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冬の着こなしを一気に格上げ 最新ストールアレンジ術

宮田理江のおしゃれレッスン

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NIKKEI STYLE

首や肩にぬくもりを与えてくれるストールは、冬のおしゃれを彩るうえで、重宝なアイテムです。寒さをしのぐだけでなく、「着る」感覚でコーディネートの選択肢を増やせるメリットがいっぱい。目立つポジションに迎えるからこそ、上質な素材や風合いのストールを巻くと、装い全体を格上げできます。200年を超える歴史を持つ、英国発の名門ブランド「Johnstons of Elgin(ジョンストンズ オブ エルガン)」のストールを使って、色・柄や質感を生かしたアレンジ術を紹介します。

柄と色の組み合わせでレイヤードに奥行きプラス

冬ルックの楽しみに、レイヤード(重ね着)があります。モチーフ(柄)の印象的なストールなら、アウターと組み合わせた「柄ミックス」を試せます。

ハウンドトゥース(千鳥格子)柄のクラシックなコートに、同じく英国伝統のチェック柄のストールを重ねました。柄は異なるものの、色を共通させているので、うまくなじんでいます。さらに、別のチェック柄のパンツを合わせて、柄の三重奏に。異なるモチーフの響き合いで、動きが加わりました。チェック柄はトレンドモチーフとしても注目を集めているので、ストールで取り入れれば、おしゃれ感が増します。

裏と表で色の異なるストールを巻くと、2枚巻いたような見え具合を生んで、顔周りの華やぎもアップ。柄ニットトップスと引き合わせて、表情を深くするアレンジが効果的です。

ピンクとパープルという、裏表の色が異なるストールを巻いて、ネックゾーンを優雅に盛り上げました。カラートーンを少しずらすことによって、ムードに奥行きが出ています。顔周りに品格が備わっているのは、つややかな上質素材だからこそ。柄入りニットトップスとの組み合わせで、互いを引き立て合う構図に。ストールを巻くだけで重ね着をしたかのように複雑な味わいが生まれました。穏やかな色のパンツで全体を上品になじませているのもまねしたい着こなしテクニックです。

きれい色のストールでコーデに華やぎと落ち感

重たく見えがちな冬ルックも、明るい色のストールを取り入れれば、装いがパッと華やいで映ります。赤から青へのグラデーションがきれいなストールを肩からアクセサリー感覚で掛け垂らして。首に巻くメージが強いストールですが、このように掛けたり垂らしたりと、ダイナミックな使い方も選べます。肩から長く垂らせば、縦落ち感が出て、すっきりした着映えに。面積が広がって、きれいな色を最大限に生かせるから、この冬は巻かない使い方も参考にしてみては。

同系色でまとめて「エレガントリラックス」コーデに

同系色でそろえると、装い全体が落ち着いて映ります。明るい色でまとめるのは、暗い色でまとまりがちな冬ルックの欠点を補えるスタイリングです。

イエローのニットトップスの上から、同じ色のストールを巻きました。細く束ねて巻かず、ストールを広げて、身頃(みごろ)正面を覆っています。ニットとの風合いの違いが際立つアレンジ。ストール生地のつやめきが格上感を漂わせました。首からデコルテにかけて優美なドレープが生まれ、穏やかなエレガンスを感じさせます。

ベージュやグレーといった、穏やかな色で全体をまとめたコーデは、品格と大人っぽさを感じさせます。ストールをジャケットのように肩からかぶせると、シルエットが丸みを帯びて、いっそうソフトに仕上がります。

ニュートラルな雰囲気を持つベージュ系の装いは気品を醸し出します。肩から掛けて、ケープやポンチョのようにまとったのは、同系色のストール。服とは違って、体から少し離れて揺れ動くので、気負わない「エフォートレス」な気分を呼び込んでくれます。休日のちょっとしたお出かけに、伸びやかさと貴婦人ムードを寄り添わせてくれそうです。

色のハーモニーで装いにきちんと感と洗練さをアピール

色をそろえる場合、必ずしも無地で合わせる必要はなく、濃淡が異なっても構いません。同系色がどこかにあしらわれていれば、全体が調和した「きちんと感」のある洗練された着こなしに整えられます。

格子が大きいチェック柄のコートがこの装いの主役。チェック柄のブルーをキーカラーに据えて、全体をまとめました。ジップアップの青ニットトップスに、同じ色合いのストールを添えて、青のハーモニーに。ストールはトレンチコートのエポレット(肩飾り)にストールを通す小技が巧み。長く垂らして、縦長に映る効果を引き出しています。

柄入りニットストールは「着る」感覚で自在に操って

目を引く柄が施されたストールは、服のように「着る」という使い方が新鮮です。襟や袖がないおかげで、ジャケットやカーディガンよりも自在に着こなせるのも魅力といえるでしょう。

クラシックな柄が編み込まれたニットストールをくるっと1回だけ巻いて、両肩に乗せるように迎えました。「巻く」と「着る」の合わせ技のような使い方です。まるでボレロを着ているようなアレンジ技は上質ニットストールならでは。柄ニットトップスに重ねた「ニット・オン・ニット」のコーデは、冬のほっこりした雰囲気を高めてくれます。

ボリュームに余裕のあるストールは、首に巻いたうえで、肩に重ねられます。身頃にしっかりかぶせれば、ケープのような着映えに様変わり。シンプルな服にも、レディームードをもたらせるコーデ技です。

ウォーターカラーのニットカーディガンの上から、柄物のストールを一巻きしてから両肩に乗せました。肩からひじにかけてボリュームを出したおかげで、ケープのようにも見え、腕の細感を引き出すことに成功しています。ストールの柄が生きて、装いに華やぎがプラス。ストールとカーディガンのブルーがきれいに響き合いました。帽子にもワイドパンツにも黒を使って、シックに仕上げています。

長く愛せるストールで冬コーデをタイムレスに

1797年創業の「ジョンストンズ オブ エルガン」はカシミヤと高級ウールのエキスパート。上質なストールを生み出せる理由は、原毛から完成品まで仕上げる、自社工場での一貫生産を続けているから。ロンドン・ファッションウイークで発表された2020-21年秋冬コレクションでは現代的な色彩と伝統な柄を掛け合わせ、流行に左右されない「タイムレス」な装いを提案しました。

「防寒小物」という役割にとどめないで、ストールを「服」としても位置づければ、着こなしのバリエーションが格段に広がります。冬の装いにおいて、脇役のように見えて、実は主役級に目立つアイテムでもあります。この冬は上質ストールのアレンジ術を取り入れて、多彩でポジティブなスタイリングを楽しんでみませんか。

(画像協力)
ジョンストンズ オブ エルガン
https://johnstons.jp/
宮田理江
ファッションジャーナリスト、ファッションディレクター。多彩なメディアでランウェイリポートからトレンド情報、スタイリング指南などを発信。バイヤー、プレスなど業界経験を生かした、「買う側・着る側の気持ち」に目配りした解説が好評。自らのテレビ通販ブランドもプロデュース。セミナーやイベント出演も多い。 著書に「おしゃれの近道」「もっとおしゃれの近道」(ともに、学研パブリッシング)がある。

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