを与えた。それを踏まえて21年の携帯電話料金を巡る動きはどうなるのかを予測してみたい。

インパクト絶大のアハモが競争の軸に

18年、当時官房長官だった菅氏が「携帯電話料金は4割引き下げる余地がある」と発言して以降、携帯電話料金の動向は毎年大きな注目を浴びてきた。菅氏が20年9月に首相に就任して以降、その動きは急加速する。

菅氏、そして菅氏から料金引き下げの命を受けた武田良太総務相は、市場が寡占化しており料金高止まりの原因になっていると名指ししたNTTドコモ、KDDIソフトバンクの3社に、これまで以上に強い圧力をかけた。その結果、3社は料金引き下げに向けた具体的な施策をいくつか打ち出した。

中でも注目を集めたのは、NTTドコモが20年12月3日に発表した新料金プラン「アハモ」だ。アハモは契約やサポートをオンラインだけに絞り、ドコモショップでのサポートはしない。その代わりに複雑な割引の仕組みを一切なくし、月額2980円(税別、以下同)で20ギガバイト(ギガは10億、GB)の大容量通信を利用できるコストパフォーマンスの高さを前面に押し出した。

NTTドコモは続けて20年12月18日にも、既存料金プランを見直した新プラン「5Gギガホプレミア」「ギガホプレミア」を発表した。こちらには料金の値引きやデータ通信量の増量、分かりにくさを生む期間限定の割引キャンペーンなどの廃止を盛り込んだ。しかし、家族契約や固定回線の契約に応じて割引がなされる仕組み従来のままで、アハモほどのインパクトがあるわけではない。

今後各社の料金競争の軸はアハモになりそうだ。アハモが実際に提供されるのは21年3月から。21年はNTTドコモが打ち出した料金プランを軸に、各社がどのような対応を取るかが料金競争の大きな争点となるだろう。

「屈辱」のKDDIはどう対抗するのか

注目は直接のライバルとなるKDDIとソフトバンクの動向だ。両社はともに20年10月、アハモと同様に20GBの高速データ通信が可能な料金プランを、サブブランドから提供することを発表。KDDIは「UQ mobile」ブランドから月額3980円の「スマホプランV」を、ソフトバンクは「ワイモバイル」から月額4480円の「シンプル20」を提供する。

だがその後に発表されたアハモの方が圧倒的に安く、ユーザーの話題性も高いことから、対抗策を打ち出さなくてはならない状況に。とりわけKDDIはアハモ発表の翌週に従来型の複雑で高価な料金プランを発表し、SNSなどで「炎上」を招くという屈辱を味わっているだけに、巻き返し策が大いに期待される。

その対抗策は、必ずしもサブブランドから提供されるとは限らない。先にも触れた通り、アハモはドコモショップでのサポートをカットすることで大幅な料金引き下げを実現している。それに対してUQ mobileはメインブランドより数が少ないとはいえリアルな販売店を構え、そこで契約やサポートができる仕組みを備えている。そのため、アハモと同水準の料金を実現するのは難しいだろう。

そこでアハモ対抗策として注目されるのが傘下の仮想移動体通信事業者(MVNO)だ。KDDIは20年11月、オンラインに特化したモバイル通信サービスを提供する「KDDIデジタルライフ」をシンガポールの企業と共同で設立し、21年春ごろのサービス開始を検討している。ターゲットをデジタルネーティブ世代に設定するなど、そのコンセプトはアハモに非常に近い。

ソフトバンクは傘下にオンライン主体でサービスを提供しているMVNO「LINEモバイル」を持っており、そちらを活用したアハモ対抗策を2020年12月22日に発表した。ただその内容を見ると、LINEモバイルをそのまま活用するのではなく、LINEモバイルをソフトバンクが吸収し、ワイモバイルと同様ソフトバンクの1ブランドとして展開する方針のようだ。

具体的には「Softbank on LINE」というブランドコンセプトの下、オンライン限定で月額2980円、かつ20GBの高速データ通信ができる料金プランを提供するとのこと。契約やサポートはLINEアプリ上からもできる、LINEアプリ使用時のデータ通信量はカウントしないなど、LINEモバイルの基盤を生かしてアハモとの差異化を図ろうとしている様子がうかがえる。

