映画『私をくいとめて』(c)2020『私をくいとめて』製作委員会

そして、もう一人話題となっているのは、みつ子の親友役を演じた橋本愛さん。NHK連続テレビ小説「あまちゃん」以来7年振りの共演で、会うのもそのとき以来ということもあり、再会するシーンではスタッフのほうがソワソワしてしまったのだとか。とはいえ、当の本人たちは、久しぶりとは思えないほどすぐに打ち解けていたそうで、その空気感はスクリーンを通してでも伝わってくるほど。「あまちゃん」のとりこになった人とっては、いろんな思いが込み上げて、胸が熱くなること間違いなしのシーンとなっています。さらに、みつ子が憧れるバリキャリ上司の澤田役には、「あまちゃん」では通称あんべちゃんで親しまれた片桐はいりさんも登場。ファンの心をくすぐるキャスティングもうれしいところです。

映画『私をくいとめて』(c)2020『私をくいとめて』製作委員会

人と過ごす大切さについてもう一度考える

そのほかに注目すべきポイントといえば、みつ子の部屋のインテリア。雑誌や広告などで活躍している人気インテリアスタイリストの作原文子さんによるコーディネートは、細部にまでこだわりが詰まっており、60軒以上のショップから厳選された小物ばかり。部屋を作り上げていくうえで、監督にキャラクターの好みや性格を徹底的にリサーチしているからこそ、みつ子の人柄がわかるような部屋になっており、見ていても楽しいところ。置物や照明など、おひとりさまライフに彩りを与えてくれるアイテムも数多く並んでいるので、参考にしてみるのもオススメです。

30歳という人生の大きな節目を経験したことのある女性なら、みつ子の姿に思わずうなずいてしまう本作。監督自身も30歳になるときには、激しい焦りと恐怖に駆られたそうですが、自由や気楽さの裏側に何とも言えない不安があるのもおひとりさまライフの現実。さまざまな葛藤に悩まされるみつ子の姿は、もはや人ごととは思えないかもしれません。2020年は、人間関係や絆について痛いほど考えさせられた1年となっただけに、人と過ごす楽しさや大切さについて、ここでもう一度振り返ってみては? 

『私をくいとめて』
(c)2020『私をくいとめて』製作委員会
監督・脚本:大九明子
出演:のん 林遣都 臼田あさ美 若林拓也 前野朋哉 山田真歩 片桐はいり/橋本愛
12月18日(金)全国ロードショー


【ストーリー】
おひとりさまライフがすっかり板についた31歳の会社員・黒田みつ子。ひとりの時間を存分に満喫していたが、その訳は人間関係や身の振り方に迷ったときにいつも正しいアンサーをくれるもう一人の自分「A」の存在がいるからだった。みつ子はそんな平和な日常がずっと続くと思っていた。ところが、年下営業マンの多田くんにある日突然恋をしてしまったことで一変してしまう。そして、ついにみつ子は崖っぷちの恋に踏み出そうとするのだが……。

(文 志村昌美)

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