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筋トレ効果は顔にも表れる? 積み重ねでカラダ若返り

筋肉とたんぱく質(下)

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NIKKEI STYLE

日経Gooday(グッデイ)

40代を過ぎると、筋肉は10年ごとに約10%ずつ減少していく。筋肉減少を抑えるには、日々のたんぱく質摂取が重要だ。さらに、筋肉量を増やしたいなら、筋肉に直接刺激を与える「筋トレ」が不可欠だ。「筋肉量が増えるとボディーラインが見違える。また、顔の印象も若返ることがわかってきました」と、立命館大学スポーツ健康科学部の藤田聡教授。まずは1日5回のスクワットからでOK。無理なく筋トレを継続するヒントを聞いた。

筋肉が増えるとボディーラインも顔も若返る!

筋肉量を増やすためには、筋肉に負荷をかける「筋トレ」が欠かせない、というのは、運動生理学の世界ではもはや常識の話。筋肉は、運動することによって刺激され、筋肉を構成するたんぱく質を新しく作り替えるプロセスが刺激される。このときに筋繊維が太くなり、筋肉量が増える。

自分の筋肉量に自信がない…という人は、ぜひ一度、下のコラムで紹介した指で作った輪っかをふくらはぎに当てる「指輪っかテスト」をやってみよう。

「ふくらはぎは全身の筋肉量が反映されやすいため、この指輪っかテストは、筋肉減少症(サルコペニア)の判断基準として活用されています」と立命館大学スポーツ健康科学部の藤田聡教授は言う。「ちょうど囲める」や「隙間ができる」場合は、筋肉が衰えている可能性が大だ。最近、鏡に映る自分の姿勢が老け込んできたように感じる、という人は体を支える筋肉が衰えているサインかもしれない。

【コラム】あなたの筋肉量は大丈夫? 簡単チェック

 自分の筋肉量がちょっと心配になった……そんなとき、簡単に確認できるのが「指輪っかテスト」。両手の親指と人さし指で「指輪っか」を作り、利き足でないほうの、ふくらはぎの一番太い部分を囲む。「指輪っかに隙間ができたら、全身の筋肉量も低下している可能性が高いといえます」(藤田教授)。

筋肉減少やサルコペニアというと「シニアになってからの問題でしょう?」と思うかもしれない。しかし、油断は禁物だ。全年代が筋肉減少リスクにさらされている、と藤田教授は指摘する。

「国民栄養調査によって、朝食におけるたんぱく質摂取量が全年代で不足の状態にあることが報告されています[注1]。また、大学生を対象にした研究で、朝食を取らずにたんぱく質が不足していると筋肉量(除脂肪量)が減少することを確認しました[注2]。年齢にかかわらず注意しないと、若いうちからサルコペニアになる危険性は十分にあります」と藤田教授は言う。

繰り返すが、たんぱく質を取ることによって実現するのはあくまでも「筋肉量の維持」。筋肉を増やすには、筋トレが必要だ。でも、筋トレは楽しくないし、きついからやりたくない……というのが本音。藤田教授は、筋肉を増やすメリットを「見た目のアンチエイジング」という側面から解説する。

[注1]Geriatr Gerontol Int. 2018 May;18(5):723-731.

[注2]Nutr Res. 2018 Dec;60:26-32.

 まず、スタイルの変化。「標準体重なのにスタイルがいまいち、とか、数年前から体重は変わっていないのに最近体のラインにメリハリがなくなってきた、というときには、明らかに筋肉量の減少が影響しています。引き締まったボディーラインや正しい姿勢の維持には、筋肉が不可欠です。ダイエットをしている人は、体重ではなく、筋肉を増やして体脂肪を減らすことを目標にしてほしい。体脂肪は、筋トレによって減らしていくことができます」(藤田教授)

