コロナ禍の中で迎える今度の年末年始は、家でゆっくり過ごすという人も多いだろう。どうせなら、自宅でクリスマス料理やおせち料理を味わいながら、一緒においしいワインも楽しみたい。とはいえ洋のクリスマス料理はさておき、和のおせちに合うワインを探すのは、そう簡単ではない。そこで「これ1本あればクリスマスもお正月もOK」という便利なワインを今回は紹介しよう。
まずは、もともと幅広い料理に合うスパークリングワイン。例えば、フランス産のシャンパンはアペリティフ(食前酒)のイメージが強いが、コース料理の前菜からメーンの肉料理、デザートまで、シャンパン1本で通すというシャンパン好きは少なくない。
シャンパンと相性が良いとされる食材の1つに、キャビアがある。魚卵の生臭さは大抵のワインの風味を台無しにするが、その生臭さを泡のシュワシュワが消し、なおかつキャビアの塩気を優しく包み込んでくれるからだ。イクラや数の子などキャビアと同じ魚卵の料理が入ったおせちには、スパークリングワインがイチ押しだ。
スパークリングワインのシュワシュワには、脂っこい料理を食べた時に、口の中をさっぱりとさせてくれる働きもある。肉料理にも合うと言われるゆえんだ。
「キャビアにはシャンパンが合う」は、誰がいつごろ言い出したのかは不明だが、昔は、有名なスパークリングワインといえば、シャンパンぐらいしかなかった。今や、多くの国で様々なスパークリングワインが造られ、日本でも、スペイン産のカバやイタリア産のプロセッコなど、質のよいスパークリングワインを、シャンパンより手ごろな値段で手に入れられるようになった。