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2貫130円から楽しめる イキがいい「立ち寿司横丁」

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NIKKEI STYLE

「うまいすしが食べたい。しかもお安く」----。そんな夢みたいなことを実現してくれるすし店が登場している。「立ち寿司横丁」。現在、都内に4店ある。

店名の通り、立ち食いスタイルなのだが、実際にはテーブル席もある。都心にある「安さとうまさ」を両立している人気すし店と言えば、「寿司の美登利」が有名だが、連日長蛇の列で、時間がないビジネスパーソンにとっては、とても入る気がしない。しかし「立ち寿司横丁」は、さっと入ってサクッと食べて、しかもおいしい。お値段も回転ずしには負けるが、2貫で100円台、200円台中心。これは「天国」だろう。

2018年10月に開店した「中野サンモール店」。以前、1号店の新宿西口店に行った時、少し並んだので、早めの18時ごろに入店した。中野駅から北のサンモールを歩くと、ライトに照らされた看板が目に入ってくる。木製で手書きの墨文字のような店名が書いてある。目立つが上品だ。店は通り沿いの角地にあり、まず迷うことはない。

店内は結構、お客が入っている。店内中央にすし職人がいるカウンターがあり、その周囲が立ち席と座れるカウンター席になっている。奥にはテーブル席があり、2階にもテーブル席と宴会に使える小上がりがあった。白木を使った内装は、柱にお勧めの短冊が貼り付けてあったりして、正統的なすし店というより居酒屋に近い感覚だ。システム化された回転ずしでも、個人が経営する、いわゆる「立ち」のすし店とも違う雰囲気は、割と新しい。

カジュアルな雰囲気のせいか、客は女性が意外に目立つ。カップルはもちろん、仕事帰りに同僚と寄ったような3人客は2人が女性だった。新宿西口店に入った時は、女性のお一人さまがいて、びっくりした。中野サンモール店の営業時間は11時半から22時まで。休みなしの通し営業だ。

メニューを見る。すしは基本2貫で、「いか」や「漬けまぐろ」あたりのスタンダード品が130円(税別、以下同)。「あじ」「いわし」「炙りえんがわ」あたりが250円だ。回転ずしには負けるが、グルメ系回転ずしのチェーンと遜色ないお得な価格だ。

ただ、せっかく来たなら、コロナ禍のストレスを解き放てるようにちょっとした「ご褒美」を自分にあげたい。するとあった。季節メニューだ。「秋の7貫盛り」(1200円)などあったが、いろいろ食べてみたいから、まずは「えび3貫盛り」(680円)を選ぶ。「赤えび」と「白えび軍艦」「甘えび」の盛り合わせだ。

いつものクセで、ひと口目は、しょうゆをつけずに食べる。「赤えび」は、プリプリで、「甘えび」はネットリ。「白えび軍艦」もよい。これを1貫230円弱で食べられるのは、素晴らしいと思う。最近、100円均一の回転ずしも、1巻だけのぜいたく皿を投入しているが、価格はほとんど変わらず、こっちの方がクオリティーが高い印象だ。ちなみに「白えび軍艦」と「赤えび」は1貫からの単品注文もできる。

これでスイッチが入る。すでに瓶ビール(中瓶、680円)は空になり、次のネタを物色する。気づいてしまったのがメニューの一角にある「一貫」の文字。ネタは、「大とろ」「うに」など高級ネタが並んでいるのだが、「大とろ」と「うに」が1貫320円、「中とろ」や「特大赤えび」は250円だ。迷わず「大とろ」と「うに」を頼む。注文は口頭でも可能だが、店内には欲しいネタと個数を書き込む注文票もあり、そちらを使った方が確実だ。

「大とろ」も「うに」も期待を裏切らないものだった。この頃になると、飲み物はすでに日本酒に変わっている。この店、ビール類は少し高めなのだが、サワーやチューハイは300円台が中心だし、日本酒もグラス売りで300円台から。ビールを飲まず、最初からそっちで攻める手もある。ただ、日本酒のグラスは少し小さめだが。

もう一つ「立ち寿司横丁」が良いのは、刺し身が充実しているところ。14種あるのだが、基本はすしネタのシャリ抜きを3人前分、盛ってくれるという仕組みだ。例えば、「いわし刺し」(750円)は、2貫入った握りの「いわし」(250円)を3皿分、6切れをシャリ抜きで提供する。普通のすし店でツマミを頼むと、ほぼおまかせで、すしを頼むより、極端に高かったりするが、ここはその心配がない。これは回転ずしでは味わえない楽しさだ。

店としても調理を効率化できる利点がある。すしの注文でも刺し身の注文でも同じ大きさのものを切り出せば済むからだ。

看板のインパクト、魚の鮮度の高さ、そしてコスパの良さ。お気付きの通り、「立ち寿司横丁」を経営するのは、中小店ではない。「塚田農場」で一世を風靡した一部上場企業、エー・ピーホールディングスだ。

エー・ピーは、宮崎地鶏を中心に生産から販売までを手がける6次産業化で注目され、上場を果たした。そして、地鶏の陰に隠れてはいるが、鮮魚についても同じモデルを展開することにチャレンジし、「四十八漁場」という鮮魚居酒屋を開発。現在、関連ブランドを含め、およそ20店を展開している。

勝ちパターンは「塚田農場」と同じだ。全国の漁協を一つひとつ口説き落としながら提携し、早朝に漁をした「朝獲れ」の魚を、その日のうちに店舗へ配送するという物流網を構築している。「立ち寿司横丁」は、このシステムを使って、おいしい魚をより安く、より気軽に食べさせようという戦略的な店舗でもある。

エー・ピーは、コロナによって居酒屋業態が鶏分野も魚分野も壊滅的な打撃を受けた。その中で2018年、新宿西口に1号店を開店した「立ち寿司横丁」は客の圧倒的な支持を受けていた。それをいまジワジワ増やしている。

現状の店舗は、新宿、中野のほか、吉祥寺、高円寺と、中央区、港区などの都心繁華街より少し外れたエリアへの出店となっている。薄利多売のため、ある程度の集客が見込める、住宅街を後背地に持った1階の店舗を志向しており、家賃を安く抑えるために必要な出店戦略なのだろう。エー・ピーの米山久社長は「今後の戦略業態の一つ」と発言しており、これから増えていくことは確実だ。

中野サンモール店の会計は、税込みで3300円あまり。割と飲み食いしてしまったので、おそらく普通の人よりは金額が行ってしまったと思うが、今はチェーン居酒屋でも2500~2700円はする。満足度は高い。

一つ、言い忘れていた。「立ち寿司横丁」は、テークアウトにも熱心で、数種のセットを販売している。1人前で1000円前後、3人前で3000円程度だ。回転ずし店もテークアウトに力を入れているが、わざわざ行くのは面倒臭い。駅前・主要駅近くにある「立ち寿司横丁」ならば、一人ご飯にも、家族の夕食にも使いやすい。持ち帰りすしチェーンや持ち帰り海鮮丼チェーンが実は増えているのだが、「質」の点では「立ち寿司横丁」が有利ではないか。こうした「天国」の楽しみ方もある。

(フードリンクニュース編集長 遠山敏之)

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