オーブンで作る本格石窯ピザ 自作ソースはミキサーで
連載 家電サラブレッド流モノクッキング
この年末年始は、外食は控えてステイホームで食事を楽しむという人も多そう。そこで今回は本格イタリアンレストランの味を自宅で簡単に再現できる調理家電を紹介します。作るのは、本場イタリア風のピザと、外はこんがり、中はふっくらジューシーなローストチキンです。
本格ピザの生地はホームベーカリーにお任せ
最近の宅配ピザはとてもおいしいのですが、やっぱり焼きたてが一番。焼きたてはふんわりしてフォカッチャみたいな食感が楽しめます。家でピザを作る際、市販の生地を使ってもいいのですが、時間に余裕があれば自作してみてください。おいしさが全然違いますよ。
ピザ生地を作る過程の中で、一番難しいのは発酵作業です。温度や時間の調整に手間がかかり、ちょっと面倒です。そこで今回はホームベーカリーを使って生地を作ってみます。ホームベーカリーは、本来パンを焼くための調理家電ですが、パン生地をこねる機能を使ってうどんやパスタ、ピザ生地も作れます。温度管理が得意なことから、なかには甘酒やヨーグルトなどの発酵食品を作ることができる機種もあります。「買ったのはいいけど、結局使わなくなった」と言われがちなホームベーカリーですが、使い方を工夫すればキッチンに欠かせない調理家電になります。
今回はホームベーカリーで、サクッと軽い食感が楽しめるクリスピータイプの生地を作ってみます。使うのは、シロカのホームベーカリー 「SB-1D151」。メニューに「ピザ生地」が入っているので、ほかに気をつけることはありません。パンを作るのと同じ要領で、パンケースに水とオリーブオイル、強力粉、薄力粉、塩、ドライイーストを入れ、本体にセットしてメニューで「ピザ生地」を選び、スタートボタンを押すだけ。約1時間半でピザ生地の完成です。
ミキサーを使えば、ピザに塗るトマトソースが簡単に!
生地ができるのを待っている間に、ソースと具材の準備をしておきましょう。おすすめの具材は、カットサラミやハム、ベーコン。切らずに並べるだけでいいので簡単です。あとは好きな野菜とチーズがあるとベストです。市販のトマトソースを使ってもいいのですが、イベント感を盛り上げるにはやはりトマトソースも自作。トマト缶(トマトの水煮)で作りますが、生トマトを使うと本格的でおいしいソースになります。そのほかニンニク、タマネギ、セロリ、塩、ハーブ類などをミキサーに入れ、スイッチを押します。
ミキサーでの調理が終わったら、ソースを電子レンジ対応の容器に移して5分ほど加熱して完成。もしソースが余ったら、冷蔵庫に入れて2~3日で使い切りましょう。このソースをベースにミートソースを作れば、おいしいミートソースパスタやラザニアもできます。
ピザストーン付きオーブンでピザを焼く
ホームベーカリーで作っていた生地が出来上がったら、打ち粉をふった台の上に取り出して形を丸く整え、ぬれた布巾をかけて15分ほど寝かせておきましょう。
この間にオーブンの予熱を始めます。ピザを焼くオーブンですが、家電サラブレッドとしては、「パングルメ ベーカリー & コンベクションオーブン(デロンギ)」をおすすめしたいところ。付属のピザストーン効果で、本格イタリアンレストランにあるような石窯で焼いたピザが再現できます。
ピザストーンの上に生地を載せて焼くと、遠赤外線効果で素早くかつ均一に火が通ります。ピザを焼いている間、中から染み出た水分や油分がほどよく石に吸収されるため、パリッと焼き上がるという仕組み。裏面が石で温められているので、パンではなく、ピザ生地らしい仕上がりになります。これひとつで、ピザのクオリティーがグーンとアップしますよ。
ピザストーンはお手入れも簡単。使用後は大きい焦げを落とし、布巾で拭くだけ。焦げを落とさないで何度も使っていくと次第に色がついていき、予熱の際にいい香りがして、もっとおいしく焼けるようになるそうです。
