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採用側は面接の際、コミュニケーションのありようにも注視している(写真はイメージ) =PIXTA

採用側は面接の際、コミュニケーションのありようにも注視している(写真はイメージ) =PIXTA

ミドル層の採用・転職活動は、新型コロナウイルス感染の拡大が懸念される状況下でも、コロナ禍に負けるなとばかりに活発です。オンライン面接が主流となっていますが、終盤の面接では「3密」を回避しながらの対面面接を、十分に感染対策に配慮しつつ実施するところもあります。

面接を受ける側も面接する側も、ビフォーコロナにはなかった物理的ストレスを感じながらの選考活動となっていますが、そのせいもあってか、面接でうまくいく人といかない人との明暗がくっきり分かれがちです。

明暗の分かれ目は「面接時のコミュニケーションスタイル」。この状況下で転職に成功しているミドルやリーダーたちには、面接時のコミュニケーションに5つの共通点があります。

1)「自分がどう思われるか」より「面接相手への興味」が先に立つ

面接では「自己アピールをしっかりしなければ」と気合いを入れて当日に臨む人が多いでしょう。ところが、これが結果として敗因になっているケースを、私はエグゼクティブサーチの現場に立ち会い、これまで嫌というほど、見てきました。

面接で失敗する人は共通して、相手が聞いていようがいまいがお構いなしに、怒濤(どとう)のごとく自分の話をします。もちろん面接はあなたの話をする場ではありますが、面接相手があなたの「何を」聞きたいと思っているのかを認識せず、一方的に話をするのがこのタイプの特徴です。

面接同席などで隣にいてヒヤヒヤするのは、面接官が明らかに(「もうその話はいいよ」)と思っている表情です。聞かされる側は冗長な話にイライラしているのが分かるのに、当の本人は緊張で舞い上がっているのか、それに気づくどころか、輪を掛けて切れ目なく話し続ける人も。このコミュニケーションだけで、既に負けは確定です。

優秀な人は、面接相手が求める質問に対して(のみ)回答します。相手がどう感じているかを、常に表情から探り、場合によっては「このお話でよろしかったでしょうか?」などと、しっかり確認を入れます。面接で自己プレゼンテーションを求められている場合であっても、相手とのキャッチボールを欠かしません。

特に社長を相手にマシンガントークは絶対に禁じ手。求められている情報や見解、意見を端的に伝えられれば、トップはその部分は高く評価します。

2)「質問上手」で「聞き上手」

この連載の過去の回でも「商談のような面接」の大切さを紹介しましたが(40歳からの転職、面接は自分を売る「商談」スタイルで)、面接を受ける立場であっても、面接相手に「良い質問」ができるのが優れたリーダー人材です。

「私は~なのですが、Aさん(面接官)はどう思われますでしょうか?」「現職ではこうなのですが、御社ではどのように取り組んでいらっしゃいますか?」など、自分が答えながら、自然と相手にも質問を投げかけていく。一方通行のプレゼンではなく、会話・対話になるように持っていく。そこから相手の情報を得ることもでき、それを踏まえて次に自分が話すことの内容の取捨選択や軌道修正もできます。

本来、優秀なリーダーは無意識的に自然とこうしたコミュニケーションをしています。極論をいえば、立場が逆転するような聞き上手こそが、採用されるリーダーの条件でもあります。

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