発売当初からデザイン不変のロゴ ブランド構築の「幹」に

高度経済成長期の71年に発売された「小枝」は、公害などの環境問題がクローズアップされる中、「高原の小枝を大切に」とエコをうたったテレビCMから人気に火がついた。森永製菓の商品の中で、「小枝」はそうした先駆的な取り組みのDNAのようなものを持っているのかもしれない。

最近では「エコ」や「サステナビリティー(持続可能性)」といった時代のキーワードを取り入れ始めている。森永製菓は9月、サステナブルなカカオ原料を使用したチョコ作りを、「小枝」などから始めたと発表した。国際NPO(非営利団体)「ココアホライズン財団」の認証基準を満たすカカオ原料を使用することにより、カカオ農家の経営安定、森林伐採や二酸化炭素(CO2)排出量の削減、児童労働の撲滅に貢献することができる。

森永製菓は08年から、「小枝」の売り上げの一部を使って、カカオ生産国で暮らす児童らの教育や、カカオ農家の自立支援を進める「1チョコ for 1スマイル」キャンペーンに取り組んできた。さらに「小枝」では、商品パッケージ紙の原料に森林環境保護に配慮したことを証明する国際認証「FSC」を取得した紙素材を使うことも決定。個包装フィルムの一部にはバイオマスプラスチック・フィルムを採用する取り組みを進めている。

「サステナブルなカカオ原料でのチョコレート製造は、コスト面の課題を乗り越えて導入すべき使命と考えています。『小枝』というのは、そんな先進的な取り組みをアピールしていける商品。2021年に50周年を迎えるのにあたり、『小枝』の持つそのような魅力を対外的に打ち出していけるような施策を考えたい」と村瀬氏は話す。

時代とともにフレーバーやパッケージを変えてきた「小枝」。衛生的で手が汚れにくい個包装、持続可能性への取り組みなどの面でも進化を重ねているが、一つだけ変えていないものがあるという。

フレーバーが変わっても「小枝」の書道ロゴは不変

「71年の発売から不変なのは『小枝』のロゴ文字。当時のパッケージ担当のデザイナーが書道家の母に依頼して書いてもらったロゴを、ずっと使い続けています。このトレードマークが文字として全ての商品で変わらないからこそ、『小枝』のブランドとイメージが守られてきたのだと思います」(村瀬氏)

洋風のロゴを採用することも考えたが、結局は見合わせた。「木の枝を模したチョコ菓子」にふさわしいオリジナル感を出すには、商品棚に他の製品と並んでも「埋没しない個性」が不可欠と考えたそうだ。

小さな枝を模してはかなげに見せながらも、個性を主張する図太さも併せ持つ「毛筆ロゴ」。このロゴを得たことは、「小枝」ブランドが森永のチョコ商品群を支える「幹」に育つ一因となったようだ。

(ライター 三河主門)

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