さて、ピザストーンをセットして220度で予熱を始めたら、ピザ生地の成形を始めます。寝かせておいたピザ生地を手に取り、ガス抜きしつつ、直径20~30センチメートルほどに丸く引き伸ばしていきましょう。
オーブンの予熱が終わると、ピーっと音が鳴って知らせてくれます。そうしたらピザストーンを取り出し、丸く伸ばした生地を載せ、その上にお好みの具をトッピングします。ボクは大好きなタマネギとピーマンを載せてみました。
10分ほど焼けば火が通ってくるので、再度ストーンごと取り出し、今度はチーズとサラミをトッピング。さらに5~10分ほど焼いて、完成です。何枚も焼きたいときは、ストーンが冷めないうちにどんどん焼きましょう。
次はイベント料理を盛り上げる「ローストチキン」です。見た目は豪華だけど、作り方は意外とシンプル。あらかじめしょうゆと酒、オリーブオイル、コショウ、ハチミツ、ハーブを混ぜて作ったタレにチキンを漬け込んでおけば、あとはオーブンで焼くだけで完成します。
おいしく作るコツは、まず予熱をしっかりしておくことと、途中でオリーブオイルを刷毛(はけ)などで塗ること。10分おきくらいに2回ほど追加で塗ると、いい感じに照りが出て、見た目もおいしそうに仕上がります。
ピザとローストチキンが並べば、そこはもうパーティー会場! ステイホームでスペシャルなひとときを過ごすのにふさわしい簡単&豪華な2品、ぜひトライしてみてください!
最後に、今回使った調理家電を紹介します。
おうちベーカリー「SB-1D151」(シロカ)
メニューが豊富で、食パン以外に、天然酵母パンやヨーグルト、甘酒など、いろいろ作れるのが魅力。今回紹介した「ピザ生地」コースもついています。ホームベーカリーには珍しい1斤タイプで、筐体(きょうたい)がコンパクトなのもうれしいポイント。
パングルメ ベーカリー & コンベクションオーブン「EOB2071J-5W」(デロンギ)
とにかく見た目がかっこいい! 所有する喜びが味わえる高級家電です。これ1台でピザ生地も作れますが、付属物の入れ替えが多くなるので、今回はホームベーカリーと役割を分けてみました。難点は操作が少し難しい点と、価格が少し高めという点。お料理好きにおすすめしたい逸品です。
低温コンベクションオーブン「TSF601」(テスコム電機)
デロンギはちょっと手が出せない……という方におすすめなのが、お手ごろ価格なのに本格的な低温調理ができるテスコム電機(TESCOM)の低温コンベクションオーブン。低温調理でよく使うジッパー付きポリ袋「ジップロック」が低温調理器として初公認している製品なので安心です。サラダチキンやビーフジャーキー、干物など一風変わった調理も楽しめます。日常使いにも適していて、トースターとしても非常に優秀。サクッとおいしいトーストが楽しめます。
ブレンドフォース ネオ レッド 「BL4255JP」(ティファール)
トマトソースを作るミキサーは何でもOKなのですが、これから購入するのであればこれがおすすめ。たっぷりの大容量1.25リットルで、ジュースやソース作りに最適です。とてもパワフルで氷も砕けます。底面に吸盤がついていて固定できるので、グラグラ揺れたりする心配もありません。
便利な調理家電があれば、いつもの食事がおいしくなるだけでなく、今回のようなスペシャルレシピに挑戦できます。調理をひとつのレジャーとして楽しめれば、特別な時間にもなりますね。次回もまた、家電をフル活用したおいしい料理をお届けします。どうぞお楽しみに!
INTECO代表。家電に囲まれて育った平成生まれの頑張らない系男子。家電コーディネーターの母からの教えで、調理家電を中心に家電に頼れるものは全て頼る、頑張らない生き方を模索中。好きなものはご飯と愛犬。好きな家電は食洗機
(構成 井上真花=マイカ イラスト Yukian)
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