ガーデンクロス東京王子 全300戸が子育て家族向け
今回の目利き 村田真氏
長引く巣ごもり生活でマンション市場では家族で快適に暮らせる余裕のある住戸を求める動きが強まっている。11月上旬から販売を始めた「ガーデンクロス東京王子」は、そうしたニーズを先取りし、子育て家族に的を絞って全300戸を南向きの3LDKに特化させた大規模物件だ。
JR京浜東北線など3路線が交差する東京都北区の「王子駅」南口から東側へ徒歩9分。約1.1ヘクタールの敷地で、東西方向に長い2棟の住宅棟(地上14階建てと11階建て)、両棟をつなぐ2階建ての共用施設棟が、21年10月の完成に向けて建設中だ。
敷地は第1種住居地域に隣接する工業地域内にある。前面道路は駅から遠い東側しかなく、南側の隣地境界沿いに西側に抜ける散策路を設けてアプローチを短縮した。住宅棟に挟まれた入居者専用の中庭と合わせて1500平方メートル超の緑地を誕生させる。一帯は荒川が氾濫すると浸水深が3メートルに達する「早期の立ち退き避難が必要な区域」に指定されているので、共用施設棟の屋上に非常用発電機を設置するなどの対策を施している。
外観は「家族が都市生活を満喫できる豪華客船」というコンセプトに沿ったデザインだ。共用施設棟は7つの共用スペースを備え、3つを周辺に開放して子育て教室などを開催する予定だ。住戸の専有面積は67~73平方メートル。梁形が室内に露出せず、リビングと居室の境はウオールドアなので空間を広く使える。
売り主は西日本鉄道のほか、三菱地所レジデンス、関電不動産開発、ジェイアール東日本都市開発が名を連ねる。販売は長谷工アーベストと三菱地所レジデンス、建物の設計・施工や入居後の管理業務は長谷工グループの企業が担当する。第1期1次販売は北側の住宅棟のうち65戸が対象で価格は5900万円台~7800万円台。平均坪単価は312万円。購入希望者は城北・城東エリアの20代後半~30代のファミリー世帯が多く、「9割方の成約見込みは立った」と販売担当者は話す。
(日経BP 日経クロステック編集 シニアエディター)
[日経産業新聞2020年12月3日付]
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