筋肉が減少すると、同じ体重でもボディーラインがぼやけてくる

食事制限だけで運動をしない、さらにはたんぱく質が不足するようなダイエットをすると、肌が荒れたり、しわが増えたり、髪が細くなるなど、「老け込む痩せ方」になるケースが多い。頑張ったのに老けてしまうなんて、残念すぎる。

「必要なたんぱく質を補いながら筋肉を増やしていけば、今よりもっと若々しくなることができます」(藤田教授)

藤田教授は、ポーラ化成工業との共同研究で、「筋トレが肌の若返りをもたらす」ことを確認したという。40~50歳の女性に、一方はエアロバイクによる有酸素運動、もう一方は筋トレをする群に分かれてもらい、それぞれ週2回、4カ月間行った。その結果、いずれの群でも皮膚の弾力と真皮の構造が改善したという。「さらに、筋トレ群では、真皮の厚みの増加が確認されました。これは、筋トレによって"バイグリカン"という真皮を構成する成分が増加したためと推測しています。真皮が厚い人は顔のシミやシワ、たるみが少なく、若々しく見えることもわかっています。見た目のアンチエイジングのためにも、ぜひ筋トレに挑戦しましょう」(藤田教授)

つらい筋トレは続かない! 少しずつでも継続が大切

もし筋トレのモチベーションが高まってきたとしても、1~2回やっただけで、もういいかとなってしまいそう。どうすれば継続できるのだろう。

「新しい習慣を作るには、今、すでに習慣となっていることにくっつけるのが効果的だという考え方が注目されています。これは、"Habit stacking"(ハビット・スタッキング)という方法です」と藤田教授。「ハビット」は習慣、「スタック」は、「積み重ねる」という意味だ。

・朝起きて、コーヒーを入れるとき(お湯が沸くまでの間)
・歯磨きしながら
・お風呂に入る前
・トイレから出たら

このような、「決まった習慣と筋トレをセットにする」のが、ハビット・スタッキング。筋トレだけだと忘れてしまったり、面倒になったりするが、「セットでやる」と決めておけば、習慣化のハードルがぐっと下がりそうだ。

藤田教授のお薦め筋トレは、定番の「スクワット」(下イラスト)。

「下半身には、体の3分の2相当の筋肉が集まっています。スクワットでは、この下半身の筋肉を集中的に鍛えるので、効率的に筋肉量を増やすことができます」(藤田教授)。

下半身に負荷を感じながら、ゆっくりと動作を繰り返す。上がる動作よりも、下がる動作に時間をかけよう。「10回×3セット」を目指したいが、「慣れるまでは、1日5回からのスタートでも大丈夫です」(藤田教授)。

「いきなり1日30回、と言われてもハードルが高すぎて続かないでしょう。自分のペースで、たとえば1日5回ならば抵抗なくできそうであれば、それでOK。1日5回でも、365日続ければ1825回。継続さえすれば、1年後には相当の効果が期待できるでしょう」(藤田教授)。

いきなりスクワットは大変そう、と感じる人は、エレベーターやエスカレーターの代わりに階段を使う、いつもより歩幅を大きくして早足で歩くなど、意識的に活動量を増やすことから始めてみよう。

【スクワット】

「コロナ禍によって屋内で過ごす時間が増えたからこそ、部屋でできる運動にチャレンジするのもお薦めです。スマホアプリやYouTubeなどを検索すると、5分、10分といったプログラムが山ほどあります。ぜひ活用してみましょう」(藤田教授)。

筋トレは週2~3回でもOK たんぱく質はセットでとる

なお、筋トレは必ずしも毎日行わなくてもいいそうだ。

「筋トレを行うと、その後、筋肉の合成モードは2日間は続きます。月・水・金、あるいは火・木など、週2~3回のペースでも筋トレ効果は得られることを確認しています」と、藤田教授。筋肉痛が起こったら翌日は休み、無理なく続けていこう。

