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コロナでミシン復活 販売1.8倍、200万円の高級機も

大河原克行のデータで見るファクト

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NIKKEI STYLE

2019年度までの10年間で、総出荷台数が約25%も減少していた国内の家庭用ミシン市場(出所:日本縫製機械工業会)は、20年度に入ってから一転した。調査会社Gfkジャパン(東京・中野)によると、20年4~10月の販売台数は前年同期比約1.8倍という高い成長をみせている。

その背景にあるのが、新型コロナウイルス禍における手づくりニーズの増加だ。

特にマスクを手作りするために自宅でミシンを利用する人が多く、ミシン大手ブラザー工業傘下のブラザー販売が開設した「手作りマスク型紙・作り方レシピ」のサイトへのアクセス数は、20年4月から10月の半年間で、前年同期比1000倍以上と急増した。

ブラザー販売の安井宏一取締役は、「近年、簡単に作れるアイテムを紹介するなど、コンテンツサイトを強化してきたが、マスク不足が顕著になった20年春から、マスクを手作りしたいという人が増加し、サイトへのアクセスが急増した。もともとアクセス数が少ないサイトであるため伸び率は高いが、ここまでの伸びはまったく想定していなかった」と振り返る。

巣ごもり需要で手作りへの関心が高まる

ミシンによる手作りのニーズが増加したのはマスクだけではない。巣ごもり需要によって、マスク以外の手作りにも関心が高まっているのは、ブラザーのほかのデータからもわかる。

同社が公開している型紙レシピサイト全体へのアクセス数は前年比1.8倍、ハンドメードに関する情報を発信している同社LINEアカウントの登録者数は前年比5.4倍、刺繍(ししゅう)データを販売している「ハートステッチズ」へのサイト登録者数は1.7倍になった。

そして、ブラザー販売の家庭用ミシンの製品サイトへのアクセス数は2.5倍に達したという。

同社では「おうち時間が増えたことにより、家庭用ミシンでの手作りニーズが喚起され、20年度上期は普及機を中心に販売が好調だった。下期も家庭用ミシンへの需要は引き続き好調に推移すると見込んでいる」とする。同社は全世界での家庭用ミシンの通期販売台数を大幅に上方修正し、前年比30%増を見込んでいる。

プロジェクター搭載の高級機が登場

そのブラザー販売は、家庭用ミシン最上位フラッグシップモデル「LUMINAIRE(ルミナイアー)XP1」を、21年1月から発売する。

希望小売価格が200万円(税別)という超高級モデルであり、これまでの最上位モデルの約70万円という価格を大幅に上回る。

ブラザー販売の安井取締役は、「これだけ多くの人にミシンや手作りに興味を持っていただいた今年だからこそ、従来の最上位機種をさらに上回るハイクラスモデルを投入することで、家庭用ミシンに対するイメージを大胆に刷新したい」と語る。そして「こんなこともできるのかと思ってもらえる、最新、最上だからこそのワクワク感と驚きを届けることができるミシン」と位置づける。

ルミナイアーXP1は業界で初めてプロジェクター機能を搭載する。刺繍や実用縫いの模様を縫製前の布地に映し出すことができるため、縫製をする前に位置を確認したり、完成イメージをシミュレーションしたりできる。プロジェクターでは縫製のガイドラインも表示するため、それに沿って縫えばいい。また、操作画面を投影し、映し出されたボタンなどを、付属のタッチペンで押すことで機器の操作を可能にするといった使い方もできる。

加えてカメラ機能を搭載する。カメラによる自動ボタン穴かがり機能のほか、刺繍したい手書きイラストをスキャンして、オリジナルの刺繍データとして利用し、刺繍することもできる。

本体には1297種類の刺繍データを内蔵する。そのうち182種類がディズニーデザインで、人気キャラクターの刺繍も可能となっている。パソコンとも連携し、新たな刺繍データをダウンロードして利用できる。業界最大サイズとなる40.8×27.2センチまでの刺繍も可能だ。

 さらに、ルミナイアーXP1は業界最長の広い作業スペースを確保した。このため、カーテンやベッドカバーなどの大きな布の取り回しがしやすく、縫製できる用途を広げている。

10.1型という大型の液晶パネルを本体に搭載。これまでの高機能モデルで採用していたタッチ操作だけでなく、スワイプやスクロールといった、タブレットやスマートフォンで慣れた操作もできる。

そのほかルミナイアーXP1は、5段階から選べる下糸巻き専用モーター、ボタン操作一つで自動で針穴まで糸を通す「オートマチック糸通し」、ドライバー不要で針板全体を簡単に取り外しできる「ワンステップ針板交換」、ボタン一つで上糸と下糸をカットしてくれる「自動糸切り」や自動で止めぬいをしてくれる「自動返し縫い」といった最上位モデルならではの機能が満載だ。

「ミシンを使うときは、子供や孫、親、あるいは愛する人といったように、常に誰かのことを思いながら縫い上げていく。コロナ禍では、人の心を豊かにするというミシンの使命がさらに強く求められ、ミシンの新たな時代が始まったとブラザーは認識している。こういう時代だからこそ、暮らしや心を豊かにする様々な製品やサービスを、今後も強化していくことで、引き続きミシンを楽しんでもらえる環境づくりを進めたい」(安井取締役)

「趣味」としての需要を開拓

もともとミシンには、2つの需要期がある。

ひとつめは子供の入園、入学などに合わせて、子供のために手づくりをする初心者層の需要期。もうひとつは、初めてミシンを使った人が、数年から数十年後、子育てや仕事が落ち着き、自分の時間が生まれたタイミングで、改めて高機能のミシンを購入し、趣味とする趣味層や上級者層の需要期だ。

今回のコロナ禍はこの需要期とは異なる形で、マスクづくりのためにミシンを購入する人がいたり、おうち時間を有意義に過ごすために、趣味の一つとして新たにミシンを買う人がいたりといったように、新たな需要を生んでいる。

安井取締役は「周りの家族や友人にマスクや小物を作るために、様々な世代の人がミシンを使うようになっている。需要が全体的に底上げされたともいえる。この底上げされた需要を、一時のブームで終わらせることなく、手作りの楽しさを伝え続けていくことが、ブラザーのこれからの課題」と話す。

今回の最上級ミシンの投入は、手作りの楽しさを伝え続けるための提案の一つと位置づける。実際、販売目標が年間20台とわずかであることからもそれはわかる。ここで搭載された機能が、今後、普及モデルへと広がっていくのが楽しみだ。このフラッグシップ機が憧れの製品となり、人々がミシンに興味を抱くきっかけになれば、その存在だけで、大きな役割を果たすことになるだろう。

大河原克行
ジャーナリスト。30年以上にわたって、IT・家電、エレクトロニクス業界を取材。ウェブ媒体やビジネス誌などで数多くの連載を持つほか、電機業界に関する著書も多数ある。

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