武田総務相が問題視したのは、メインブランドからサブブランドへ移る際に手数料を支払う必要があること。一方でKDDIとソフトバンクはサブブランドからメインブランドに移る際の手数料を免除する優遇措置を実施しており、それが武田総務相の一連の発言につながったようだ。

ドコモが一気に価格破壊、ソフトバンクも追随

政権の値下げ圧力に応じる形で、NTTドコモが12月3日に発表した新料金プランが「ahamo(アハモ)」だ。メインブランドであるNTTドコモブランドの料金プランにもかかわらず、20GBのデータ通信容量で月額2980円と、他社のサブブランドの20GBプランより1000円以上安いという、非常に魅力的なプランとなった。21年3月のサービス開始を機にアハモへの乗り換えを検討するユーザーも多いだろう。

NTTドコモが「新料金プラン」として発表した「ahamo」は、月額2980円で20GBの高速データ通信が利用可能。一方でドコモショップでのサポートが受けられないなど、他の料金プランとは明らかに異なる部分が多いので注意が必要だ

ただしアハモは、基本的にドコモショップでの契約やサポートができず全てオンラインで手続きする必要があるなど、従来のメインブランドと全く同じというわけではないのでユーザーは注意が必要だ。

菅首相は「(アハモの登場は)本格的な競争に向けて1つの節目を迎えたと思う」と語っており、料金引き下げに向けた圧力を今後も緩めるつもりはないようだ。すでにNTTドコモは12月18日、既存のデータ大容量プランを21年4月から値下げすると発表した。7GB以下の小容量プランも今後、値下げを含めて見直す方針だ。

ソフトバンクも12月22日、データ通信容量20GBで月額2980円というドコモに匹敵する対抗プランを発表した。KDDIも早晩、これに続くだろう。携帯電話料金の引き下げが相次ぐ21年。「自分にとって最もお得なプランはどれか」――ユーザーは常に注意が必要となる。

新規参入の楽天モバイルは苦戦

20年の携帯電話業界を語る上で欠かせないのは、新規参入した楽天モバイルの動向だ。同社は当初19年10月にサービスを開始する予定だったが、基地局整備の遅れなどによって本格サービスの開始は20年4月にずれ込んだ。ただし、その料金プラン「Rakuten UN-LIMIT」はかなり挑戦的。月額2980円で自社エリア内であればデータ通信がし放題になるというものだった。

楽天モバイルは月額2980円で自社エリア内であればデータ通信が使い放題となる料金プラン「Rakuten UN-LIMIT」を打ち出した

楽天モバイルは20年11月時点で160万契約を突破するなど、順調に離陸したかのように見える。だが、現在は300万人まで1年間無料でサービスが利用できるキャンペーンを実施しており、多くのユーザーが「お試し」で利用している状況だ。無料サービスが終了する来春までに自社エリアをいかに拡大できるかが勝負だろう。

楽天モバイルは本格サービス開始後もトラブルが多く、2020年7月には「Rakuten Mini」の対応周波数を無断で変えてしまったことで総務省から指導も受けている
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新型コロナが普及を妨げた5G