ビジネスモデルをどう作るか 図鑑形式の使える教科書リブロ汐留シオサイト店

初回入荷分は1週間で売り切れた(リブロ汐留シオサイト店)
初回入荷分は1週間で売り切れた(リブロ汐留シオサイト店)

ビジネス街の書店をめぐりながら、その時々のその街の売れ筋本をウオッチしていくシリーズ。今回は定点観測しているリブロ汐留シオサイト店だ。来店客の回復は6割程度にとどまったままだという。通常の年末の活気からはほど遠い。そんな中、店頭で大きな反応があったのは、ビジネスモデルについて、経営学者が理論的背景をもとに分類して提示し、その基礎から作り方までを学べるように構成した本だった。

1枚のシートで考えるツールを提示

その本は根来龍之・富樫佳織・足代訓史『この一冊で全部わかるビジネスモデル』(SBクリエイティブ)。副題には「基本・成功パターン・作り方が一気に学べる」とあり、新しいビジネスを生み出したり、既存事業を見直したりするビジネスパーソンに向けた「使える教科書」ともいうべき本だ。

3人の著者はいずれも経営学者。筆頭著者の根来氏は早稲田大学ビジネススクールの中心的な教授の一人で、ビジネスモデルやプラットフォーム戦略、ITビジネスに詳しい。富樫氏は愛知淑徳大学准教授、足代氏は拓殖大学准教授で、ともに早大大学院商学研究科の出身。3人が分担執筆するのではなく、相互レビューや修正を繰り返して共同執筆することで、統一感ある考え方でビジネスモデルを学べる本書が生まれた。

本書を特徴づけるのは、「ビジネスモデルの分析やデザインに独自の手法を提案」している点だろう。ビジネスモデルには4つの構成要素があり、これを1枚のシートにまとめて表現する「戦略モデルキャンバス」というツールが用意される。

中心にくる要素は、どのような顧客に、何を、どのような魅力づけをし、自社のどのような資源を生かして提供するのかという「戦略モデル」だ。そのモデルを実現するための業務プロセスの構造が「オペレーションモデル」、その収益獲得方法とコストの構造が「収益モデル」として表現される。この3つがひとつになってビジネスモデルの全体像が浮かび上がる。さらに、ビジネスモデルが成立する前提となる正当性と妥当性が「コンテキスト」と呼ばれる4つ目の構成要素で、ここまでを1枚のシートにまとめる。この4つの要素をわけて考えることで、具体的にビジネスモデルをデザインしていこうと本書は呼びかける。

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