せっかく始める筋トレ、できるだけ効率よく筋肉を増やしたい。そこで重要なのが、筋トレとたんぱく質の摂取をセットで行うことだ。

「運動をすることによって、運動による筋肉の合成が高まるだけでなく、その後の食事摂取で筋合成がさらに高まります。筋トレ後2日間までは、筋肉の合成が高まる状態なので、筋トレをお休みする日でも、たんぱく質をコンスタントにとると、筋肉が、より合成されやすくなります。特に、不足しがちな朝食でたんぱく質を豊富に摂取すると、筋トレ効果が高まることを確認しています(グラフ)」(藤田教授)。

朝食でたんぱく質を豊富に取ると筋トレ効果が高まる

前回記事(「筋肉減らさない食事のツボ 朝は手のひらサイズの肉魚」)でも紹介したが、目標は、1食あたり20gのたんぱく質だ。

筋トレと組み合わせるときには、筋肉の合成を促す働きが高い必須アミノ酸・ロイシンを豊富に含むヨーグルトやチーズなどの乳製品の他、アミノ酸配合ゼリーや、水で溶かすだけのプロテインを活用するのも手だ。

「肉や魚や卵は消化に一定の時間がかかりますが、アミノ酸やプロテインは、消化吸収スピードが速く、体に素早く取り込まれるのがメリットです。筋肉の合成スイッチを入れる機能も高いので、忙しくて食事内容を工夫できないときに取り入れてみるのもいいでしょう。BCAA[注3]は必須アミノ酸全てを含んでおらず、摂取後にその代謝の過程で他の必須アミノ酸の濃度を減少させるなど、あまり好ましくない現象も起きるため、BCAA摂取後には他の必須アミノ酸を補う必要があります。その観点からは個人的にはあまりお薦めできず、できるだけ必須アミノ酸全てを含んだサプリメントがお薦めです(当然プロテインも必須アミノ酸を全て含んでいます)」(藤田教授)。

【筋トレと組み合わせたいたんぱく質サプリ】

●プロテイン
牛乳由来のホエイ、カゼイン、大豆由来のソイがある。水や牛乳と合わせてシャカシャカ振って溶かすパウダー状のもの、スナック感覚で食べられるプロテインバーもある。プロテインは、ココア味やフルーツ味などフレーバーのバリエーションも豊富。

[注3]BCAAは、筋肉合成を促す分岐鎖アミノ酸。ドリンクやゼリー、サプリメントなどがある。ちなみに、たんぱく質が分解されてできるアミノ酸のうち、体内で合成できないか、合成できても少量のため食事からとる必要があるのが「必須アミノ酸」(バリン、ロイシン、イソロイシン、スレオニン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、トリプトファン、ヒスチジン)。うち、バリン、ロイシン、イソロイシンは分岐鎖アミノ酸(BCAA)と呼ばれ、筋肉の合成を促進し、筋肉の分解を抑制する働きが確認されている。

筋肉量アップを目指して運動習慣が身につくメリットはたくさんある。

血糖値の上昇が抑えられ、メタボも改善してくる。基礎代謝が高まるので、これまでと同じ量を食べても太りにくい体になる。「運動をすると、脳の神経伝達物質も活性化し、集中力が高まったり、ストレスが軽減されたりします」(藤田教授)。

運動不足が続いていて気持ちも塞ぐ、というような人こそ、筋トレとたんぱく質摂取習慣をセットで始めてみてはいかがだろうか。活力がアップし、気持ちも晴れそうだ。

(ライター 柳本操、図版 増田真一)

藤田聡さん
立命館大学スポーツ健康科学部教授。1970年生まれ。1993年、ノースカロライナ州ファイファー大学スポーツ医学・マネジメント学部卒業。1996年、フロリダ州立大学大学院運動科学部運動生理学専攻修士課程修了。2002年、南カリフォルニア大学大学院キネシオロジー学部運動生理学専攻博士課程修了。2011年より現職。運動生理学を専門とし、老化とともに起こる筋肉量と筋機能の低下に焦点を当てた骨格筋たんぱく質代謝について研究する。

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