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マネックスグループ社長 松本大氏

マネックスグループ社長 松本大氏

マネックスグループ社長の松本大氏は1999年、インターネット証券会社マネックス(現マネックス証券)を設立した。2004年にマネックス・ビーンズ・ホールディングス(現マネックスグループ)を立ち上げ、米ネット証券や暗号資産(仮想通貨)交換会社を買収するなど、新しい領域に挑戦しながら金融業界の変革の波を乗り切ってきた。松本社長を支えたのは「いま手元にあるものを守るより、新しいものを作り出すことがリーダーの役割だ」という考え方だ。

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――自分をどのようなタイプのリーダーだと思いますか。

「端的に言えば、屯田兵ですかね。私はいま手元にあるものを守ろうとか、大きくしようとするような防人(さきもり)タイプではありません。未踏の領域を切り開いたり、新しい価値を創造したりすることが好きなのです」

「リーダーとは何かと言われると、私自身いまだによくわからないんです。1994年にゴールドマン・サックス(GS)でゼネラル・パートナーに就任したときも、日々の仕事に必死でした。当時はあまりに忙しくて、どんな毎日だったかを今よく思い出せないくらいです。周りの人をよく見ることができていない状況でした」

「ただ、1年に120回以上の採用面接をするほど、能力のある人材をGSに引き入れようとしていました。反対に成績の悪い人材には、残念ながら会社を去ってもらうよう伝えました。それがGS全体のためになると考えたからです。私にとってのリーダーは、そういう決断をできる人間だったのです」

――99年に日本では珍しかったネット証券を立ち上げました。

「もともとはGSにいたときに提案したものなんです。当時はちょうどインターネットの黎明(れいめい)期でした。個人が自由に情報にアクセスできれば、機関投資家のようなプロに頼まなくても投資先を決めることができる時代が目と鼻の先に来ていました。GSの上層部に、そう訴えたのですが、『我々は個人相手にビジネスはしないと』と断られてしまいました。でも、私は『今やらないと絶対後悔する』と思ったので、退社してマネックスを立ち上げたのです。あと半年待てば、GSが新規株式公開(IPO)することになっていたので大きな資金を手にできたはずです。でも待つつもりはありませんでした」

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