国民年金保険料の免除制度も
国民健康保険とセットで考えたいのが、国民年金です。会社員であれば、給与から厚生年金保険料に含まれて天引きされているので、普段あまり意識されていないかもしれません。しかし、会社を退職した場合、日本国内に居住している20歳以上60歳未満の方は、国民年金に加入しなければなりません。
国民年金保険料を納付していない方については、「国民年金未納保険料納付勧奨通知書」が11月27日以降に郵送されており(20年10月26日時点の情報に基づく)、この通知が届いている場合は、そのまま放置しないようにしましょう。
新型コロナウイルス感染症の影響により国民年金保険料の納付が困難となった場合、20年5月1日から臨時特例免除申請ができるようになりました。臨時特例により免除・猶予および学生納付特例申請の対象となるのは、以下のいずれも満たした方となります。
2. 20年2月以降の所得等の状況から見て、当年中の所得の見込みが、現行の国民年金保険料の免除などに該当する水準になることが見込まれること
免除・猶予の対象期間は、19年度分(20年2月~20年6月)と20年度(20年7月~21年6月)分までとなります。学生納付特例については、19年度分(20年2月~20年3月)と20年度(20年4月~21年3月)分です。
国民年金には、もともと所得が少なく本人・世帯主・配偶者の前年所得(1月から6月までに申請する場合は前々年)が一定額以下の場合や失業した場合など納付が困難な場合に、申請によって免除される制度があります。承認されると、全額もしくは一部(4分の3、半額、4分の1)のいずれかの免除が受けられます。また、20歳以上50歳未満で、本人・配偶者の前年所得が一定額以下の場合は、猶予の申請をすることができます。
コロナによる臨時特例措置は簡易な手続きも可能
新型コロナウイルス感染症の影響による場合は、臨時特例措置として本人申告の所得見込み額を用いた簡易な手続きにより、国民年金保険料の免除申請が可能となりました。
国民年金保険料を未納のままにしておくと、ケガや病気で障害や死亡といった不慮の事態が生じたときの障害年金や遺族年金を受け取れなくなることもあります。さらに老後の年金にも影響がでます。
全額免除を受けた場合、その期間について年金額の2分の1が保障されます。納付猶予の承認を受けた期間は年金額には計算されませんが、承認から10年以内であれば追納して年金額を増やすこともできます。
私たちが安心に暮らすための根幹として、社会保障制度があります。会社勤めの場合は会社任せにできましたが、仕事を失うと自分で対応をしなければなりません。特に新型コロナウイルスの影響による場合は国の支援も活用し、何とかこの難局を乗り越えていきたいものです。
