カーボン入りでも履きやすい ニューバランスの新作
特集 人気3メーカーの最新ランニングシューズ(下)
新型コロナウイルス禍によるテレワークや外出自粛などにより、運動不足解消の必要性を感じている人も多いだろう。そこで、ランニングに適した最新シューズを、今回はニューバランスの注目モデルから3商品紹介する。
反発弾性に優れたFuelCellシリーズ
速く走るために、シューズに必要な機能の一つは反発弾性だという。「反発弾性が高いことで、着地時の足の接地時間を短縮し、すぐに次の一歩につなげられる」と話すのは、ニューバランスジャパンのPR小澤真琴氏。弾むように走る姿をイメージするとわかりやすいが、反発弾性が高ければそれだけスピードがアップする。
そんな反発弾性を強化したニューバランスの注目モデルが、同社で最も高い反発弾性を備えた独自のミッドソール素材を搭載した「FuelCell(フューエルセル)」シリーズだ。2017年から本国の米国本社で、ニューバランスの契約アスリートとともに開発をスタートし、19年にシリーズ最初のモデルとして、ミッドソール素材「FuelCellフォーム」に高反発のカーボンファイバープレートを組み合わせた「FuelCell 5280」を発売した。
「カーボンファイバープレートを搭載することで、力強い推進力を生み出し、効率的なスピードアップを実現する」(小澤氏)。カーボンプレート入りのシューズは速く走れることから注目されているが、履きこなす(走りこなす)のが難しいともいわれている。しかし、ニューバランスの場合は通常のシューズと履き心地がそれほど大きく変わらないので、「シューズに足や走り方を合わせる努力はそこまで必要なく、自然に移行できるのが特徴」(小澤氏)としている。
自己ベストを狙うためのレーシングモデル
10月に発売された「FuelCell」シリーズの最新モデル「FuelCell RC ELITE」。シリーズの特徴である弾む走り心地に、フルマラソンでのレース本番にふさわしい軽さと、地面をつかみ、走りを加速するグリップ性、スムーズな着地を実現している。
TeamNBの神野大地選手(セルソース所属)が日本代表として出場した、19年のアジアマラソン選手権で優勝した際に着用していたモデル。神野選手は「厚底でありながら、ものすごく軽く、ニューバランスのよさであるフィット感がちゃんとあるシューズです。マラソンで自己ベストを狙うためには最高のシューズだと思っています」とのコメントを寄せている。
ミッドソールに軽量かつ高反発なFuelCellフォームを採用し、推進力を生み出しランナーをサポートするカーボンファイバープレートをソールに内蔵。ぬれた路面でも滑りにくいアウトソール「DYNARIDE(ダイナライド)」、足にフィットしてストレスを低減するメッシュアッパーなど、トップアスリートがシリアスなレースで着用することを想定して設計されている。
レースとトレーニングの両方に最適なシューズ
マラソンとトレーニングの両方のシーンで活用できるように開発され、3月に発売された「FuelCell TC」。弾むような走り心地と、長時間のトレーニングに対応した耐久性を兼ね備えている。
FuelCellミッドソールとカーボンファイバープレートを組み合わせたソールユニットを搭載。アウトソール前足部にはラバーを採用し、耐久性と安定性を高めている。メッシュアッパーはなめらかで通気性がよく、足囲(甲周り)のサイズも複数用意されているため(ホワイトのみ)、自分の足にフィットする快適な履き心地を得られる。
ランニング上級者のレース本番からトレーニングまでに対応し、FuelCellならではの弾む走りを楽しめる一足となっている。初めてのカーボンプレート搭載シューズとしても最適だ。
反発性とクッション性に優れた軽量レーシングモデル
カーボンファイバープレートは搭載していないが、反発弾性に優れた「NB HANZO R」も注目モデルのひとつ。ニューバランスの専属アドバイザーである著名なシューズ職人、三村仁司氏の主宰するM.Lab(ミムラボ)との共同開発により誕生し、7月に発売されたレーシングモデルだ。
ミッドソールの素材には、反発性とクッション性という、相反する機能をバランスよく備えた新開発の「REVLITE X(レブライトエックス)」を搭載。非常に軽量でストレスのない走りを実現し、自己記録更新を目指すシリアスランナーをしっかりサポートするという。
通気性と耐久性に優れたメッシュアッパーは、NB HANZOのために開発されたもの。そのほか、日本の伝統的な織物の絣(かすり)や襷(たすき)、刺し子からインスピレーションを得たデザインが取り入れられている点も特徴とする。
かかと部はアキレス腱(けん)へのストレスを軽減するデザイン。アウトソールは軽量設計で、耐久性とグリップ性を兼ね備える。
(ライター 津田昌宏、写真 野町修平=APT、スタイリング 宇田川雄一)
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