苦境の楽天モバイル、プランを増やす可能性は

ただアハモの影響は、大手2社よりむしろ新規参入の楽天モバイルやMVNOがより多く受ける可能性が高い。なぜならこれらの企業は、低価格を武器に大手から顧客を奪って成長してきたからだ。アハモの登場を機に大手3社間の料金引き下げ競争が加速すると、低料金を求めるユーザーが大手3社から乗り換える魅力が薄れてしまう。

とりわけ楽天モバイルは厳しい。同社唯一の料金プランで5Gにも対応した「Rakuten UN-LIMIT V」の料金は月額2980円とアハモとまったく同じ。自社エリア内であれば使い放題というメリットはあるが、肝心のエリアは整備途上で「全国どこでも」というわけではない。楽天モバイルは21年3月時点で人口カバー率70%を達成するとしているが、大手3社には遠く及ばない状況がしばらく続く。

それゆえ楽天モバイルは20年4月のサービス開始時から、先着300万人に1年間、Rakuten UN-LIMITの料金を無料にするキャンペーンを実施しているが、21年4月以降は無料キャンペーンが終了するユーザーが徐々に出てくる。無料期間が終了し、楽天モバイルのインフラに不満を抱くユーザーが、同じ料金で全国で快適に使えるアハモなどに乗り換える可能性はあるだろう。このため楽天モバイルは、より安価な料金プランを追加して差異化を図るなど、新たな戦略が求められることになりそうだ。

インターネットイニシアティブやオプテージ(大阪市)など、独立系のMVNOにもアハモの影響は少なからず及ぶ。NTTドコモはアハモより低料金で、よりデータ通信量が少ないプランをMVNOと協力して展開していく方針を示している。MVNOは少ない容量でいっそう安い料金プランに生き残りの道を探ることになるかもしれない。

菅首相はアハモの登場に際して「本格的な競争に向けて一つの節目を迎えた」と語っており、料金引き下げの現状にまだ満足しているわけではない様子をうかがわせている。政府からの料金引き下げ圧力は21年も続くと考えられる。ユーザーは各社の動きから目が離せない1年になりそうだ。

佐野正弘
 福島県出身、東北工業大学卒。エンジニアとしてデジタルコンテンツの開発を手がけた後、携帯電話・モバイル専門のライターに転身。現在では業界動向からカルチャーに至るまで、携帯電話に関連した幅広い分野の執筆を手がける。

春割ですべての記事が読み放題
有料会員が2カ月無料

有料会員限定
キーワード登録であなたの
重要なニュースを
ハイライト
登録したキーワードに該当する記事が紙面ビューアー上で赤い線に囲まれて表示されている画面例
日経電子版 紙面ビューアー
詳しくはこちら

ワークスタイルや暮らし・家計管理に役立つノウハウなどをまとめています。
※ NIKKEI STYLE は2023年にリニューアルしました。これまでに公開したコンテンツのほとんどは日経電子版などで引き続きご覧いただけます。

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
春割で無料体験するログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
春割で無料体験するログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
春割で無料体験するログイン

権限不足のため、フォローできません

ニュースレターを登録すると続きが読めます(無料)

ご登録いただいたメールアドレス宛てにニュースレターの配信と日経電子版のキャンペーン情報などをお送りします(登録後の配信解除も可能です)。これらメール配信の目的に限りメールアドレスを利用します。日経IDなどその他のサービスに自動で登録されることはありません。

ご登録ありがとうございました。

入力いただいたメールアドレスにメールを送付しました。メールのリンクをクリックすると記事全文をお読みいただけます。

登録できませんでした。

エラーが発生し、登録できませんでした。

登録できませんでした。

ニュースレターの登録に失敗しました。ご覧頂いている記事は、対象外になっています。

登録済みです。

入力いただきましたメールアドレスは既に登録済みとなっております。ニュースレターの配信をお待ち下さい。

_

_

_