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答えと解説

正解(誤った習慣)は、(2)眠れないとき、ベッドにとどまる(5)昼寝をしっかりとるです。

睡眠の途中で目を覚ましてしまう「中途覚醒」。若い頃はいったんベッドに入れば「途中で目を覚ます」なんてことはなかったという人も少なくないでしょう。しかし歳をとるにつれ、睡眠の途中で目が覚めやすくなったり、トイレに起きたりすることが増えてきます。2559人を対象にした日本大学の調査によると、「週に3回以上、中途覚醒がある」40~50代は12.7%だったのに対して、60歳以上になると21.2%にまで増えてきます(女性心身医学. 2014;19:103-9.)。

なぜ歳をとると中途覚醒が増えるのでしょうか。睡眠医学の第一人者である秋田大学大学院医学系研究科精神科学講座教授の三島和夫さんは次のように説明します。

「歳をとると睡眠の質が変わってきます。これが第1の要因です。高齢になると深い睡眠が減るので、ちょっとしたことで目が覚めやすくなるのです。また、睡眠中は脳の視床という部分にフィルターがかかって外からの刺激が入りにくくなるのですが、歳をとるとこのフィルターが弱くなるという要因もあります」(三島さん)

いくら健康な人でも、歳をとれば睡眠が浅くなって目が覚めやすくなるのです。「70歳を過ぎると、布団に入ってから朝まで1回も目を覚まさない人なんて10%もいません」(三島さん)

高齢者が夜中に目を覚ますようになるのは、ある意味、当たり前のことなわけですが、中途覚醒は愉快なことではありません。「できれば朝までぐっすり眠りたい」「せめて目が覚める回数を減らしたい」と考えるのも自然なことでしょう。何か打つ手はあるのでしょうか。

三島さんは、「加齢とともに睡眠の質は変わりますし、年齢とともに睡眠時間も短くなります。若かった『あの頃のように』を目指してはいけません」と前置きしつつ、その一方で「『誤った睡眠習慣』をしているために中途覚醒になっている人も多く、習慣を改めるだけで問題が軽減することも多い」と話します。

中途覚醒につながる誤った3つの睡眠習慣とは

三島さんは「誤った睡眠習慣」について、こう説明します。「中途覚醒に悩む中高年には誤った睡眠習慣を持っている人が多くいます。すなわち『早寝』『長寝』『昼寝』です。その3つの習慣を続けている限り、中途覚醒はなくなりません。逆にそれらをやめるだけで、中途覚醒が軽減する人も多いんです」(三島さん)

(三島さんが作成した図を基に編集部で改変)

まず「早寝」とは、夜の20時や21時から早々とベッドに入ってしまうこと。特に高齢になると、疲れを感じやすいので起きているのがつらくなり、必要以上に早く寝てしまおうとする人が少なくありません。夜やりたいこともないからと、必要以上に早く寝てしまおうとする人もいるでしょう。

早寝の問題は、「眠れそうもない時間に眠ろうとすること」だと三島さんは指摘します。人間の体は普段ベッドに入る時刻の2時間ほど前から眠る準備が始まって深部体温が下がり始めますが、その直前は1日の中でも最も深部体温が高く、眠りにくい時間帯になっているのです。

「70代の人でも一般に23時くらいにならないと体が眠る準備は整いません」(三島さん)。たっぷり8時間眠ろうと思って早くベッドに入っても、私たちの体は横になりさえすれば機械的に眠れるようにはできていないのです。

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6時間しか眠れないのに、8時間寝ようとするから中途覚
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