文化祭で「レコード大賞」 ホリプロ社長の暁星高時代堀義貴・ホリプロ社長(下)

堀義貴・ホリプロ社長
堀義貴・ホリプロ社長

和田アキ子、深田恭子、綾瀬はるかなど数多くの有名タレントを抱える大手芸能事務所ホリプロ。堀義貴社長(54)は、名門男子校の暁星学園(東京・千代田)出身だ。父で創業者の威夫氏の跡を継いで36歳の時に社長に就任、総合エンターテインメント企業に成長させた。

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「欽ちゃんに会うけど、ついてくるか」。暁星の幼稚園に通っていた頃、父からこう誘われた。コメディアンの萩本欽一さんと仕事の打ち合わせをするという。

渋谷の喫茶店で会い、モノマネのようなことをすると、「君は将来、面白いコメディアンになれるよ」とほめられた。有頂天になり、そこからしばらくは将来の目標はコメディアンでした。

暁星中3年の時に萩本さんの人気番組「欽ドン!良い子悪い子普通の子」の普通の子役のオーディションがあると聞きつけ、応募したいと父親に相談すると、「やめておけ。身ぐるみはがされるぞ」と怒鳴られました。ホリプロ社長の息子がオーディションを受けると、多くの関係者から好奇の目にさらされ、たとえ受かったとしても親の七光と揶揄(やゆ)されるからでしょう。実は大人になって萩本さんに会い、幼稚園の時の話をすると、「あれ、僕はそんなこと言ったかな」と笑顔でとぼけられました。

萩本さんのようなコメディアンになる夢はあきらめましたが、高1の時に今の仕事にもつながる貴重な経験をしました。暁星では毎年秋に「エトワール祭」と呼ぶ文化祭が開かれます。でも、これが目玉のイベントもないし、地味で面白くない。暁星の周りは、同じカトリック系の白百合学園や和洋九段女子など女子校が多いのに、そのせいで来場者は少なかったのです。

暁星で文化祭全体を仕切るのは生徒会長と文化祭実行委員長。ただ、僕の場合、過去に停学処分を食らっているので、学校側ににらまれています。そこで一計を案じました。自分の友人を会長に押し立て、「傀儡(かいらい)政権」をつくり、文化祭の陰の仕掛け人となることを画策したのです。会長選では「エトワール祭にタレントを呼ぶ」ことを公約に掲げさせ、見事に当選しました。実質的に予算権も握り、屋外イベントを仕切ることになりました。

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