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専業禁止会社の社長が学生に贈る 複業時代のトリセツ

通年採用時代の就活のトリセツ(11)

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NIKKEI STYLE

法政大学でキャリア論を教えている田中研之輔です。2020年最後の連載となります。さて、2020年、みなさまにとってどんな1年でしたか? SNS(交流サイト)からしばし離れて、振り返る時間をとってみてくださいね。

・やりたいことは思うようにできたか?
・年初に掲げたプランは実現できたか?
・心理的幸福感を感じながら、一年間、継続的に学び続けることができたか?

このあたりを振り返ってみてください。2020年は、世界史に刻まれる歴史的な1年であったことは間違いありません。なかでも、つらい思いをしたのは、大学1年生と新卒1年目のみんなですね。地方から上京して、都内のワンルームで一人、オンライン講義を受講し、課題に追われた日々は、これからの人生の中で忘れられない経験です。大学での友達ができなくて、苦労しましたよね。

新卒1年目のみんなは、入社式からオンライン、新人研修もオンライン。その後も、テレワークということで、自宅にいながらビジネススキルを習得した1年だったでしょう。困ったときに、部署の先輩に気軽に聞くことができなかったり、1年目の同僚とも直接会ったり話したり、仕事をする機会がとれずに、よそよそしいまま月日が過ぎていきました。

キャリア論の視点から捉えると、目の前の困難を乗り越えてきた私たちには、以前よりも「レジリエンス」(困難な状況でも適応して生き延びる力)が向上しました。危機というのは、悪いことばかりではないのです。危機に直面し、それを乗り越えようと考え、行動することで、一つ耐性力が身につき、成長したのです。

困難をなんとか乗り越えようとする今、皆さんと考えておきたいのが、これからの働き方についてです。政府主導の働き方改革の推進と、経済界主導の日本型雇用の制度転換。この二つの動きは、どちらもこれまでの「組織内キャリア型の働き方」から「キャリア自律型の働き方」への転換の原動力となるものです。

組織内キャリア型の働き方とは、終身雇用や年功序列に基づき、組織内でのキャリア形成に重きを置く働き方です。キャリア自律型の働き方とは、自ら主体的にキャリア形成していく場として組織を捉える働き方です。組織内キャリア型の働き方からキャリア自律型の働き方への転換は、キャリアのオーナー(所有者)が、組織から個人へと変わることも意味するのです。複業もその流れにあります。

社員の専業禁止? その狙いは

今回は、専門家のマッチングサービスなどを手掛けるエンファクトリー(東京・渋谷)の加藤健太社長にインタビューしました。同社は「専業禁止」を会社の人材理念に掲げています。その背景とこれからのキャリア形成の仕方について聞きました。

◇  ◇  ◇

――なぜ「専業禁止」なのでしょうか。

今回のコロナでも直面しましたが、大企業でも倒産することがあります。一つの組織にキャリアを預けることは、そもそもリスクなんです。キャリアも人生も思い通りにいかないことがあります。うまくいかないことも理解した上で、日ごろから自ら複線的なキャリア形成をしておくことは、これからを生き抜くセーフティーネットでもあります。私たちが「専業禁止」で成し遂げたいのは、社員自らが主体的なキャリア形成を通じて、「生きる力」を育てていくことです。

――本当に禁止なのですか。実際、どんな複業をしているのでしょうか。

もちろん、会社の中でも、「生きる力」を身に付けていくことは可能です。ですので、「専業禁止」といっても、専業で働く社員もいます。勤務しながら社外で活躍場所を見つけ、複業をしてパラレルにキャリアを形成している社員もいます。実際、エンファクトリーでは6割程度の社員が複業を実践中です。

具体的には、飼っているパグをきっかけに、パグの洋服を作って販売しているメンバーやマーケティング支援、Webデザイン制作などスキルを武器に複業をしているメンバーがいます。

気付きや学びをみんなで蓄積

――会社としては困りませんか。

新入社員も含めて、複業をするにあたって禁止事項はありませんが、唯一のルールがあります。それは複業内容をオープンにすることです。社内システム上で毎月活動内容を共有したり、半年に1回の「en Terminal」(エンターミナル)という複業共有会で誰が、どんな複業をしていて、どんな気付きや学びがあるのか、シェアしたりしています。

年齢・年次関係なく、パラレルワークをすることで、社員の自立意識が高まり、日常業務の生産性向上はもちろん、自発的な勉強会の実施など社内活動においても主体的な取り組みが増えています。大切なことは、自ら考え、生き方や働き方をデザインしていくことです。

――「生き方や働き方をデザインする」コツやおすすめの実践方法を教えてください。

大事なのは、心の持ちようです。人類の歴史からみると、私たち一人ひとりの人生は、ほんの一部の時間に過ぎません。これまで蓄積してきた経験に縛られることなく、新しいことに挑戦してみる。誰かの影響を受けた憧れの人の人生ではなくて、自分の人生を生きるのが理想です。

もう一つ忘れてはならないのは、お金のリテラシーです。定年まで企業で働き続け、老後は退職金や年金で生活するという、自動的に生涯の財務問題が解決されていた時代は終わりました。一方で、人生100年時代。生きていくためには、自身でお金のリテラシーを高め財務問題を対処していく必要があります。生き方や働き方をデザインする基礎力として、お金のリテラシーは不可欠です。

――就職のことを考える学生へのメッセージをお願いします。

これから就職活動を迎えるみなさんは、「自分の知っていることは、限られたことなんだ」と割り切っておくようにしましょう。大学生の時に出会う企業が、あなたの人生を決めるわけではないのです。万が一、自分にあわないなと感じたなら働きながら、軌道修正し、キャリア形成していけばいいのです。その手段として複業があっていいかもしれません。複業しなきゃと、と気負う必要もありません。それだけ働く上での選択肢が増えているのだから、1つの仕事や組織に縛られず柔軟に考えていいんだ、というぐらいに考えてください。

また、「自分らしさ」が分からなくても心配ありません。そもそも、自分とは何かは、何歳になっても分からないのではないでしょうか。ただし、「できない」とか「関係ない」と判断する「認識」は壊していくようにしましょう。自分の殻を壊すと、その先に楽しい世界が見えてくるものです。

◇  ◇  ◇

「専業禁止」というのは、新しいことにどんどん挑戦してみようという社員のキャリア開発を支援する応援メッセージであることがわかりますね。インタビューを通じて「人はいつからでもチャレンジできる」ということも伝わってきます。そのためにも、私たちは常に自ら考え、行動し、キャリア自律型の働き方と生き方をデザインしていくことが大切なのです。

加藤健太さん
リクルートを経て、オールアバウトの創業メンバーとして財務、総務、人事、広報、営業企画など裏方周りのあらゆることを担当し、取締役兼最高財務責任者(CFO)として2005年に新規株式公開(IPO)。その後、現在のエンファクトリーを分社し、同社代表取締役に就任。「専業禁止」という人材ポリシーを打ち出して、関わる人々すべての「生きるを、デザイン」を応援中。
田中研之輔さん
1976年生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士課程を経て、メルボルン大学、カリフォルニア大学バークレー校で客員研究員をつとめる。日本学術振興会特別研究員(SPD:東京大学) 2008年に帰国し、法政大学キャリアデザイン学部教授。大学と企業をつなぐ連携プロジェクトを数多く手がける。企業の取締役、社外顧問を19社歴任。著書25冊。『プロティアン―70歳まで第一線で働き続ける最強のキャリア資本術』(日経BP社)など。最新作『ビジトレ―ミドルシニアのキャリア開発』(金子書房)
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