もともと物おじしない性格なのでこの世界にあったのかもしれません。子供の頃から生意気なガキだと言われ、父の事務所の人にも罵詈(ばり)雑言を浴びせて、不興を買っていました。和田アキ子さんにも悪口を言うと、向こうも「クソガキ」と。事務所に入るときも「あんたが社長になったら、うちは辞めるわ」と言われました。社長就任は2002年、36歳の時。今は和田さんから「ワカ」と呼ばれています(笑)。

芸能界では今、タレントの不祥事が相次いでいる。その中にあってホリプロは比較的不祥事が少ない芸能事務所と言われている。

これも礼儀やしつけに厳しい和田さんのおかげかもしれません。深田恭子、綾瀬はるか、石原さとみ、高畑充希などもともと人柄のいい子を選んでとっていることもあります。それでも歌手や俳優、お笑い芸人、スポーツ選手から文化人まで200人以上が所属しているので、いつ何が起こるか分かりません。他の事務所で不祥事が起きても他人事ではない。リスク対策には常に追われています。

特に今年は新型コロナウイルスの感染拡大で業界は大打撃を受けました。業界団体の日本音楽事業者協会の会長でもあるので、政府と協議するなど対策に奔走しました。「ホリプロさんは大手だから大丈夫でしょ」と政府関係者に言われましたが、うちはピーターパンなど数々の舞台も手掛けてきたので損失も半端ではありません。22年にはハリーポッターの日本公演の制作に乗り出します。これからが正念場です。

経営者は常にきつい立場ですが、暁星時代の経験や人脈はすごくプラスになっています。今につながる多くの知己を得ました。先輩の香川照之さんなど俳優やミュージッシャン、ファッションデザイナーなど芸能関係もいれば、医者や弁護士、検事、経営者もたくさんいる。エスビー食品元会長の山崎明裕くんやワーナーブラザースジャパンでバイスプレジデントをやっている土合朋宏くんは同級生です。後輩だけど、講談社社長の野間省伸くんとも親交があります。

暁星では何かあれば、フランス国歌「ラ・マルセイエーズ」を歌います。卒業式には必ず駐日フランス大使が列席してみんなで歌うし、サッカーの試合でも点をとる度に歌う。この歌はフランス革命の革命歌で、歌詞も相当残虐で、実は戦いの歌なんです。

世間で暁星は御曹司の息子の集まるお坊ちゃん学校と思われているかしれません。しかし、私にとっては個性的で厳しい先生たちのもとでかわいがられ、鍛えられた場所です。荒波の芸能界の中で、ルールを守りつつ、したたかに頭を使いながら、総合エンターテインメント企業として多くの人に夢を届けていきたいと考えてます。

(代慶達也)

<<(上)「半沢直樹」は暁星の先輩後輩だらけ ホリプロ社長

管理職・ミドル世代の転職なら――「エグゼクティブ転職」

5分でわかる「エグゼクティブ力」
いま、あなたの市場価値は?

>> 診断を受けてみる(無料)

「エグゼクティブ転職」は、日本経済新聞社グループが運営する 次世代リーダーの転職支援サイトです

NIKKEI 日経HR


マネジメント層に必要な4つのスキルを鍛える講座/日経ビジネススクール

会社役員・経営幹部の方を対象とした、企業価値を高める経営の実務に役立つビジネス講座を厳選

>> 講座一覧はこちら

ブックコーナー ビジネス書などの書評はこちら