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ダイオーズのOCSは無料でマシンを設置し、コーヒー豆などの販売で収益をあげるモデルが基本。FRANKEのみ月数万円のレンタル料(メンテナンス代込み)がかかり、粕谷さんの豆は1キロ7500円になる。社員の負担は企業ごとに異なり、無料の場合もあれば1杯100円や150円に設定するケースもある。企業側の導入コストは決して低くはないが、社員にとっては街中のカフェで1杯500円はするスペシャルティが、コンビニコーヒー並みの負担で飲めるので割安感がある。実際にこれら上位機種やスペシャルティの引き合いは好調だ。

TBWA\HAKUHODOのカフェラウンジに設けられたカウンター。社員は好みのコーヒーを自由に抽出して味わえる

「コロナで心が疲弊している今だからこそ、おいしいコーヒーで一息つきたいというニーズが高まっているんです」。そう熱を込めて語る大久保さんの言葉を確かめようと、顧客の1社を訪ねてみた。博報堂グループの広告会社、TBWA\HAKUHODO(東京・港)の本社に設けられた約215平方メートルのカフェラウンジ。大テーブルやソファ、観葉植物をしつらえた木目調のフロアのカウンターにFRANKEのマシンを導入した。

ラウンジが稼働したのは1月末。コロナの感染拡大で一時閉鎖したが、10月に再開し、コーヒーを無料にした。「気分転換だけでなく、ここで仕事をする社員も多いのですが、生産性が上がります。コーヒーは部署を超えて社員がコミュニケーションをとるきっかけになる。その意味でコーヒーは福利厚生でもあり、業務ツールでもあるんです」。ワークスタイルプロデュース部の長谷川幸子さんはこう話す。

11月下旬から期間限定で提供している粕谷さんのスペシャルブレンドが好評だ。「香りがすごくて五感を刺激する」と長谷川さん。同社は今も社員の約8割が在宅勤務だ。「コロナを契機に、会社は仕事をする場というよりも、人に会いに来る場になるのでは」。こんなところで人と人をつなぐコーヒーの効用が生きてくる。

ダイオーズがコロナ禍にあってもOCSで攻勢をかけられるのは、ウオーターサーバーや清掃などオフィスサービスを総合的に手掛ける企業ゆえでもある。最近は空間除菌・消臭機「ナノシードα」のレンタル需要が急伸。その営業部隊がOCSの新規契約も同時に獲得するケースが多い。様々な商材のチャネルが、企業の潜在的なOCS需要を掘り起こしている格好だ。

大久保さんは脱サラ後、2年間欧米で流通業を研修し、1969年に家業の米穀店を継ぐとダイオーズの前身企業を創業。かつて米国で目にしたOCSを77年に日本で初めて事業化した、この分野のパイオニアだ。その大久保さんはOCSの市場開拓余地はまだまだ大きいとみる。「主要顧客の中堅中小、そして大企業へと、こんな時期だからこそ営業をかけていかなきゃ」

「ブレンドコーヒーは、それぞれの焙煎師が考えるおいしさを表現したもの」と粕谷哲さん。それだけに実力がハッキリ表れるという

スペシャルティの豆を提供する粕谷さんにとってもOCSビジネスに取り組む意義は大きい。

「当社には、あらゆるところにコーヒーを届ける、という理念がある。オフィスも注目していた場所の1つ。ダイオーズのインフラを通じて当社の豆を提供し、日ごろ職場で飲むコーヒーの品質を高められる。これはありがたいですね」

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