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雇用調整金、特例延長の先は? 転職支援への転換必要

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NIKKEI STYLE

新型コロナウイルスとの消耗戦が続いています。10月の完全失業率(季節調整値)は前月比0.1ポイント上昇して3.1%となり、雇用への影響も深刻です。政府は8日に雇用調整助成金の特例措置延長を含む経済対策を閣議決定しました。

雇用調整助成金は従業員に休業手当を支給して雇用維持に努める企業を支援する制度です。新型コロナの拡大で、助成額上限を1人1日1万5千円に引き上げるなど特例措置を取っています。この特例は12月末までの予定でしたが、収束のめどが立たず、政府は来年2月末まで延長する方針です。

製造や飲食、小売りなど休業せざるを得ない業種で働く人たちの生活を支える大切な仕組みです。これまでの支給決定額は2兆3千億円を超えますが、働く側には休業が続くことへの不安も募っているようです。

野村総合研究所は10月、「コロナによる休業者の実態と今後の意向に関する調査」を実施しました。休業中の正社員で「休業手当を受け取れるならば休業を続けられる方がよい」とする回答が56%に上る一方、「実際に仕事をして賃金を受け取る方がよい」も44%を占めました。全体の51%は転職意向を持っており、このうち8割は異業種への転職も検討しています。調査を担当した上級コンサルタントの武田佳奈さんは「若い世代は将来のキャリアを考え、業種にこだわらず働きたいという意向が見られる」と説明します。

企業も休業一辺倒の雇用維持策から転換しようとしています。日本航空全日空など業績が悪化している企業の要請を受け、ノジマは最大600人の出向者を受け入れる方針です。出向元の社内で仕事がないなら、社外で働く機会を提供する狙いです。籍は残しながら出向先で働き、景気回復を待ちます。国もこうした「在籍出向」を支援しようと、受け入れ企業への助成制度創設を検討しています。

ただ、在籍出向は原籍復帰が前提です。新型コロナの感染拡大は従来のビジネススタイルに不可逆的な変化を起こしました。例えば旅行業界では、店頭販売からネット販売を重視する傾向が鮮明になっています。感染が今後収束し、景気が回復したとしても、もとに戻らぬ職種や業種が多数出てきそうです。

情報通信技術の進歩などで、将来的には定型的な業務がなくなる一方、デジタル人材が不足するとコロナ前から指摘されていました。介護分野も高齢化のスピードに人材供給が追いつきません。武田さんは「中長期的な視点に立てば、雇用維持から成長分野への移動支援へ、政府の雇用対策は軸足を移す時期に来ている」と強調します。

武田佳奈・野村総合研究所上級コンサルタント「コロナで働く側の意識にも変化」

厚生労働省によると雇用調整助成金は199万件、2兆4千億円の支給が決定しています(12月4日時点)。新型コロナの感染拡大で働きたくとも休業を強いられている方は今も多数います。ただ、パンデミックとの戦いの長期化は働く人たちの意識に変化を促しています。休業者の実態調査を実施した野村総合研究所の上級コンサルタント武田佳奈さんに現状と課題を聞きました。

――働かなくても休業手当をもらえる雇用調整助成金制度。働く人すべてが手放しで歓迎しているわけではないようですね。

「雇用調整助成金は失業を回避する重要な施策です。働く側にとっても収入を確保できる、ありがたい仕組みですが、休業期間が長引くにつれ、オールOKではなくなっています。野村総合研究所が10月に実施した調査では、休業中の正社員の44%が『休業手当よりも実際に仕事をして賃金を受け取りたい』と回答しました」

「自宅待機のままでいつ仕事にもどれるか分かりません。家にずっと籠もっていると生活のリズムがつかめず、心身の健康を害するリスクもあるようです。何よりもこの先のキャリアが心配です。当初は休んでいても給料がもらえると歓迎していた方々も、今の状態がいつまで続くのか、不安を募らせています。パンデミックが長期化するにつれ、産業構造が大きく様変わりする気配もうかがえます。特に若い世代ほど今後のキャリアを考えたとき、このまま休業していて良いのかと強く気にしています」

――政府は雇用調整助成金の特例措置の延長を決めました。延長は必要でしょうか。

「雇用維持は働く人たちの生活支援に重要です。今はまだ施策を縮小する段階ではなく、特例措置の延長に賛成です。私たちの調査では休業中のパート・アルバイト女性の7割が休業手当を受け取っていないと分かりました。勤務先が雇用調整助成金の手続きを取っていないなどの理由です。休業で収入が減り、困っている人が現時点でもいます。救える人をきちんと救えるよう、制度の周知と運営を今後も徹底していくべきだと思います」

「半面、これからは支援にメリハリが求められます。調査では休業中の正社員の約半数は転職も考えており、うち8割は異業種への転職も視野に入れています。新型コロナウイルスにより、元に戻らぬほど打撃を受けた業種・職種もあります。転職を考えている方については、休業期間をいたずらに延ばすより、転職支援に手を貸すべきでしょう。人手不足が深刻で今後の成長が見込める領域に転職する方が、当事者にも有益です」

――具体的にどんな施策を拡充すればよいのでしょうか。

「例えば今後成長が期待できる領域にデジタル分野があります。転職を果たすにはデジタルスキルや知識の習得がカギです。公費でこれらを学べる場が増えるといいですね。介護・福祉分野も人手不足が懸念されています。スキル習得の場も必要ですが、介護・福祉分野は処遇改善も大切です。仕事はあっても働きに見合う十分な報酬が見込めなければ転職をためらいます。処遇が改善するように介護保険制度の報酬見直しや公費補助が期待されます」

「どんな仕事は将来性があるのか。そしてその仕事に就くにはどんな能力や経験、学習機会が必要なのか。キャリア転換を望む方に適切なアドバイスができる相談窓口も必要です。個人が希望する転職先と、その職種の将来性は必ずしも一致していません。橋渡しをする専門家がいると転職もスムーズに図れます」

「人口減少が深刻な日本ではこれまでも『失業なき雇用移動』の必要性が叫ばれてきました。これまでは働く側の意識が追いついていませんでした。今まで培った能力や経験が生かせる業種にこだわり、異業種への転職をためらう傾向がありました。新型コロナウイルスの感染拡大で図らずも働く側の意識が変わろうとしています。これを機に、政府の雇用対策も雇用維持から移動支援に軸足を移していくべきです」

(編集委員 石塚由紀夫)

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